日本に渡航し、腫瘍の摘出手術を行ったチャンテくん、無事に退院しました。
ジャパンハートから活動報告が届きました
日本に渡航し、
腫瘍の摘出手術を
行ったチャンテくん、
無事に退院しました。
今月の活動トピック
今月の活動実績 まとめ
救われた命 累計163名
(11月単月 16名)
- 今月の救われた命は16名と、
単月では前月と比べると少ない月でしたが、
前年同月比では多い月でした。
累計人数も過去と比較して最多と、
高い水準で推移しております。 - 雨季も終わり、祝日の多い月でもあり、
毎年患者数は減少傾向ですが、
それでも患者数は大きく落ち込むことはなく
推移しております。 - 10月31日から11月3日まで
吉岡ミッションを実施し、
その期間中に摘出手術3件を含む
小児がんの手術4件を行いました。
がん新規入院患者数 累計66名
(11月単月 9名)
- 直近半年における小児がんの新規入院患者数は、おおよそ6名~9名の間で推移しておりましたが、
今月は外来患者数が少ないながらも、
9名のがん新規入院となりました。
外来診療数 273名
- 今月は先月よりも減少し、
273名の外来診療を行いました。
11月は雨期の終わりを祝い、乾季の収穫を祈る水祭りの時期でもあり祝日が多い月でしたので、
それが影響したと思われます。 - 月末は外来患者も少ない状況でした。
農作物の収穫時期のためみんな忙しいことで
病院に来なかった可能性が考えられます。 - コロナ禍であった前年と比較すると、
引き続き高い水準で推移しております。
小児入院患者数 16名
- 前月比だと入院患者は減少となりました。
- 今月は外来患者が少ない月ではありましたが、昨年対比では増加となりました。
小児手術件数 14件
- 先月と同水準の14件の手術を行いました。
- 10月31日から11月3日まで
吉岡ミッションを実施し、
その期間中に摘出手術3件を含む
小児がんの手術4件を行いました。
モイヒンちゃん
年齢:生後8カ月家族構成:祖父、祖母、父、母、母兄弟(12人)
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、
脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が
高いとされています。
首にできものができ、息苦しそうだったため、
国内最大のチャリティー病院を受診しました。
その後、咽頭腫瘍の切除手術をしました。
病理の結果、神経芽腫であることがわかり、
当院に紹介となりました。
当院で抗がん剤治療開始後、
首の腫瘍は徐々に小さくなってきています。
モイヒンちゃんは人形が大好きで、
いつも人形で遊んでいるそうです。
インタビューの際には
かわいい笑顔を見せてくれました。
スレイ二ッちゃん
年齢:12歳家族構成:祖父、祖母、父、母、
従妹、兄(14歳)
病名:リンパ腫の疑い
リンパ腫とは血液がんの1つで、
白血球の中のリンパ球ががん化したものです。
リンパ系の組織や臓器は全身にあるため、
リンパ腫は全身の部位で発生する
可能性があります。
2カ月程前から右の脇の下にできものができ、
また背中に痛みがあったため、
国内最大のチャリティー病院を受診。
生検の結果、腫瘍は良性でしたが、
医師からはさらに詳しい検査が必要だと
言われました。
両親はそれ以上の検査は断り家に戻りましたが
その後、痛みが出てきてしまいまいした。
再度、ベトナムの病院で生検をしたところ、
3個中1個は良性、2個は悪性である事が
わかりました。
その病院では治療ができず、
近くの病院で働いている親戚の紹介で
当院に来院しました。
検査の結果治療開始後は左目、
右腕の腫瘍は小さくなり、
痛みも和らいできています。
入院する前は学校に通っていて、
勉強が好きだそうです。
中でも特に算数が得意と教えてくれました。
ソクンくん
年齢:1歳10カ月家族構成:父、母、兄(5歳)
病名:精巣の胚細胞腫瘍
精子や卵子になるはずだった原始生殖細胞が
他の部位で腫瘍化する病気です。
腫瘍ができる場所によって症状が異なり、
手術や放射線治療、
抗がん剤治療が有効で、
組み合わせて行なわれます。
左陰嚢が腫れ、痛みはありませんでしたが
気になったため、国内最大の
チャリティー病院を
受診しました。
摘出手術を受けた結果、
精巣の胚細胞腫瘍とわかり
当院に紹介となりました。
お母さんに病院の印象を尋ねたところ、
「この病院は先生が優しい」と
答えてくれました。
ウドムジュリーちゃん
年齢:1歳4カ月家族構成:父、母
病名:肝芽腫
肝臓にできるがんです。 治療では、手術、
抗がん剤治療、ときには
放射線療法が行われます。
嘔吐や、腹部のできものに気づき
国内最大のチャリティー病院を受診しました。
しかし、プチュンバン(カンボジアの仏教行事)
の最中で診てもらえず、
症状は悪化していきました。
他の病院で生検をしたところ、
肝芽腫であることがわかりました。
しかし、その病院では肝芽腫の治療が
できなかったため、
当院に来院しました。
今後は抗がん剤で腫瘍を小さくした後、
手術で摘出する予定です。
お母さんに話を聞いたところ、
「ウドムジュリーちゃんは
言うことをよく聞く良い子だ」と
教えてくれました。
また「先生や看護師さんが優しくきちんと
ケアしてくれるから良い病院だ」
とも話してくれました。
チャンビナちゃん
年齢:7歳家族構成:祖父、祖母、父、母、
叔母、兄(14歳)
病名:肝腫瘍の疑い
肝臓の細胞ががん化して
悪性腫瘍になったものです。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、
炎症やがんがあっても初期には
自覚症状がほとんどありません。
1カ月程前からお腹が痛くなり、
近くの病院を受診しました。
検査の結果、蛋白尿がみられたため、
国内最大のチャリティー病院に転院。
MRI検査や CT検査の結果、肝臓近くに
腫瘍がある事がわかり、
当院に紹介となりました。
今後は、生検をし、
治療の内容を決めていく予定です。
チャンビナちゃんは、ほかの子と遊ぶよりも
一人で遊ぶのが好きで、
普段は電話をしたり、
TikTok(短尺の動画をシェアできるSNS)を
見たりしています。
お母さんに話を聞いたところ、
「食べ物は好き嫌いがなく何でも食べている」と
教えてくれました。
イムロンくん
年齢:2歳家族構成:父、母、姉2人(10歳、7歳)
病名:ヒルシュスブルング病の疑い
消化管が動く役割を果たすために
必要な神経細胞が、
肛門から連続して失われるために、
その範囲の消化管の運動がおこらず、
腸閉塞をきたす病気です。
手術をして神経細胞がない部分の
腸を切除することが唯一の治療法です。
幼いころから便が出にくく、
陰のうが腫れていたため、
去年の8月から当院の外来で
経過を観察していました。
現在は生検の結果待ちで、結果がわかり次第、
今後の治療方針を決める予定です。
イムロンくんは車で遊ぶのが好きだそうです。
お母さんに病院の印象について尋ねたところ、
「スタッフが優しく、サービスがとても良い」と
答えてくれました。
ソクランちゃん
年齢:14歳家族構成:父、母、妹(13歳)
病名:リンパ腫
リンパ腫とは血液がんの1つで、
白血球の中のリンパ球ががん化したものです。
リンパ系の組織や臓器は全身にあるため、
リンパ腫は全身の部位で
発生する可能性があります。
1カ月程前から体の腫れや貧血、
息苦しさがあったため病院を受診しました。
診断の結果、肺の病気が疑われ
国内最大のチャリティー病院に転院しましたが、
そこでは治療ができないと言われました。
その後、知り合いの勧めで当院を受診しました。
検査の結果、リンパ腫と判明。
今後は骨髄検査を行い、
今後の治療方針を決める予定です。
ソクランちゃんは車で遊ぶのが好きだそうです。
お母さんに病院の印象について尋ねたところ、
「スタッフが優しく、サービスがとても良い」と
答えてくれました。
ピッダラくん
年齢:2歳家族構成:父、母、姉(6歳)
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、
脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が
高いとされています。
熱が出たため近くの病院に受診したところ、
腸に水が溜まっている事がわかりました。
その後、国内最大のチャリティー病院を受診。
処方された薬を飲みましたが、
症状は収まりませんでした。
再度検査したところ右副腎に
腫瘍がある事がわかり、
当院に紹介となりました。
生検の結果、神経芽腫と判明したため、
今後は抗がん剤治療を行う予定です。
お母さんに入院中の様子を聞いたところ
「給食をたくさん食べている」と
教えてくれました。
また、「無料で治療してくれて
本当に感謝しています」と伝えてくれました。
ソニタちゃん
年齢:2歳家族構成:父、母、姉(6歳)
病名:仙尾部腫瘍
仙骨の先端より発生した腫瘍です。
新生児が発症する腫瘍の中で
もっとも頻度の高い腫瘍です。
治療では、抗がん剤治療の後に
尾骨も含めて腫瘍を切除します。
おしりにできものができたため、
病院を受診しました。
検査の結果、悪性の腫瘍であることが分かり、
抗がん剤治療後に2度手術をしました。
しかし再発し、もう一度手術をするために、
当院に転院しました。
10月の吉岡による手術ミッションで手術を行い、
現在は再発予防のため
抗がん剤治療を行っています。
ソニタちゃんは車のおもちゃが好きで、
よく遊んでいるようです。
もともと食べることは
あまり好きではないそうですが、
病院の食事はしっかり食べているようです。
赤ちゃん
年齢:生後すぐ出産時の状況:新生児仮死
連携しているポンネルー病院で
出産をしようとしましたが、
なかなか分娩できない状況が続いてしまい、
当院の医師による吸引分娩を
おこなっての分娩となりました。
分娩後、赤ちゃんの心拍が弱く
呼吸状態が悪かったため蘇生を行い
状態はなんとか改善いたしました。
その後、ジャパンハートに入院し、
呼吸の手助けを行ったことで元気になり、
無事退院することができました。
その他の命を救われた患者さん
今月当院での治療により、命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
6名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 | 年齢 | 性別 | 疾患名 | |
---|---|---|---|---|
1 | マカラくん | 5歳 | 男 | 尿道下裂 |
2 | リホンくん | 5歳 | 男 | 瘻感染 |
3 | メーコンくん | 10歳 | 男 | 肝腫瘍 |
4 | スレイメイちゃん | 16歳 | 女 | 化膿性関節炎 |
5 | リホンくん | 12歳 | 男 | 虫垂炎 |
6 | 赤ちゃん | 生後すぐ | 男 | 新生児仮死 |