一般財団法人 阿部 亮 財団

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ネパールは、インドと中国チベット自治区に挟まれた南アジアの国で、一人当たりの国民総所得270ドル(2007年度)は、世界で下から13番目にランク付けされていて、発展途上国の中でも貧しい部類の「後発開発途上国」に位置付けられています。 貧困問題の要因としては、農業生産性の低さや、都市部の人口集中と格差社会、文化的背景、そして教育問題があります。

ある調査機関によると、教育水準の低さに応じ貧困者の比率が高くなるというデータがあります。教育環境の格差は、貧困の連鎖が生まれる要因の一つであるということがわかります。

また国全体の識字率は、1992年度は25.6%、2008年度は52%と一見改善されているように思えますが、学校が都市部に集中しているため、今でも山村や僻地では識字率が30%に満たないような状況です。 山村や僻地に産まれた子どもたちは、学びたくても学ぶ環境がないのです。

そこで私たちは、そのような負の連鎖を断ち切っていくため、都市部から半日以上もかかる山奥の村に学校を建てることを決めました。

ネパール学校建設において「認定NPO法人さいたまユネスコ協会」への支援報告

南アジアのネパール連邦民主共和国。
北部にはエベレストを含むヒマラヤ山脈もあります。

一般財団法人 阿部 亮 財団は、認定NPO法人さいたまユネスコ協会が行っている「書き損じハガキによる学校建設」活動に協力しました。
認定NPO法人さいたまユネスコ協会とは、ネパール奥地の村で、支援活動を行っている認定NPO法人であり、『奨学里親』『学校建設』『共同水場建設』の3本柱のプロジェクトを15年続けており、これまでの私たちによるネパールへの学校建設支援と深く関わっています。

「書き損じハガキによる学校建設」活動の目的と方法

この活動は「ユネスコ世界寺子屋運動」の一環として行われており、さいたま市自治会が書き損じハガキを回収し、ロータリークラブが郵便局へ持って行き、切手やレターパックに交換します。交換したレターパックや切手を販売し、換金します。換金した資金は、ネパール バガワティ初等中学校の建設の一部に使用されました。これらの活動が、校舎建設の支援金となることで、今後のプロジェクトの進捗を推進することが大いに期待されます。

これまでの建設支援実績

2011年から現在に至るまでに計3校、ネパールに学校建設支援をしてきました。
以下、建設支援実績となります。(寄付者:一般財団法人 阿部 亮 財団 会長 阿部 亮)

1校目: 2011年11月10日 バガワティ初等中学校(パルパ県ヤムガ郡ダルプク村)
2校目: 2012年11月6日 バイラブジャンタ高等学校(パルパ県バイラブスタン郡)
3校目: 2014年4月5日 ナラヤン高等学校(パルパ県バランディ郡ドゥスツング村)
4校目: 2016年11月7日 ラダ クリシナ小学校(カヤハ郡バルポカラ村)

2016年11月7日に4校目となるラダ クリシナ小学校(カヤハ郡バルポカラ村)の2階建の校舎が完成しました。
152名の生徒が新しい学び舎で勉学に励んでいます。

完成した新校舎の外観

一般財団法人 阿部 亮 財団は、ネパールの山村や僻地に産まれた子どもたちが、学びたくても学ぶ環境がないという現状から脱却することができるように学校建設支援をしています。

【参考資料】
「認定NPO法人さいたまユネスコ協会」のHP内の『機関誌ナマステ』という報告誌に、過去の支援報告が掲載されています。
http://www.unesco.or.jp/saitama/sub2kikansi.htm

本記事内にご紹介した「書き損じハガキによる学校建設活動」について詳しくはHPをご覧下さい。
http://www.unesco.or.jp/saitama/2012hagaki.html

本記事内 写真提供:認定NPO法人さいたまユネスコ協会 会長 本多様

ネパール大地震の被害を受けた学校が生まれ変わりました

2016年11月7日、ネパールに4校目の学校ラダ・クリシナ小学校を建設しました。「世界に学校を建てようプロジェクト」としては、9校目です。
ネパールは2015年4月25日に発生した大地震でおよそ9,000名の命が奪われました。たくさんの建物や、家屋も倒壊しました。
ラダ・クリシナ小学校も大きな亀裂が入り倒壊の危険があったため、新校舎を建設することになりました。

校舎の壁に入った危険な亀裂。(Before)
暗い教室の中で勉強する子どもたち。(Before)
鉄筋コンクリート構造で強固なつくりの教室。(After)
完成した新校舎に喜び集まる子どもたち。(After)

ラダ・クリシナ小学校はネパールの首都カトマンズより西へおよそ200kmに位置します。カトマンズから飛行機でおよそ30分、さらに車を乗り継いで4時間かかる山奥のバルポカラ村にあります。

舗装されていない険しい道を進みます。
雄大なヒマラヤ山脈を眺めながら学校を目指します。

子どもたち、先生、村人全員で祝福 ~新校舎完成式典~

一般財団法人 阿部 亮 財団は、ネパールで学校建設を行う「認定NPO法人さいたまユネスコ協会」の協力のもと、ラダ・クリシナ小学校を建設しました。 完成した新校舎は、鉄筋コンクリート造りの二階建て、四つの教室があります。太い柱で できた校舎は、耐震性も高く、安心して勉強をすることができます。
11月7日の新校舎引き渡し式には、多くの村人たちも参加し、地元テレビ局の取材が入るほど注目を集めました。

今回、11月7日に行われた引渡式の様子を、出席された認定NPO法人さいたまユネスコ協会様に取材しました。

Q:式典で一番心に残った事は何ですか?
A:心の底から喜んでいる生徒たちの笑顔と、村人たちの感無量の表情です。子どもも大人もそれぞれが「自分の出来る範囲で最大限に新校舎建築に対して、力を尽くした」という満足感と感謝にあふれる顔をしておりました。

Q:出来上がった新校舎を見ての感想を教えてください。
A:あまりに立派な校舎が完成しており、私どもにもうれしい驚きがありました。現場の責任者の大工の棟梁が、我が子を見るような眼差しで完成した新校舎を眺めている姿が印象的でした。

Q:今までの学校の引き渡し式と、今回でどこか異なることはありましたか?
A:村人がバルポカラ村から遠路、私たちの宿泊地のタンセンまで迎えに来てくれました。
また、パルパテレビの取材が入りました。引き渡し式の模様は、翌日の朝から数日に渡り何度も何度も繰り返しテレビで放映されておりました。村人たち、そして村の出身者達が、これほどまでに新校舎建築に力を尽くし、また、完成したことに喜び沸きたっている様子は、他の村では感じられないことでした。

Q:先生や子どもたちからどんな言葉をもらいましたか?
A:引き渡し式では、ラダ・クリシナ小学校の新たな目標が出てきました。子どもたちは、古い校舎も新しくしてもらいたいといい、先生方は、小学校から初等中学校へグレードアップさせたいといっておられました。貧しさゆえに、希望も持てない閉塞感にさいなまれていた状態から、新たな希望を語れる力が湧き出しているように感じました。

先生と村人のうれしそうな笑顔。
校長先生と生徒たちが歓迎してくれました。

学校教育はその国の成長や産業の地盤を支えます。子どもたちは環境が整った学校で学ぶことで、将来様々な仕事につくことができる可能性が高くなります。一般財団法人 阿部 亮 財団は、今後も継続して世界に学校を建て、子どもたちに笑顔と未来を届けます!

⇒認定NPO法人さいたまユネスコ協会 HP



新校舎の完成を喜ぶ子どもたち。
教室の天井も高くのびのびと勉強ができます。
142名の子どもたちがこの校舎で学びます。
子どもたちも校舎建設のために働きました。
阿部亮の名前が刻まれた記念プレート。
壁には「一生懸命勉強する事が大切」という言葉が。

ネパールの山の頂に学校が完成!~村人たち念願の「ナラヤン高等学校」~

一般財団法人 阿部 亮 財団は、認定NPO法人さいたまユネスコ協会のご協力のもと、2014年4月5日ネパールに3校目となるナラヤン高等学校を建設しました。「世界に学校を建てようプロジェクト」としては、6校目の学校となります。
ナラヤン高等学校はネパールのパルパ県バランディ郡ドゥスツング村という山の頂にある学校で、生徒達は毎日山道を登りながら登校しています。

学校のグラウンドと近くの山々
開校式に集まったたくさんの生徒たち

一般財団法人 阿部 亮 財団は2教室の新校舎を建設し、367名の子どもたちがここで勉強できるようになりました。
建設支援に関して、認定NPO法人さいたまユネスコ協会様からお話を伺うことができたのでご紹介します。

Q:学校が建設されたことで、変わったことは何ですか?
A:これまでドゥスツング村の近くには11学年、12学年のある高等学校は無く、多くの子どもたちは高等学校の教育を受けることが出来ませんでした。ネパールの社会では、中等教育までで終えてしまった場合、貧しさから抜け出すことは極めて難しいと言われています。村人たちの強い望みは、ナラヤン高等中学校を高等学校にする事でした。阿部 亮 財団様から建築支援していただいたお陰で教育庁から認められて、高等学校になる願いが叶えられたのです。村の子どもたちに大きな希望を与えてくださったこのご支援に、深く感謝を申し上げます。

ナラヤン高等学校のある山頂から眺める景色のように、子どもたちに晴れやかな未来がひらかれることを願っています。

⇒認定NPO法人さいたまユネスコ協会 HP

贈呈式でテープカットされる瞬間です。
阿部亮の名前が入ったドナープレート。
壁の色が映える新校舎前で撮影された一枚。
待望の高等学校になることができました。
認定NPO法人さいたまユネスコ協会 本多隆会長(中央)
子どもたちの明るい未来を願っています。

学校が建つまで

タンセンという最寄りの村から学校までは車で片道3時間。 いつ土砂崩れが起こってもおかしくないような崖道をジープで進んでいくと、 ネパール、パルパ県で唯一の高等学校部門を持つ、バイラブジャンタ高等学校はあります。
幼稚園と12学年の幼稚園小中高の一貫校の学校であるため、700名もの生徒が在籍しています。 たくさんの子どもたちが通うこの学校ですが、校舎が3棟しかないため、非常に狭い環境で生徒たちは勉学に励んでいました。

学業に励む生徒達 学業に励む生徒達

新校舎を設立することで、校舎の少なさが改善され、 新たに約150名の生徒が入学出来るようになります!
バイラブジャンタ高等学校の生徒、将来の夢を聞くと、 目を輝かせて「パイロット」と答えてくれました。

学業に励む生徒達

校舎完成式典

今回、阿部は学校完成式典に出席することができませんでしたが、海外開発支援専攻の大学生から、報告が届きました。
正門にて校長のお出迎え(写真左)、そして全校生徒による大歓迎!(写真右)

校長による歓迎 全校生徒による歓迎

今回、阿部の代わりに完成式典に参加してくれた海外開発支援専攻の大学生の方。
除幕式でも幕を下ろしていただきました。

校長による歓迎 全校生徒による歓迎

寄付者が記載されている記念プレートです。(写真左)
そして、教室の中の様子です。(写真右)とても広いですね!これならたくさんの子どもたちが勉強できます。

校長による歓迎 全校生徒による歓迎

ホール内にての寄贈式 式典。(写真左)と 新校舎前で写真撮影。(写真右)

校長による歓迎 全校生徒による歓迎

女生徒たちとの歓談、みんな笑顔で楽しそう♪
子どもたちの夢を叶えるため、しっかりとした教育が受けられるよう、今後も世界に学校を建てていきたいです。

全校生徒による歓迎

学校が建つまで

ネパールの山奥にある学校建設予定地の視察に行ってきました。車で半日かけ、そのあとはひたすら歩いて目的地へ・・・
やっとの思いで到着!コチラが建設予定地です。(写真右) 地元の子どもたちが歓迎してくれました♪

学業に励む生徒達
「これからここに学校を建てます!」と、子どもたちへのあいさつをしました!
学業に励む生徒達
今後、この村で産まれる子どもたちが、安心して勉強できる学校を建設していきます!

校舎完成式典

今回阿部は学校完成式典に出席することができませんでしたが、認定NPO法人さいたまユネスコ協会から、報告が届きました。
バガワティ村は険しい崖のある山岳地帯にあります。学校へ向かう道は菜の花でいっぱいです。

校長による歓迎 全校生徒による歓迎

学校につくと子どもたちがお出迎えをしてくれました。
これがバガワティ初等中学校の新しい校舎です!(写真右)

校長による歓迎 全校生徒による歓迎

新しい校舎は、天井は以前よりずっと高く広々としています。
天井にはしっかりと太い梁が通っています。窓も大きく、明かりがさしこみます。

校長による歓迎 全校生徒による歓迎

校舎の壁の記念プレート。(写真左) 阿部亮の名前が書かれています。
式典には大勢の村の人々が集まりました。みな、新しい校舎に大喜びです。

全校生徒による歓迎 校長による歓迎

子どもたちが、歌と打楽器に合わせてお祝いのダンスを踊っていました。お祭りのように楽しい式典となりました。
ここで、子どもたちがたくさん勉強をし、輝かしい未来を作っていくことを祈ります。

全校生徒による歓迎