一般財団法人 阿部 亮 財団

NPO法人 日喉連へオンライン設備寄贈しました。(上半期活動)

オンライン活動の一年の総括及び
今後の活動について
(上半期)

~ 一般財団法人 阿部 亮 財団様より日喉連に対しオンライン設備寄贈 ~

コロナウィルスと付き合い始め、
約2年が経過しました最近では、
海外から旅行客の受入れなど、
様々な規制が緩和され、
コロナ前の生活を取り戻しつつあります。
この2年間で我々の生活の中にも
オンラインが定着し、
学校の授業、会社の会議、
買い物なども、
自宅で可能となりました。
銀鈴会でもこの2年間でオンラインを導入、
在宅での発声教室が可能となりました。
オンライン開始時は、訓練士の設備を
持ち寄って実施しましたが、
その後、日喉連に対し
阿部 亮 財団様よりのご支援により
設備を整備したことで
理想的なオンライン環境の中で
実施可能になりました。
ご支援の詳細は後程記します。

本編では、ここ1年間で実施した
銀鈴会でのオンライン活動について
ご報告します。

【オンライン発声教室(教室休講期間中)】

昨年から現在にかけて、
緊急事態宣言が2回、発令されました。
(令和3年4月25日~6月20日、
7月12日~9月30日)
その間、銀鈴会では、
東京都障害者福祉会館での
発声教室は休講となり、
オンライン教室が開催されました。
1年間のオンライン教室の実績は次の通りです。
開催期間 令和3年4月27日~令和4年3月5日
開催回数 延べ97回
会員出席 延べ147人

参加訓練士 延べ190人
オンライン教室の開催を重ねるごとに、
最初はZOOM操作に戸惑い、
参加することに四苦八苦していましたが、
今では操作に慣れ、スムーズの教室を
運営することができました。
また、オンラインでの指導方法も
確立され有効な指導ができるようになりました。
その一方で、原音がでない会員さんの指導を
オンラインですることの難しさを痛感し、
今後の課題と考えております。

【発声教室にオンラインで参加
(離島在住の会員)】

小笠原諸島の父島在住の会員さんは、
福祉会館での教室参加が厳しいため、
入会当初よりオンラインで参加しております。
6月現在、中級クラスに在籍しており、
発声技術を順調に習得しております。

オンライン教室(中級・上級)

今後、諸事情で教室に参加できない会員さんの
参加方法の一例として、
オンラインでの教室参加について紹介します。

〇初心・初級クラスのオンラインでの参加
初心・初級クラスは指導員と
会員さんが対面で指導します。
オンラインの場合、
会員さんは自宅のパソコンで参加し、
教室でもタブレット型の端末を使用して
モニターを通し指導します。
会員さんの声を聞き取りやすくするため、
また、指導員の声を伝えやすくするため、
マイクとスピーカーが一体となった
装置(マイクスピーカー)を
導入して指導しました。

オンラインによる指導(初級)

〇昇級試験のオンラインでの受験
中級への昇級試験を、
オンラインで実施しました。
会員さんは、自宅のパソコンから受験し、
教室側はタブレット端末を通じて、
渡邊会長、太田副会長が判定し、
無事昇級を果たしました。

〇中級クラスのオンラインでの参加。
中級クラスの授業は、
大勢の会員さんを2人の指導員で
指導する形式で指導します。
会員さん全員で発声したり、
個別に発声して指導を受けます。
中級クラスの授業では、他の会員さんの
発声を聞くことも大切な要因です。

  • オンラインによる昇級試験

  • オンラインによる指導(中級)

そこで、オンラインで参加するため、
教室ではプロジェクターを設置し、
離島の会員さんを教室に映しました。
また、教室全体を映すカメラを設置しました。
こうすることで、離島の会員さんの発声の様子を
教室にいる会員さんが見ることができ
離島の会員さんも教室の会員さんを
見ることができます。
また、これらのオンラン設備は、
次に紹介します一般財団法人
阿部 亮財団様より寄付して頂きました。

【阿部 亮 財団様よりオンライン設備の寄贈】

この度、NPO法人 日本喉摘者団体連合会は、
一般財団法人 阿部 亮 財団様より、
ノートパソコン、タブレット、プロジェクター、
カメラ、マイクスピーカーなど
オンラインでの発声訓練に必要な機器及び
ソフト一式について3セット分の
ご寄付をいただきました。

日喉連が、過去に公益財団法人・
社会貢献支援財団様による
社会貢献者表彰を受賞し、
ホームページの「ひとしずく」を通じて、
阿部 亮 財団様から
今回のご支援をいただくことができました。
日喉連の活動はこの2年、
新型コロナ感染症により重要な行事が中止され、
発声教室も休講、再開の繰り返しを
余儀なくされています。
再開できたとしても、がん体験者である喉摘者が
重症化リスクを恐れて
教室への出席を見合わせるケースも多く、
コロナ前の半分以下にまで減少しています。
コロナ感染の不安、訓練会場の閉鎖、
また体力、交通事情などの理由により、
教室に通えない喉摘者の皆さんに
訓練の機会を提供しようと、
オンラインでの訓練を模索していましたが、
費用、経験不足などできっかけを
掴めない状態が続いていました。

寄贈されたオンラン設備

そんな折での阿部 亮 財団様による
ご支援は誠にありがたく、
我々の活動を勇気づけるものとなりました。
今回の3セットは日本の3か所に
オンライン発信基地を構築し、
従来の対面訓練と併せて、
教室へ通えない喉摘者にも
恩恵が受けられるよう計画していきます。
設置予定の団体と充分に意見を交わし、
ご厚意にお応えできるよう
有効に活用していきます。

【今後の活動について】

〇オンライン教室について
回数を重ねる毎に、参加者が増えておいますが、
その割合は一割程度と少なく、
高齢者のためスマートフォン・パソコンの
操作が苦手なことが原因と考えます。
そのため定期的にオンラン教室のやり方を指導し、
緊急事態宣言による教室休校の際は、
多く会員さんが参加できるよう、
準備していきたいと思います。

〇オンラインでの教室参加について
現在パイロットケースとして、
小笠原諸島の離島にお住まいの会員さんを
オンラインで指導しております。
現在中級クラスで指導を受けておりますが、
今後、上級クラスでのオンラインでの指導方法を確立し、
教室での指導と同レベルの指導が
オンラインで受けられるように準備を進めます。