一般財団法人 阿部 亮 財団

ジャパンハートのラジオ広告を聞いて、こども医療センターの存在を知り 3時間かけて来院。胆道閉鎖症の治療が受けられることになりました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

国内最大のラジオ局で
こども医療センターと、治療できる疾患について紹介した広告を
カンボジア全国に向けて放送しました。

今月の活動トピック

ジャパンハートこども医療センターと、病院で治療できる疾患について紹介したラジオ広告を、カンボジア全国に向けて行いました。放送局は国内最大のリスナーを持つABCラジオです。
ジャパンハートこども医療センターでの活動をメインとした、高校生ツアーが開催されました。
日本から高校生15名が参加し、初めて医療現場やカンボジア文化、人に触れる機会となり、有意義な時間となりました。​
がんで入院中のスレイカちゃんとティラくんが2歳の誕生日を迎えました。
治療の成果もあり、今年迎えることができた誕生日は奇跡のひとときであり、小児病棟全体が幸せな雰囲気で包まれました。
当院の日本人とカンボジア人スタッフが国立がんセンターで開催された「Pediatric Oncology Nursing Workshop」に参加しました。
国内外の病院での小児がんの取り組みから学んだことを、今後の治療に役立てていく予定です。
患者さんにとってよりよい医療を届けられる病院を目指し、事務スタッフがカイゼンに取り組んでいます。
(例:スムーズに受付へ誘導できるような工夫をしています)
国内の大学内でのイベントに出展し、小児がんの啓発を行いました。

ソピアくん

年齢:12歳
病名:ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫の一つで、血液細胞に由来するがんです。白血球の一種であるリンパ球ががん化した病気です。)
家族構成:父、母、妹1人の4人家族

ソピアくんは病院から車で1時間半の距離にあるコンポンチュナム州出身の中学一年生です。
2年前から右の首にしこりがあり、地元の州立病院で結核を疑われ、6ヵ月間結核の薬を飲んでいましたが、症状は変わりませんでした。
当院を受診し、右の首のしこりの生検(生体検査)を受けましたが、カンボジア国内の病理結果は、「ウイルス性のリンパ節炎」でした。しかし首のしこりが左にも広がり、日本で病理を見直したところ、悪性リンパ腫の一つである、「ホジキンリンパ腫」と診断されました。当院で抗がん剤治療を行ったのち、放射線治療を行う予定です。

ラユくん

年齢:3歳
病名:神経芽腫疑い
家族構成:父、母、姉の4人家族

ラユくん家族は、当院から3時間ほどの距離にある、タケオ州に住んでいます。
2週間前にラユくんが腹痛を訴え、近所のクリニックを受診し検査を受けました。そこで処方された薬では痛みがなくならなかったため、プノンペン市内のチャリティー病院を受診しました。そこで受けた検査で、神経芽腫の疑いがあることがわかり、当院を紹介されました。8月上旬に小児外科専門チームによる、確定診断のための生検(生体検査)の手術を行う予定です。

お母さんはこれから長期戦となる治療に備え、務めていた縫製工場を退職し、付きっ切りの看病を始めています。父親はラユくんのお姉さんの面倒を見ながら、仕事をしています。

シォマイちゃん

年齢:1歳2か月
病名:胆道閉鎖症(栄養素の吸収を助ける胆汁の通り道である胆管が,生まれつきまたは生後間もなく完全につまってしまい,胆汁を腸管内へ排泄できない病気です。約一万人に一人の割合で発生します。)
家族構成:父、母の3人家族

シォマイちゃんは、生後すぐに便が白いことに母親が気付き、1ヵ月のときにプノンペン市内のチャリティー病院に入院しましたが、肝移植ができないため治療困難と言われ、自宅に帰されていました。
当時、入院していた同じ症状の子どもたちも同じ説明で帰されていました。生後60日ないし90日以内に手術すれば助かる可能性は高いにもかかわらず、現在のカンボジアの医療環境では無料で治療を受けることは非常に困難であるのが現状です。
両親は、7月から放送をはじめたジャパンハートのラジオ広告でジャパンハートこども医療センターのことを知りました。胆道閉鎖症の症状のひとつである「白い便」が出る病気の治療ができるという放送内容を聞き、自宅のあるプレイベン州から3時間かけて来院しました。
1日でも早いオペが必要ですが、九州大学の小児外科専門チームがカンボジアに来るために調整しており、8月上旬には手術を受ける予定です。

スレイナーちゃん

年齢:2歳
病名:喘息 (空気の通り道である気管支が急激に収縮し、呼吸困難の発作を繰り返す病気。適切な治療がなければ死に至ることもある病気です。)
家族構成:父、母、兄4人、姉2人の9人家族

スレイナーちゃんは、これまで、2,3回喘息の症状で、近隣のクリニックを受診し治療を受けていました。しかし、今回は症状が特に重いことに加えて、経済的な理由から同じクリニックで治療を受けることが難しかったため、当院を紹介されました。当院に入院し、吸入や点滴の治療により改善して帰宅しました。

ビチカーちゃん

年齢:3歳
病名:デング熱(重症化しうる病気のため、医療者による経過観察が必要。)
家族構成:父、母、妹の4人家族

高熱の症状で、近所のクリニックを受診しました。そこで処方された薬を飲みましたが、症状は改善されませんでした。そこで、ジャパンハートこども医療センターのうわさを知人から聞いた母親が、ビチカーちゃんを連れて当院を受診しました。数日間点滴を行い、症状が改善したので、無事退院しました。

スレイヌットちゃん

年齢:11歳
病名:デング熱
家族構成:父、母、姉の4人家族

スレイヌットちゃん家族は病院から10分ほどの距離に住んでおり、今回が初めての来院でした。2日前にクリニックを受診し、薬をもらいましたが、熱は下がりませんでした。 叔父が膿瘍の治療を当院で受けたことがあり、当院のことは以前から知っており、受診を決めたそうです。
母親は、スレイヌットちゃんが治療を受けて回復したことだけではなく、スタッフの優しい話し方、親切さに満足していました。

スレイマイちゃん

年齢:12歳
病名:デング熱
家族構成:母、兄の3人家族

スレイマイちゃんは高熱があり、かかりつけのクリニックから当院に救急患者として紹介されました。検査の結果、デング熱であることが分かり、そのまま入院となりました。その後点滴をしばらく受けながら、症状が改善し無事退院となりました。

カブーンくん

年齢:6歳
病名:デング熱
家族構成:父、母、祖母、3人兄妹の2番目

高熱が出たため自宅近くのクリニックを受診しました。デング熱の疑いがあったため、ジャパンハートの連携病院に入院しました。1日入院をしていましたが、その日の夜にさらに高い熱が出たため、当院に紹介されました。点滴を続け経過を観察し、数日後、無事に回復して退院しました。

チャンプォンちゃん

年齢:1歳9か月
病名:デング熱
家族構成:父、母、兄3人、姉1人の7人家族

チャンプォンちゃん家族は病院からバイクで3時間半ほどの場所に位置するコンポンチュナム州に住んでいます。
高熱があり、母親が知人に相談したところ、当院を紹介され、受診することを決めました。
デング熱の診断にて入院後は、順調に回復しました。

チヨンリウンくん

年齢:2歳
病名:頭部膿瘍(身体の皮膚の一部に膿がたまっている状態です。膿瘍がある状態で放置すると、 全身に菌が広がり、命を脅かす状態になる危険性があるため、排膿し適切な処置をすることが必要です。)
家族構成:父、母、兄弟2人の5人家族

高熱の症状を出したリウンくんに、家族が薬局で買った抗生剤を飲ませました。すると症状は和らいだのですが、購入した薬を飲み終えるとまた熱が出ました。そこで、クリニックを受診したところ、医師から当院を紹介され、自宅のある、コンポンスプー州から車で2時間かけて来院しました。傷口の洗浄を毎日繰り返しながら、頭皮の回復を待ち、無事退院しました。

アーチエインくん

年齢:7歳
病名:鼠径ヘルニア(脱腸と呼ばれ、手術をせずに放置していると、腸に血流障害が起き、腸の一部が壊死することもあります。命にかかわることもある病気です。)
家族構成:父、母の3人家族

3か月前に腹部の下が腫れ始めました。知人からジャパンハートこども医療センターで手術を受けられることを聞き、受診しました。鼠経ヘルニアの手術は無事に終わり、数日後退院することができました。

ナットくん​

年齢:13歳
病名:鼠径ヘルニア
家族構成:父、母、妹の4人家族

6か月前から、痛みはないものの左足のつけ根がポコッと腫れていました。その後痛みを感じ始めたためジャパンハートこども医療センターを受診しました。
以前、当院で従妹が甲状腺腫瘍の手術を受け、よくなったことを聞き、今回当院で受診することを決めたそうです。
ヘルニアの手術は無事終わり退院することができました。

センソバナーくん​

年齢:13歳
病名:鼠径ヘルニア
家族構成:父、母、おば、4人兄妹の長男

以前、鼠径ヘルニアでプノンペン市内の私立の小児病院で手術を受けたところ、高額な治療費を支払わないといけませんでした。
今回は、以前手術したところと反対側の位置にヘルニアができてしまいました。
母親は、どこで治療を受けるべきか悩んでいたところを、たまたま地域のヘルスセンターで巡回診療を行っていたジャパンハートのスタッフに、鼠径ヘルニアの手術を無料で受けられることを知りました。無事手術を終え、数日後退院しました。

セイメイくん​

年齢:6歳
病名:鼠径ヘルニア
家族構成:父、母、兄2人、姉1人の6人家族

長い間、ヘルニアで右足のつけ根が腫れた状態のままでいました。ジャパンハートの連携病院のスタッフから、当院のことを紹介してもらい、来院しました。ついに手術を受けられたという母親の嬉しそうな顔が印象的でした。

タクサッチーちゃん

年齢:3歳
病名:熱性けいれん
家族構成:父、母、姉と妹の5人家族

熱発し、薬局で購入した薬を飲むと、症状は一時的に緩和するものの、薬を飲み切ってしばらくすると、また高熱が出ました。夜にけいれんを起こし、自宅近くの ジャパンハートの救急外来を受診しました。
入院後は無事に回復し、退院しました。

ハニッターちゃん

年齢:4歳
病名:臀部熱傷(やけど)
家族構成:父、母の3人家族

自宅で母親が、哺乳瓶を煮沸消毒するためにバケツにためていた熱湯を倒してしまいました。ちょうどこぼれた熱湯の上に、ハニッターちゃんが座り込んでしまい、お尻にやけどを負ってしまいました。
はじめは自宅近くのクリニックを受診しましたが、そこで当院を紹介されました。中等度のやけどで高熱もありましたが、抗生剤の投与とこまめなやけどのケアにより改善し、一週間ほどで退院しました。

タイチョムロンくん

年齢:8歳
病名:頭部膿瘍
家族構成:父、母、弟の4人家族

2週間前にチョムロン君の頭にできた傷が、徐々に大きくなっていました。ジャパンハートの連携病院を受診し薬を処方され3日間飲みましたが、傷口が大きくなり続けたため、再受診した際に当院に紹介されました。
来院時は痛みで眠れずにいましたが、抗生剤投与と傷の手当てにより、夜 眠れるようになりました。さらに数日後、頭皮の状態が改善し、退院しました。

チエンナーリンちゃん

年齢:3歳
病名:デング熱
家族構成:父、母、兄の4人家族

ナーリンちゃん家族は当院からバイクで10分の距離に自宅があり、近所にあるジャパンハートの病院のことを以前から知っていたそうです。
高熱のため、ジャパンハートの連携病院を受診し、入院しました。その後、症状が改善されないため当院に紹介され、4日間入院して治療を受けました。
ご家族は、病院の看護師がしっかり面倒見てケアをしてくれたと、当院の医療サービスに満足していました。

今月の救われた命

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