一般財団法人 阿部 亮 財団

日本の小児外科チームが、小児がん患者さんへの手術2件と、小児外科疾患の手術を8件行いました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

日本の小児外科チームが、小児がん患者さんへの手術2件と、小児外科疾患の手術を8件行いました。

今月の活動トピック

青山興司医師が率いる小児外科チームが手術活動を行いました。 小児がん患者さんへの手術2件(パニャくん、ヘンリープくん)のほか、一般小児外科疾患の手術を8件行いました。​
ジャパンハートがカンボジアに拠点病院(フェーズ2)を オープンしてから1年が経ちました。​
小児がんの治療を支えるための食事を提供するため、建設を進めていた給食センターが竣工しました。 6月26日に給食センター竣工式を行いました。
抗がん剤治療を続けていたファランくんが、 治療を終え無事退院しました。
国内で流行しているデング熱の特性や治療に対する理解を深めるため、勉強会を開きました。
2020年から奨学金生事業を通して、学業支援を受ける学生の選考を行いました。 将来ジャパンハートこども医療センターで働くこととなる、医学生2名、看護学生3名の採用を決定しました。

パンニャくん

年齢:10歳 病名:神経芽腫 家族構成:父、母、兄の4人家族 パンニャくんは2017年の12月に当病院で神経芽腫の摘出手術を行いましたが、がんの再発のため当院に再入院し、抗がん剤治療を受けていました。 青山医師が率いる小児外科チームが、首のリンパ節に転移したがんと、腹部のがんの2カ所の腫瘍の摘出手術を行いました。術後は順調に回復しました。 今後は抗がん剤治療と放射線治療を行う予定です。

マライちゃん

年齢:15歳 病名:縦隔原発胚細胞腫瘍(赤ちゃんの時期(胎生期)に色々な内臓に分化する能力を持った原始胚細胞という細胞が、悪性腫瘍になったものと考えられています。好発年齢は10歳代から30歳代です。) 家族構成:父、母、弟の4人家族 首都プノンペンにある国立がんセンターで抗がん剤の治療を受けていましたが、その病院では、手術をすることが出来ない上に、高額な治療費を払い続けることが困難になりました。 そこで、治療を受けていた病院から当院を紹介されました。 当院に転院後、抗がん剤治療で腫瘍を小さくして手術を行う予定です。

クムサットくん

年齢:7歳 病名:デング熱 家族構成:父、母、兄と妹の5人家族 熱が出て、めまいもしていたため、近くの病院に連れて行ったところ、扁桃炎と診断されました。 しかし、処方された薬を飲んでも一向に良くならず、他の病院で採血をしたところ、肺炎と診断されました。 しかしその病院での治療も効かず、別の病院に行ったところ、今度は胃腸炎を診断されました。 点滴を打ってもらおうと待っているときに鼻血が出始め、当院に行くよう言われました。 その後、当院でデング熱と診断され、適切な処置を受け、無事に退院することができました。

パニャくん

年齢:4歳 病名:尿道下裂(先天的な陰茎の異常で、尿の出口が先端まで届かず、手前から出 てしまう奇形) 家族構成:父、母の3人家族 パニャくん家族は病院から車で1時間ほどの首都プノンペン市内に住んでいます。 2019年1月に当院で働いていた親戚に勧められ、初来院し受診しました。 尿道下裂の手術は繊細で高度な技術が必要です。 小児がんの手術を行うために、日本から来院していた、青山医師が率いる小児外科チームが手術を行いました。術後は順調に回復し、数日後無事退院しました。

ソクソレイリンちゃん

年齢:1歳7か月 病名:喘息 家族構成:母、4人兄姉の末っ子 咳が止まらず苦しそうにしていたので、母親が近くのクリニックに連れていきました。 そこで喘息と診断を受け、クリニックから当院を紹介され、1時間かけて来院しました。 吸引と投薬により症状が落ち着き、無事退院しました。

レットナロンくん

年齢:13歳 病名:臀部(でんぶ)膿瘍 家族構成:父、母、おば、4人兄妹の長男 初めはお尻がかゆく、次第に腫れてきたため、近くの薬局に連れて行ったところ、病院に行くように言われました。 同居している叔母の妹が、以前当院で出産をしていたため、当院の存在を知っており、30分かけて受診しに来ました。患部を切開し排膿し、その後の経過も順調でした。 退院したら、早く学校に行きたいと言っていた彼は、6月上旬に無事退院しました。

モーセイハーンくん

年齢:8歳 病名:頭部の膿瘍 家族構成:父、母、祖母、4人兄妹の末っ子 1カ月ほど前、頭に水膨れができ、それが傷になりました。 サッカーをしているときにしたヘディングでケガをしたのではないかとのことですが、はっきりとした原因がわからなかったため、不安になったそうです。 まず祖母が近くの病院に連れて行き、膿をとることはできたのですが、良くなっていると思えなかった家族がカンボジアの伝統療法士のもとへ連れて行きました。 伝統療法士により、木の皮や実を唾液で練って作ったものを傷に塗布されましたが、それが原因で頭皮の広範囲が壊死し、強い痛みと異臭がするようになりました。 それを見た祖母は、モーセイハーンくんを当院に連れてきました。病院から15分ほどのところに住んでいるため、当院のことは以前から知っていたとのことです。 現在患部を清潔に保ちながら、皮膚が回復するまで通院を続けています。

チェンウィチャンくん

年齢:3歳 病名:膿瘍(複数個所) 家族構成:父、母、兄の4人家族 ウィチャンくん家族は病院からバイクで30分ほどの場所に位置するコンポンスプー州に住んでいます。 病院に来る2週間前にウィチャンくんの皮膚の異常に家族が気づき、はじめは地元のクリニックを受診しました。エコーで検査をしてもらい、薬を処方されましたが、全て飲んでもその皮膚上の異常はなくなりませんでした。 再受診したところ、医師に当院を紹介され、受診したところ、入院しました。 入院時は、膿が筋肉内にも及んでいました。 手術室で切開排膿後、傷口の消毒を続け、完治に向かっています。

イザームちゃん

年齢:15歳 病名:両側卵巣腫瘍 家族構成:父、母、兄3人、姉1人の7人家族 中学3年生のイザームちゃんは、今年3月ごろ、腹部にしこりがあることに気づき、近くの病院を受診しました。同病院で手術を受けることを勧められましたが、不安がぬぐえずにいました。 家族との相談の結果、姉が帝王切開で無事出産した当院を受診することに決め、6月中旬に無事、卵巣嚢腫摘出の手術を受けました。 両方の卵巣にあった嚢腫のうち、片方はとても大きく、卵巣を残したままの摘出が難しい状態でした。 しかし、日本から来ていた産婦人科医に指導を受けながら、現地カンボジア人医師が執刀し、無事両方の卵巣を残した状態で摘出することに成功しました。 術後は順調に回復し、退院しました。

ピェクダイくん

年齢:7カ月 病名:気管支炎 家族構成:父、母、兄1人、姉3人の6人家族 ジャパンハートこども医療センターを受診する前夜、ピェクダイくんは、咳と嘔吐のためミルクを飲めず、また、息苦しさから眠れずにいました。 当院に入院し、治療を受け、数日後回復し無事退院することが出来ました。 母親はピェクダイくんの妊娠時に当院で妊婦健診を受け、産後も入院しケアを受けました。 医療スタッフから受けていたケアに安心感を持っていたため、この度当院で受診することを決めたそうです。

リムヤッティくん

年齢:2歳 病名:熱性けいれん 家族構成:父、母の3人家族 高熱とけいれんを起こし、自宅からバイクで10分ほどの距離に位置する当院を受診しました。 当院は以前に1度受診し治療を受けたことがありました。今回は薬と点滴を受け、数日間の入院の後、無事退院しました。

エンチーちゃん​

年齢:2歳 病名:デング熱 家族構成:父、母、妹の4人家族 咳や鼻水、熱といった風邪の諸症状のため、近くの病院を受診し、薬をもらいました。 しかし、処方された薬を飲んでも良くならず、心配になり二度目の受診で採血をしたところ、デング熱だと診断されました。 祖母の妹が当院の産科を受診しており、家もバイクで5分ほどの近所のため、当院の存在を知っていたとのことです。

フーンちゃん​

年齢:8歳 病名:脱水症状 家族構成:父、母 発熱し、当院近くの病院を受診していましたが、点滴が入らないという理由で、水が飲めない状態のままで道端で苦しそうにしていたところを、当院スタッフが見つけ、小児外来の救急処置室まで運びました。 すぐに点滴を入れ水分を補給しながら処置を行いました。 数日間入院したのち、回復し無事に退院しました。

今月の救われた命

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