一般財団法人 阿部 亮 財団

プレイクラー小学校での健康診断を行いました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

プレイクラー小学校での健康診断を行いました。

12月4日、プレイクラー小学校での健康診断を行いました。
今回対象となったのは、4年生、5年生、6年生の計260人の生徒です。
診察の流れは、1看護師によるバイタル測定、2身長と体重の測定、3医師による診察です。
診察後にはこどもたちに鉛筆をプレゼントし、
こどもたちが「かわいい!」と言って喜ぶ様子が見られました。
診察を行った医師によると、12月はカンボジアの1年間の中では寒い時期になるので、鼻水や咳などの風邪症状があるこどもたちもいたが、大きな疾患がありそうなこどもは見つからなかったとのことでした。
診察を待つこどもたちの控室では、カンボジア人栄養士による栄養教室が行われ、クイズをしたり一緒にダンスをしたりするなど、楽しみながら栄養について学ぶ機会を提供することができました。
また、今回は、出張で参加したジャパンハートの東京事務局のスタッフが日本から大繩を持参しました。
日本の小学校では一般的な大繩ですが、カンボジアではそうでないようで、興味津々で、最終的にはみんな楽しく大繩に参加する様子が見られました。
毎年実施しているこちらの健康診断ですが、ただ健康診断をするだけではなく、日本の団体が実施しているからこその価値をこれからも出していければと思っております。

今月の活動トピック

11日にカンボジアで最も普及している銀行である、ABA Bankさんから1万ドルのご寄付をいただき、セレモニーが行われました。
ABA Bankさんは、お金の寄付だけではなく、今後小児がんに関する知識を広める活動にも協力したいとおっしゃってくださいました。
13日、14日の2日間で中外製薬さんによるチームビルディングの研修が行われました。
「自分の理想の職場」について職種ごとに分かれて考えた後、
その理想の職場を動物園で表現しました。
2日とも、勉強ができる施設がある、ということが共通していて、
向上心の高さも見ることができました。
16日、17日の2日間でジャパンハートの奨学金生と里親支援者様とのオンライン交流会を行いました。
今回ご参加いただいた里親支援者様はほとんどが奨学金生と顔を見てお話したことがなく、
奨学金生も緊張した様子でしたが楽しい時間を過ごせました。
​ 24日、25日の二日間でクリスマスイベントを行いました。
今年も最高顧問の吉岡秀人がサンタになり、小児病棟の子どもたちにプレゼントを配りました。
午前中からサンタの帽子やトナカイのカチューシャをつけて笑顔がたくさんのクリスマスでした。
26日、27日の2日間立川国際中等教育学校の中高生あわせて20名と教員2名が研修ツアーの一環で当院を訪問しました。
吉岡医師との座談会だけでなく、ジャパンハートの奨学金生との座談会もあり、年齢の近いカンボジアの学生とお話しをしてとても盛り上がっていました。
24日から27日まで𠮷岡医師がカンボジア入りし、小児がんを含む計28件の手術を行いました。
今回の手術ミッションが今年最後の集中的な手術活動でした。
来年も多くの患者さんを救っていきます。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計247名 

  • 昨年の同時期に比べると伸び率はやや減少しておりますが、
    年間を通して見ると高い水準を維持することができており、
    昨年度よりも120%を超える増加率を記録し続けることができております。




がん新規入院患者数 累計45名 

  • プノンペンの大きなチャリティ病院が小児がんの治療を開始してから約1年が経過し、
    昨年度に比べると人数自体は減少しておりますが、引き続き他院では対応のできない症状の患者さんの紹介はいただいています。
  • ほぼ一定のペースで患者さんが入院してきており、ひとりひとりの患者さんの対応に時間を使うことができています。




外来診療数 290名

  • 昨年の同時期に比べると人数自体は減少しておりますが、年度全体で見ると高い水準を維持することができております。
    昨年度の同じ時期に比べて、合計値は5%程 度数を伸ばすことができております。




 

小児入院患者数 26名

  • 昨年度の累計と比較しても、入院数は12月時点で1.5倍近くの入院患者さんを受け入れることができております。
  • 今月は、先月に引き続き小児がんの再入院が多い月となりました。
    多くの新規患者さんを診るだけではなく、過去の患者さんのフォローアップにも時間を使うことができています。




小児手術件数 16件

  • 昨年度の累計と比較すると、15%ほど手術数を増やすことができており、カンボジア人だけでできる手術も増えてきております。
  • それでも、手術待ちの小児患者は数多くいらっしゃるので、できる限り多くの手術を行えるように引き続き調整を進めています。




リヴァンちゃん

年齢:4歳
家族構成:父、母
病名:神経芽腫疑い
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。

はじめは手足に力が入らず、シェムリアップのチャリティー病院を受診しました。
MRIをした結果、背骨に炎症があると言われ薬を処方されました。
その後、発熱があり、クリニックを受診し、薬をもらいましたがよくならず、
いくつかの病院を受診しました。
発熱だけでなく、頭部に腫れが出てきて、シェムリアップの小児病院を受診しました。
エコーやCTの結果、がんであることがわかりました。
その病院では治療ができないため、ジャパンハートが紹介されました。

神経芽腫に対して化学療法を行っています。

リヴァンちゃんはご飯を食べることが好きな女の子です。
特に卵とお肉が好きで卵があるとご飯をいっぱい食べるそうです。



ラチナちゃん

年齢:14歳
家族構成:父、母、弟
病名:軟骨芽細胞性骨肉腫骨肉腫とは、骨にできる悪性腫瘍の一種です。
骨肉腫が発生している場所の痛みや 腫れが主に出ます。
痛みや腫れ以外の症状が現れる場合や無症状の場合もあります。
治療方法は抗がん剤治療と手術(外科治療)からなります。

痛みが始まったのはハンモックに乗っているときに弟が勢いよく膝の上に座ったときでした。
痛み止めの薬を塗ったり、貼ったりした直後は痛みが治まりましたが、
学校にいるときにひざが腫れてきました。
クリニックを受診し、エコーをしたところ、骨にひびが入っていると言われました。
その後、プノンペンのチャリティー病院を受診し、生検を行った結果、骨肉腫であることがわかりました。
そのため、ジャパンハートが紹介されました。

化学療法を行い、腫瘍を小さくし、足の切断の手術を行う予定です。

ラチナちゃんは果物が好きだそうです。
その中でも特に柿が好きだと言っていました。



ソリンダちゃん

年齢:10歳
家族構成:父、母、兄、弟
病名:左手蜂窩織炎蜂窩織炎は、顔面や四肢、特に下肢の真皮下層から脂肪織に生じる細菌感染症です。
皮膚の細菌感染症の中では、伝染性膿痂疹、丹毒などと並び比較的頻度の高い病気です。

デング熱になった際にクリニックで点滴をしたところがしばらくしたら腫れと痛みがでてきました。
クリニックで手術を行い、一時的にはよくなりましたが、まただんだんと腫れてきました。
その後、チャリティー病院を受診し、生検を行い、現在は結果を待っているところです。
村の人がジャパンハートを受診したことがあり、その村の人からジャパンハートが紹介されました。

ソリンダちゃんはたくさんの石を上に投げて手に何個乗るかの遊びが好きだそうです。
自分の好きなことを話すときはとても笑顔で楽しそうでした。



コンヘンくん

年齢:15歳
家族構成:父、母、姉、弟
病名:左頸部ホジキンリンパ腫リンパ組織を構成している細胞ががん化してリンパ節で増え、しこりをつくる血液のがんです。
首のリンパ節に発生することが多く、抗がん剤治療や放射線治療を行います。

最初は痛みや発熱はありませんでしたが、首のリンパが腫れ、クリニックを受診しました。
その後、チャリティー病院を受診し、生検を行った結果、がんであることがわかりました。
そこでは診ることができなかったのでジャパンハートが紹介されました。

ホジキンリンパ腫に対して化学療法を行っています。

コンヘンくんはSNSでショートムービーを見ることが好きだそうです。
同じお部屋の男の子たちとよく一緒にお話している姿をよく見かけます。



ヴァユーくん

年齢:1歳
家族構成:父、母、祖父、祖母、姉(2人)、叔父(2人)
病名:肝芽腫 肝芽腫は、肝臓の組織に悪性(がん)細胞ができる病気です。
小児肝がんの中で最 も多く、通常、3歳未満のお子さんが発症します。
治療では、手術、抗がん剤治療、 ときには放射線療法が行われます。

1歳の予防接種をしたときに発熱、腹痛、嘔吐の症状がありました。
薬を飲んだ後、一時はよくなりましたが、お腹に腫れと発熱があり、プノンペンのチャリティー病院を受診しました。
採血やレントゲンなどの検査をし、肝臓に腫瘍があると言われ、生検を行いました。
その後、ジャパンハートが紹介されました。

化学療法を行ったあと、手術を行う予定です。

ヴァユーくんはおもちゃで遊ぶことが好きで、食べ物はおかゆが好きだそうです。
病室に行ったら、可愛い笑顔を向けてくれる男の子です。



ハズヴァンくん

年齢:2歳
家族構成:父、母、叔母、いとこ
病名:横紋筋肉腫疑い
横紋筋肉腫は、身体の軟部組織、通常は筋肉に発生する癌性腫瘍です。
頭、首、膀 胱、膣、腕、脚、体幹など、体のあらゆる部位に発生する可能性があります。
横紋筋肉腫の細胞は成長が早く、体の他の部分に広がる(転移する)ことがあります。

水疱瘡になったとき、治る前に水疱瘡がでたところに硬いできものができました。
痛みはありませんでしたが、できものが大きくなってきたので、
シェムリアップのチャリティー病院を受診し、手術を行いました。
一時はよくなりましたが、またできものができ、手術を行いました。
再発するたびに何度も手術を行いました。
その後、プノンペンの小児病院を受診し、生検を行った結果、筋肉のがんであると言われました。
そのため、ジャパンハートが紹介されました。

化学療法を行ったあと、放射線治療または手術を行う予定です。

ハズヴァンくんは車のおもちゃで遊ぶことが好きだそうです。
食べ物に好き嫌いはなく、なんでも食べるそうです。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
27名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 ソクリーちゃん 15歳 右卵巣卵黄嚢腫瘍
2 ファリンくん 6歳 右鼠径ヘルニア
3 コンヘンくん 15歳 左頸部ホジキンリンパ腫
4 ソリンダちゃん 10歳 左手蜂窩織炎
5 ソクフェウンくん 1歳 左鼠径ヘルニア
6 ダリンちゃん 14歳 甲状舌嚢胞
7 マネトくん 6歳 右陰嚢水腫
8 リヤちゃん 14歳 梨状窩瘻
9 ラチャナちゃん 14歳 軟骨芽細胞性骨肉腫
10 ヴァユーくん 1歳 肝芽腫
11 ハズヴァンくん 2歳 横紋筋肉腫
12 ヴィレアーチくん 14歳 サラセミア
13 メンヘンくん 14歳 甲状舌管嚢胞
14 リープブティカちゃん 4歳 甲状舌管嚢胞
15 セレイチェトラくん 4歳 甲状舌管嚢胞
16 チェンラくん 12歳 包茎
17 ソクティくん 3歳 神経芽腫疑い

今月の救われた命

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です