一般財団法人 阿部 亮 財団

プレイクラー小学校での健康診断を行いました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

White Canvasの授賞式が行われました。

今月の活動トピック

3日から5日までと、27日から31日までの2度、ジャパンハートの最高顧問・吉岡秀人がカンボジア入りし、手術活動が行われました。
今回の小児がん手術の件数は多く、日を跨ぐこともありましたが、無事に終了しました。
7日から11日まで、ジャパンハート認定医で消化器外科の遠藤医師が手術活動を行いました。
今回はチャムカルー病院という連携病院での外来・手術・病棟診療がメインで、3日間の合計で11件の手術が行われました。
10日、11日の2日間、認定医で耳鼻咽喉科・頭頸部外科の留守医師が来院し、集中的な手術活動が行われ、計8件の手術が行われました。
今回は2日間という短い期間でしたが、外来受診患者さんもたくさん診ていただきました。
​ 16日に美ら海水族館の遠隔授業が行われ、今回のテーマは「イルカ」でした。
イルカのショーを見た子どもたちは大興奮し、最後には子どもたちのリクエストで、もう一度イルカのジャンプを見ることができました。
夢の架け橋プロジェクト出身の医師がスタッフに加わりました。
20日から新たに2名の医師がジャパンハートこども医療センターで働き始め、ふたりとも夢の架け橋プロジェクトの先輩医師や他のスタッフを見ながら、医師としてのキャリアをスタートさせました。
White Canvasの授賞式が行われました。ジャパンハートこども医療センターで定期的にアートのワークショップを開催してくださっているソーシャルコンパスさんがオーガナイザーを務めました。
また、ジャパンハートも未来のアーティストたちに「ジャパンハート賞」を贈らせていただきました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計284名 

  • 1月には上旬と下旬の2回にわたり、最高顧問の吉岡秀人が訪れ、小児がん手 術をはじめとする各種手術を実施しました。




がん新規入院患者数 累計58名 

  • 今月の新規がん入院患者数は13名でした。
  • カンボジア国内最大の小児チャリティー病院が新たに小児の固形腫瘍治療を開始してから一年が経ち、引き続き国内の他医療機関との連携を強化していきます。




外来診療数 350名

  • 今月は350人の小児患者さんが当院を受診しました。 引き続き、より多くの方に当院のことを知っていただけるよう努めてまいります。




 

小児入院患者数 47名

  • 最高顧問・吉岡による小児外科手術が行われ、今月の入院患者47人の約半数が小児がん患者でした。
    他の月と比較しても、特に多くの患者さんを受け入れました。




小児手術件数 36件

  • 1月は最高顧問の吉岡秀人がカンボジア入りし、小児がんを含む多くの手術を実施しました。




サクティくん

年齢: 3歳
家族構成:父、母、祖父、祖母、叔母、叔母の旦那、従兄弟
病名:神経芽腫疑い
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。

はじめは発熱があり、クリニックを受診して風邪薬が処方されました。
しかし、熱が下がらなかったため、プノンペンの小児病院を受診し、腎臓の上の部分に腫瘍があると言われました。
タイの病院でも同様に腫瘍があると言われました。
目の周りも腫れてきたため、国立小児 病院からジャパンハートに紹介されました。

神経芽腫と診断され、化学療法開始後には熱が下がってきています。

サクティくんは車が好きで、乗り物のおもちゃで遊ぶことが好きだそうです。インタビュー中も 車のおもちゃで遊んでいました。



ラタナちゃん

年齢: 9歳
家族構成:母、姉、弟
病名:顎下腺粘表皮がん 唾液腺や呼吸器系、消化器系、皮膚などの粘膜に発生する悪性腫瘍の一種です。
このがんは、腫瘍が異なる種類の細胞(粘液産生細胞と扁平上皮細胞)が混在して形成されるため、「粘表皮」と名付けられています。

3年前、首にできものがあることに気が付き、触ると痛みもありました。
3か月前にお母さんが そのできものが気になり、プノンペンの小児病院を受診しましたが、何かは分かりませんでした。
そのため、ジャパンハートを受診しました。

生検の結果、粘表皮がんと判明し、手術で全摘しました。

ラタナちゃんは果物が好きだそうです。
特にザクロが好きだそうで、ニコニコしながら教えてくれました。



インライくん

年齢: 15歳
家族構成:父、母、兄、姉、弟 (2人)、祖母
病名:左肩骨肉腫 骨肉腫とは、骨にできる悪性腫瘍の一種です。骨肉腫が発生している場所の痛みや腫れが主に出ます。
痛みや腫れ以外の症状が現れる場合や無症状の場合もあります。治療方法は抗がん剤治療と手術(外科治療)からなります。

はじめは田んぼを耕す機械が肩にぶつかり、脇に硬いできものができて痛みもありました。
そのため、プノンペンのチャリティー病院を受診しました。
そこで生検を行い、がんであることがわかりました。
生検後、腫瘍がさらに大きくなってきました。その後、ジャパンハートに紹介されました。

抗がん剤を開始し、腫瘍の縮小と痛みの軽減を目指しています。

インライくんは凧を作ることが好きだそうです。
また、スポーツではバレーボールが好きだそうです。



ソクナちゃん

年齢: 1歳
家族構成:父、母、姉 (2人)
病名:左副腎神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。
はじめは下痢の症状があり、近くの薬局で薬を購入し約半年服用していたのですが、治らなかったため病院を受診しました。
それでもよくならなかったため、チャリティー病院を受診しました。
下痢の症状と腹部に張りがあることを伝え、点滴や注射を行い、症状は改善しましたが、がんの疑いがあり、ジャパンハートに紹介されました。

腹部腫瘍の生検の結果、神経芽腫と診断され、抗がん剤治療を開始しています。

ソクナちゃんはご飯は何でも食べ、車のおもちゃや人形で遊ぶことが好きだそうです。
誰が近づいても泣くことはなく、不思議そうな目で見つめてきます。



チェサンくん

年齢: 1歳
家族構成:父、母、兄、姉、祖父、祖母
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。
はじめはお腹に腫れがあり、シェムリアップのチャリティー病院を受診しました。
エコーやCT などの検査を行い、生検も実施しました。その結果、がんであることがわかり、ジャパンハートに紹介されました。

神経芽腫に対して抗がん剤投与を開始しています。

チェサンくんはおもちゃで遊ぶことが好きだそうです。
まだ環境に慣れていないのか、近づくと泣いてしまっていました。



ダニちゃん

年齢: 14歳
家族構成:父、母、姉 (3人)、弟、妹(2人)、姪、姉の旦那
病名:上咽頭がん
上咽頭がんは、上咽頭に発生するがんで、頭頸部がんの 1つです。
発生するがんの種類(組織型)は、ほとんどが扁平へんぺい上皮がんですが、中でも低分化・未分化なものが大部分を占めます。

はじめは風邪のような症状と耳の痛み、頭痛がありました。
病院を受診したところ、鼻のアレ ルギーであると言われ、薬で治療をしました。
口から血が出てきたため、再度受診したとこ ろ、鼻に腫瘍があることがわかり、耳鼻科の受診を勧められました。
耳鼻科で生検を行い、 がんであることが判明しました。家族と相談し、ジャパンハートへ来ました。

抗がん剤投与開始後、症状が軽快し、痛みもなくなっています。

ダニちゃんはバレーボールが好きだそうです。
食べ物ではパパイヤのサラダが好きなようです。



モニーくん

年齢: 14歳
家族構成:父、母、妹
病名:口腔横紋筋肉腫 横紋筋肉腫は、身体の軟部組織、通常は筋肉に発生する癌性腫瘍です。
頭、首、膀 胱、膣、腕、脚、体幹など、体のあらゆる部位に発生する可能性があります。
横紋筋肉腫 の細胞は成長が早く、体の他の部分に広がる(転移する)ことがあります。

はじめは耳に痛みがあり、耳鼻科を受診したところ、膿が溜まっていたため膿を取りました。
しかし、2か月後には再び腫れ、痛みもありました。耳鼻科では炎症が起きていると言われました。
その2週間後に耳鼻科で生検を行いましたが、結果が出るまで時間がかかり、待てず に小児科を受診し、そこで再度生検を行いました。
その結果、がんであることがわかり、ジャパンハートに紹介されました。

抗がん剤治療を開始し、左下顎の腫瘍は少し小さくなり、口が開くようになってきています。

モニーくんはサッカーとバレーボールが好きだそうです。
同じ病室の年下の男の子たちとよく一緒にお話している姿をよく見かけます。



パンニャくん

年齢: 14歳
家族構成:祖父、祖母、妹、叔父、叔母
病名:右脚骨肉腫疑い 骨肉腫とは、骨にできる悪性腫瘍の一種です。
骨肉腫が発生している場所の痛みや腫 れが主に出ます。
痛みや腫れ以外の症状が現れる場合や無症状の場合もあります。
治療方法は抗がん剤治療と手術(外科治療)からなります。

友人がベッドから動こうとしたときに滑ってしまい、パンニャくんの足に強く座ってしまいました。
数日後、足が痛くなり、腫れも出てきて歩くことが困難になりました。伝統的な治療を行いましたが、改善せず、クリニックを受診してレントゲンを撮ったところ、骨折していることがわかりました。その後、再度伝統的な治療を行いましたが、改善せず、ジャパンハートを知っていたため、ジャパンハートへ来ました。

病理の結果を待って、化学療法と手術を行う予定です。

パンニャくんは果物が好きだそうです。人懐っこく、自分から病気のことや好きなことについて教えてくれました。



チャイナくん

年齢: 1歳
家族構成:父、母、姉
病名:肝芽腫 肝芽腫は、肝臓の組織に悪性(がん)細胞ができる病気です。
小児肝がんの中で最も多 く、通常、 3歳未満のお子さんが発症します。
治療では、手術、抗がん剤治療、ときには 放射線療法が行われます。

右のお腹が腫れてきたため、チャリティー病院を受診しました。
そこで生検を行い、その結 果、がんであることがわかり、ジャパンハートに紹介されました。

肝芽腫に対して抗がん剤治療を開始し、腫瘍の縮小後に全摘をする予定です。

チャイナくんは車のおもちゃが好きだそうです。
自分のベッドにあるおもちゃを指して、「好きだ」と教えてくれました。



ジンラちゃん

年齢: 2歳
家族構成:父、母、兄、姉、祖父、祖母
病名:胸膜肺芽腫 胸膜肺芽腫は、肺と胸膜(肺の外側と胸腔の内側の表面を覆っている組織)の組織に発生します。
また、胸膜肺芽腫は心臓、大動脈、肺動脈などの両肺の間にある臓器や横隔膜(肺の下にある主要な呼吸筋)にも発生します。

発熱と息切れがあり、チャリティー病院を受診しました。
その際、熱は下がりましたが、1か月 後に再度発熱があり、歩行も困難になりました。
クリニックを受診しましたが改善せず、再びチャリティー病院を受診しました。
肺や背骨に腫瘍があると言われ、生検を行った結果、がんであることがわかりました。その後、ジャパンハートに紹介されました。

肺芽腫に対して化学療法を開始し、呼吸状態は改善傾向にあります。

ジンラちゃんはガムや飴が好きだそうです。
また、踊ることも好きで、音楽がかかると踊りだすそうです。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
37名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 リーフォンくん 8歳 包茎
2 ソウダムくん 7歳 包茎
3 シナちゃん 10歳 扁桃炎
4 ヴィチェットくん 11歳 舌扁桃炎
5 モットくん 10歳 右陰嚢水腫
6 ボタイちゃん 6歳 左鼠径ヘルニア
7 カカダくん 5歳 右鼠径ヘルニア
8 バナくん 3歳 右陰嚢水腫
9 ヴァニーオンくん 5歳 右鼠径ヘルニア
10 ヴァユーくん 8歳 左陰嚢水腫
11 サランくん 6歳 右陰嚢水腫
12 キムフォンくん 4歳 右鼠径ヘルニア
13 ダニちゃん 14歳 上咽頭がん
14 ジンラちゃん 2歳 胸膜肺芽腫
15 アダムくん 16歳 上咽頭がん
16 インライくん 15歳 左肩骨肉腫
17 モニーくん 14歳 口腔横紋筋肉腫
18 チャイナくん 1歳 肝芽腫疑い
19 チェサンくん 1歳 神経芽腫
20 パンニャくん 14歳 右足骨肉腫疑い
21 ライヘンくん 1歳 左睾丸肉腫疑い
22 ソクナちゃん 1歳 左副腎神経芽腫
23 ヴァユーくん 3歳 後腹膜神経芽腫
24 ラタナちゃん 9歳 粘表皮がん
25 リーホーくん 11歳 腹部腫瘤/肝芽腫/肺転移
26 トーニンくん 9歳 両耳瘻孔
27 チュムノウくん 13歳 右鼠径ヘルニア
28 セイハックくん 8歳 右陰嚢水腫
29 ヴァンタイくん 6歳 右陰嚢水腫
30 チャンリマイちゃん 7歳 右鼠径ヘルニア
31 リーチくん 8歳 扁桃炎
32 スレイホウチちゃん 5歳 扁桃炎
33 チャンビーちゃん 8歳 扁桃肥大
34 リムちゃん 13歳 扁桃肥大
35 ティラくん 4歳 右陰嚢水腫
36 レアクサくん 12歳 包茎
37 ヴィチェットくん 12歳 舌扁桃炎

今月の救われた命

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