一般財団法人 阿部 亮 財団

わずか生後6か月の小さな体で4か月間の闘病に耐えたシーホンちゃんが退院の日を迎えました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

わずか生後6か月の小さな体で4か月間の闘病に耐えたシーホンちゃんが退院の日を迎えました。

今月の活動トピック

カンボジア国内向けに新病院発表会を行いました。
会場には5年前、ジャパンハートが小児がん治療を
開始した直後に肝芽腫の治療を受けた
スレイピッチちゃん(13歳)が
駆けつけてくれました。
当日の様子はカンボジア国内のテレビ局1社、
新聞社3社に取り上げられ、
SNS等を通じて広く発信されました。
神経の細胞にできる癌と闘うシーホンちゃん。
わずか生後6か月の小さな体で
4か月間の闘病に耐え、退院の日を迎えました。
いつも好奇心旺盛で大きな瞳を輝かせている
シーホンちゃんは、病棟のアイドルでした!
退院おめでとう!
医療現場の混乱が続くミャンマーから、
新たに小児がん患者1人を受け入れました。
腎臓のがんと闘う12歳の女の子、
ピュイちゃんです。
去年、がんの再発疑いと指摘されましたが、
通院していた国立病院はクーデター後の医療者の
ボイコットによって手術室が閉鎖されており、
治療の機会を求めていました。
当院で7時間に及ぶ大手術を受け、
順調に回復しています。
​ 9月8日から11日まで岡山医療センターの
中原康雄医師がカンボジア入りし、
集中的な手術活動を行いました。
そのうちの1人、ミンチョンくんは
肝芽腫と闘う1歳の男の子。
手術前は恐怖で大泣きしていましたが
手術は予定通りに進み、
今では元の病室に戻って元気に過ごしています。
9月16日から19日まで、ジャパンハート認定医で、
乳腺外科の堀医師がカンボジア入りし、
外来と乳がん切除の手術活動を実施しました。
堀医師はコロナ前は2か月に1度のペースで
カンボジア入りしていましたが、
コロナ後は今回が初めての来院となりました。
9月19日と20日の2日間、ジャパンハート認定医で、
耳鼻咽喉科の留守医師がカンボジア入りしました。
外来と手術活動を実施し、
外来には子どもから大人まで
大勢の患者さんが集まり、
30人を超える長蛇の列が出来ました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計114名 

  • 9月は中原ミッションと𠮷岡ミッションの2つの手術ミッションが行われ、
    それぞれ数日間の滞在中に小児がんを含む複数の手術を実施しました。
  • 小児がん治療を始めて丸5年が経過し、
    カンボジア人医師が小児がんの手術を執刀することも増えてきました。




がん新規入院患者数 累計56名 

  • 今月のがん新規入院患者数は10名でした。
  • 中原ミッションではミャンマーから新たに小児がん患者1人を受け入れ、手術を 行いました。




外来診療数 353名

  • 口コミ等でカンボジア国内でのジャパンハートの認知度が上がっており、 今月も外来診察数が300人を超えました。
  • 引き続きより多くの方に当院のことを知っていただけるように努めてまいります。




 

小児入院患者数 20名

  • 9月は2度の手術ミッションを中心に小児患者を受け入れました。
  • 小児がん患者の入院数は増加傾向となっております。
    できる限り多くの患者さんの命を救えるように今後も活動してまいります。




小児手術件数  22件

  • 今月は中原ミッションと吉岡ミッションの2度の手術ミッションを実施しました。
    小児がんをはじめ多くの手術が行われました。




カリアンちゃん(8月)

年齢:2歳
家族構成:父、母、兄(2人)
病名:横紋筋肉腫
横紋筋肉腫は、身体の軟部組織、通常は筋肉に発生する癌性腫瘍です。
頭、首、膀胱、膣、腕、脚、体幹など、体のあらゆる部位に発生する可能性があります。
横紋筋肉腫の細胞は成長が早く、体の他の部分に広がる(転移する)ことがあります。

数か月ほど前に腹部にしこりがあることにお母さんが気づきました。
国内最大のチャリティ病院に入院し、CTスキャンと生検を受けました。
そこで腫瘍があることが判明しましたが、治療開始まで時間がかかることが判明。
退院し他の病院を探していたところ、知人から紹介を受け当院へ来ることになりました。

現在、化学療法を受けており、継続して行います。
腫瘍が小さくなり次第、摘出手術を行う予定です。

チキンが大好きなカリアンちゃん。
人見知りな性格でお母さんと一緒にいることがほとんどですが、
最近はプレイルームにも顔を出しすようになりました。
少しずつ病院での生活に慣れてきたようです。



ダニーちゃん(8月)

年齢:16歳
家族構成:父、母、兄(2人)
病名:右足紡錘細胞癌
紡錘形細胞を主とする多形性細胞の増殖からなり肉腫を思わせる像を呈する稀な型の腫瘍です。

2016年に右足に痛みを感じ、プノンペンのクリニックを受診。
腫瘍があることが判明し、2017・19年に腫瘍切除を行いました。
悪性と判明し切断を勧められましたが、
痛みもなく歩行もできていたため切断は行いませんでした。
その後生検を行った結果、紡錘細胞癌が判明し全摘出手術を行いました。
2023年に入り、2月頃から症状はないものの腫瘍が大きくなっていることに気づきました。
MRI検査の結果、紡錘細胞癌の再発が判明したため、
知人の紹介を経て当院で治療を受けるため入院しています。

今後は化学療法を継続的に行い、経過を診ていく予定です。

ダニーちゃんの大好物は牛肉だそうです。
入院したての頃は静かでしたが、
最近は歳の近い女の子達と仲良さそうに話している姿を見かけます。



パンニャくん

年齢:11歳
家族構成:父、母、妹
病名:肝臓腫瘍
肝芽腫は、肝臓の組織に悪性(がん)細胞ができる病気です。
小児肝がんの中で最も多く、通常、3歳未満のお子さんが発症します。
治療では、手術、抗がん剤治療、ときには放射線療法が行われます。

最初、倦怠感があったため、プノンペンにある病院を受診しました。
採血とエコーを行い、腫瘍があると言われ、1週間ほど入院しました。
しかし、検査に時間がかかると言われたため、タイの病院に行き、
生検の結果、がんと診断されました。
その後、プノンペンの病院から当院を紹介されました。
体重も増え、体調も順調に回復してきています。
生検の結果を待ち、今後の治療方針を決定する予定です。
ハンバーガーやピザが好きだそうです。
また、スマホゲームが好きで、勉強のあとにやっています。(勉強も好きだそうです)。
大人びた性格で、冗談はあまり好きではありません。



リヒアンくん

年齢:5歳
家族構成:父、母、妹
病名:横紋筋肉腫
横紋筋肉腫は、身体の軟部組織、通常は筋肉に発生する癌性腫瘍です。
頭、首、膀胱、膣、腕、脚、体幹など、体のあらゆる部位に発生する可能性があります。
横紋筋肉腫の細胞は成長が早く、体の他の部分に広がる(転移する)ことがあります。

最初は左の目が大きくなり、左右で大きさが違うことに気づきました。
シェムリアップの病院で検査を行い、頭の中に腫瘍があると診断されました。
2回手術を行った結果、がんの可能性があると言われ、当院に紹介になりました。
リヒアンくんは以前当院で治療を行なっており、今回は再発による入院です。
酷い頭痛が続き、目も見えづらくなったことから受診したところ、再発が分かりました。
治療の結果、頭痛はおさまりましたが、目は見えないままです。
また、足にも力が入らないそうです。
今後は化学療法を継続的に行っていく予定です。

みかんとりんごが好きです。
また、車やロボットで遊ぶことも好きだそうです。
もともと元気な子だったそうですが、病気になり、元気がなくなってしまいました。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
21名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 ハンナちゃん 14歳 女/td> 腹部腫瘍
2 ピュウェイちゃん 12歳 腎芽腫
3 モニカちゃん 3歳 神経芽腫疑い
4 ニタちゃん 13歳 卵巣腫瘍疑い
5 リヒアンくん 5歳 眼窩横紋筋肉腫
6 ファラくん 15歳 精巣捻転症
7 フェラムくん 8歳 尿道下裂
8 ラタナくん 3歳 尿道下裂
9 カロナくん 7歳 外鼠径ヘルニア
10 ピセスくん 13歳 ホジキンリンパ腫
11 リーチくん 5歳 慢性扁桃炎
12 パンニャくん 15歳 肝臓腫瘍
13 ソクアンくん 13歳 扁桃肥大
14 ポンレウちゃん 6歳 扁桃肥大
15 モニーくん 5歳 扁桃肥大
16 ラリンくん 9歳 扁桃炎
17 ゼアラくん 3歳 神経芽細胞腫
18 ソンハンくん 17歳 骨肉腫
19 ポンレウくん 14歳 デング熱
13 ソクホエンちゃん 12歳 胚細胞腫瘍(卵黄のう腫瘍)

今月の救われた命

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