一般財団法人 阿部 亮 財団

伝統行事「ピサックボーチャー祭り」に合わせて、子どもたちとランタン作りを行いました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

伝統行事「ピサックボーチャー祭り」に合わせて、
子どもたちとランタン作りを行いました。

今月の活動トピック

日本から形成外科医の桑原医師が来院し、集中的な手術活動を行いました。
限られた期間の中で合計44件の手術を実施し、外来にも多くの患者さんが訪れました。
カンボジアの伝統行事「ピサックボーチャー祭り」に合わせて、入院中の子どもたちとランタン作りを行いました。
色とりどりの色紙で仕上げたランタンは、光を灯すことでやさしく輝き、子どもたちの表情も明るくなりました。
病院の中でも文化を感じられる、心温まるひとときとなりました。
沖縄美ら海水族館による遠隔授業が実施されました。
初めて見るイルカに目を輝かせ、わくわくした様子の子どもたち。
画面越しにさまざまな技を披露するイルカたちに歓声を上げながら、海の生き物について新しい知識を楽しく学ぶ素敵な時間となりました。
​ 蛭川看護師が、約2週間ラオスで活動を行いました。
文化や医療体制の異なる地で、患者さんへの診療に加え、現地の医師や看護師との交流も深めました。
互いに学び合いながら信頼関係を築く貴重な機会となりました。
5月20〜22日の3日間、チャムカルー病院でモバイル診療を行い、計85名の患者を診察、24件の手術を実施しました。
多忙の中でも最後まで全力を尽くしたチームの姿勢が、確かな医療支援につながりました。

5月28日から31日にかけて、最高顧問・吉岡秀人が集中的な手術活動を行い、合計38件の手術が実施されました。
これからも、1人でも多くの命を救うため、活動を行なっていきます。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計60名 

  • 今月は最高顧問・吉岡秀人と形成外科医である桑原医師、2名による集中的な手術活動が行われました。
    1人で多くの子どもを救えるよう活動に励んでまいります。




がん新規入院患者数 累計9名 

  • 現在、病棟には41名の小児がん患者さんが入院しており、例年に比べて非常に多い状況となっております。
    目の前の命一つひとつと真摯に向き合いながら、これからも歩みを進めてまいります。




外来診療数 312名

  • 今月も外来には300名以上の方が訪れました。
    引き続き、質の高い医療提供に努めてまいります。




 

小児入院患者数 48名

  • 今月の入院患者数は50名近くにのぼり、近年で最も多い人数となりました。




小児手術件数 34件

  • 5月には、形成外科医・桑原医師による集中的な手術が行われました。
    今後も継続的な支援と医療の提供に努めてまいります。




ビスナくん

年齢: 9歳
家族構成:父、母、姉
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
初期の段階ではほとんどが無症状ですが、進行してくるとおなかが腫れたり、触ったときに硬いしこりが触れて分かる場合があります。
特に、5歳以下の子どもの発 症率が高いとされています。

最初の症状は腰の痛みでした。
痛みが足まで広がってきたところで近所の3箇所のクリニックへ出向き、エコーで見てもらったけれど原因が分かりませんでした。
その後、プノンペンの病院で結核と診断され、治療を進めましたが腫瘍は大きくなる一方で、生検をしたところ悪性腫瘍と判明し、当院を紹介されました。

現在は抗がん剤治療(全8回)を受けています。
腫瘍を小さくし、手術や放射線治療を行う予定です。

好物はマンゴーとりんごで、おもちゃで遊ぶことが好きないたずらっ子です。



タイくん

年齢: 13歳
家族構成:父・母
病名:デング熱
蚊に刺されることによって感染する疾患です。
デング熱は急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状が見られます。
通常、発症後2~7日で解熱し、発疹は解熱時期に出現します。

最初の症状は、3日間続いた高熱でした。
熱は解熱剤を飲むと一時的に下がるものの、すぐにまた上がってしまったため、家の近くのクリニックで血液検査を受けたところ、デング熱と診断されました。
ジャパンハートこども医療センターには、以前に小児がんの治療で入院していた経緯があり、今回がんの経過観察を兼ねて、この病院に戻ってきました。

小児がんの再発はなく、デング熱についても数日の入院と点滴治療により症状が改善し、現在は退院しています。

がんの治療を終えてからは、プノンペンのイオンモールに服を買いに出かけたり、親戚の家に遊びに行ったりと、元気に日常を楽しんでいたそうです。



ソクレンちゃん

年齢: 4歳
家族構成:祖父・祖母・父・母・姉( 3人)・弟
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
初期の段階ではほとんどが無症状ですが、進行してくるとおなかが腫れたり、触ったときに硬いしこりが触れて分かる場合があります。
特に、5歳以下の子どもの発 症率が高いとされています。

最初の症状は腹痛と両足の痛みでした。便も細く腹痛が続いたため、クリニックでエコーをしてもらうと腫瘍が見つかりました。
プノンペンの病院で生検を含む様々な検査をしたところ、がんと発覚し、病院に紹介されてジャパンハートに来ました。

現在は入院をしながら治療方針を決めているところです。

おままごとが好きな静かな子です。
苦手なものはなく、なんでも美味しそうに食べるそうです。



モニーちゃん

年齢: 3歳
家族構成:父・母
病名:仙尾部卵黄嚢腫瘍
尾てい骨の近くにできることが多い、まれな小児がんの一種です。
卵黄嚢という胎児期に重要な組織に由来し、進行が早いため、早期発見がとても大切です。
治療には、手術と化学療法(抗がん剤治療)を組み合わせることが一般的です。

転んでお尻をぶつけた際に腫れてしまったのをきっかけに病院に行ったところ、腫瘍があると発覚しました。
家の近くで治療を受けていましたがよくならなかったため、タイの病院に行き7回の抗がん剤治療と手術を受けました。
無事治療を終え家に戻りましたが、痛みが再発したため、村の人に紹介してもらってジャパンハートに来ました。

現在は入院をしながら治療方針を決めているところです。

1人で過ごすことも多く、おままごとが好きな女の子です。
なんでも好きですが、特に酸っぱいスープを飲むことが好きです。



マヌくん

年齢: 7歳
家族構成:祖父・祖母・父・母
病名:肝腫瘍
肝臓にできる腫瘍の総称で、良性と悪性のものがあります。
良性腫瘍は、通常は症状が なく、経過観察が主な対応です。
悪性腫瘍(肝がん)は、肝細胞が癌化することで発生し、進行すると症状が出ることがあります。

最初の症状は下痢でした。
なかなか治らず、ある日、祖父のお腹の上に座った時にお腹を触ると、塊があると気づいたそうです。
近くの病院でCTやMRIなどたくさんの検査をしましたが、検査結果を待っている間にFacebookでジャパンハートを知り、当院に来ました。

生検の結果が出次第、治療方針を決めていきます。

明るい性格で、動物が大好きみたいです。
プロハットという練り物を揚げた食べ物が大好物です。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
36名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 シエブミンくん 7歳 右耳ケロイド
2 ファリットくん 2歳 鼠径ヘルニア
3 ソマリーちゃん 7歳 頸部表皮母斑
4 リメンくん 4歳 顔面皮下腫瘍
5 ポンレウくん 4歳 顔面腫瘤
6 ソクネンちゃん 14歳 頸部癌
7 ダヴァンちゃん 8歳 前胸部結節
8 ネヘメアくん 2歳 両側母指多指症
9 セアンゲチンちゃん 11ヶ月 左頸部腫瘤
10 シヴリンちゃん 6歳 頭部粉瘤
11 ビスナくん 9歳 神経芽腫
12 マヌくん 7歳 肝腫瘍
13 ファンナくん 8歳 右上腕腫瘍
14 ダヴちゃん 9歳 正中頸嚢胞
15 カンハちゃん 5歳 舌粘液嚢胞
16 タイくん 13歳 デング熱
17 ユフォンちゃん 10歳 甲状腺乳頭癌
18 ブンヘンくん 12歳 包茎
19 ソッケンくん 13歳 左鎖骨骨折
20 ダニスくん 13歳 背部類皮嚢胞
21 ソクレンちゃん 4歳 神経芽腫
22 モニーチャンちゃん 3歳 仙尾部卵黄嚢腫瘍
23 ニカちゃん 8歳 血管腫
24 リーちゃん 2歳 デング熱
25 ダノウちゃん 4歳 喘息
26 カニカちゃん 4歳 類皮嚢胞
27 リティポンちゃん 4歳 舌腫瘤
28 ブンテットくん 8歳 正中頸嚢胞
29 リザちゃん 15歳 卵巣卵黄嚢腫瘍
30 デビットくん 3歳 背部血管腫
31 チャンダネちゃん 7歳 鼠径ヘルニア
32 チャンティアちゃん 15歳 左立方骨腫瘍
33 サラチャイヤくん 10歳 顔面瘢痕の再建
34 ムニロトナちゃん 9歳 頸部粘表皮癌
35 セルティーちゃん 12歳 背部および側腹部の血管腫
36 ソッカンハちゃん 10歳 眼瞼下垂

今月の救われた命

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