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阿部亮財団が建設支援したプレイクラ―小学校で、337名の学童に健康診断を実施しました

ジャパンハートから活動報告が届きました

阿部亮財団が建設支援したプレイクラ―小学校で、337名の学童に健康診断を実施しました。

今月の活動トピック

1年前にできたばかりの当院の認知度を上げるために縫製工場でチラシ配布や、SNS広告を行いました。(上図はチラシイメージ)
九州大学より小児外科チームが来院し、小児がん、鎖肛の手術等、計26名の患者さんに手術を行って頂きました。
小児がんで入院中のピトゥくんが、今月で1歳の誕生日を迎えました。
この記念すべき日を一緒に祝うため誕生日会を開きました。
ジャパンハート奨学金事業の支援を受け、医学部を卒業したポアン医師が、11月より当院での勤務を開始しました。
入院中の患者さんの安全確保のために、柵付きの小児用ベッドを17台寄付頂きました。
医療者が抗がん剤を安全に調合することができるよう、抗がん剤ミキシング室をつくり、
調合専用のキャビネットを設置しました。

プレイクラ―小学校 健康診断

11月29日(金)プレイクラ―小学校で337名の学童に健康診断を実施しました。受診した全員の健康に大きな問題はなく、しっかり成長していることがわかりました。次回は2月に実施を予定しています。

救われた命の目標上方修正について

目標修正の理由

ジャパンハートこども医療センター開院から1年余りが経過し、下記3点で進捗が見られたため、目標を修正します。

①地域住民への浸透・認知度の向上

・小児病院として地域住民に浸透してきました。
・口コミにより、遠方の州からも徐々に患者さん集まるようになりました。

②医療体制の整備

 ・看護師が増員し、技術を身に着けたリーダーとして活躍できるスタッフが徐々に増えています。
 ・高度な手術に必要な医療機器もこの1年間で多くそろいました。

③新しい人工呼吸器を導入

新生児に使用できる人工呼吸器が1月以降に納品される予定です。
到着後は、術後に使用できる呼吸器がないために、これまで実施が困難だった新生児疾患の手術に着手することが可能になります。

新たに当院で治療を実施できる疾患

胆道閉鎖症、鎖肛、ヒルシュスプルング病等の疾患の手術を行えるようになります。
また、これまで治療できなかった、新生児疾患の治療も可能になります。

※上記の疾患の患者さんを受け入れにより、年間10例程度の新生児期の重症疾患の手術実施を見込んでいます。これらの重症疾患の手術時間や治療期間は、比較的長くなるため、救われた命の「数」としては、劇的な進歩が反映されにくいものの、より幅広い疾患の治療で患者さんの命を救うことが可能になります。

高度な医療へのアクセスに対する社会課題に貢献

経済発展が目覚ましいカンボジアですが、
高度医療の領域では課題が残ります。

国内の無償病院では高度な医療の提供が難しく、小児がんや上に挙げた疾患は、高額な医療費をかけなければ治療を受けることが困難です。日本をはじめとする先進国と比較すると、これらの疾患の救命率に未だ大きな隔たりがあります。ジャパンハートはこのような疾患の患者さんへ日本と同水準の医療を提供することを目指しています。

まとめ

当院の認知度の向上に加えて、来年1月以降より新生児用の人工呼吸器が納品される予定となり、新生児疾患を含めた幅広い疾患の治療ができるめどが立ちました。
今月より新たに「救われた命」の目標を上方修正し、活動を振り返る報告を行います。

上方修正後の「救われた命」の目標:150名

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計55名 (11月単月 16名)

◼ 今月は、16名の小児患者さんの命を救うことができました。
◼ 6ページ目以降で、各患者さんを紹介しています。
◼ 今月は5名の小児がん患者さんのほか、内科疾患~外科疾患まで幅広い疾患で入院された患者さんが「救われた命」に該当しました。

がん新規入院患者数 累計9名 (11月単月 5名)

◼ 11月は新たに5名の小児がん患者さんが入院しました。
◼ 今月より、新たにプノンペン市内のある病院と連携することができ、その病院から患者さんが初めて紹介されました。12月も1名紹介いただくことが決まっています。今後も、まだ直接患者さんを紹介頂いたことのない病院とも連携関係を結び、治療受けられずにいるがん患者さんをご紹介頂く体制を作る予定です。
◼ 入院したがん患者さんについては6~10ページで紹介しています。


外来診療数 162名

◼ 今月の外来診療患者数は、前月から大きく減少し、162名にとどまりました。

◼ 11月に患者数が最も落ち込んだ昨年と同様、今年11月も月間で最も少ない月となりました。

  11月に患者さんが減少した理由は下記の内容が考えられます。
  ・水祭りというカンボジアの大型連休があったため病院の稼働日が例月より少ない 
 ・11月より乾季が始まり、収穫の時期を迎え、農村地域の住民にとって多忙な時期だったため
  ・小中学校の新学期が始まる月であるため


入院患者数 40名

◼ 11月は40名の患者さんの入院を受け入れました。
◼ 今月は、農村地域の住民にとって収穫という多忙な時期のため、外来患者数は減少したものの、治療をすぐに行わなければならない重症な患者さんの数は例月通り受診されました。重症疾患の患者さんの数には前月と大きな変動はありませんでした。

手術件数 29件

◼ 今月は九州大学小児外科チームから4名の小児外科医が来院しました。5日間の滞在期間中に合計26件の手術を行って下さいました。
◼ 小児外科チームは小児がんの手術の生検の手術の他に、現地医師の指導も行いながら鼠経ヘルニアや陰嚢水腫などの手術も20件以上行って下さいました。

リナちゃん

年齢:8か月
病名:芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(白血病の一種)
   白血病は、血ががん化する病気で、小児がんの中で最も多い病気です。
家族構成:祖母、母

リナちゃんは目の奥に腫瘍があり、別の病院で生検を受けました。検査の結果、リンパ腫と診断され当院に紹介されました。しかし、生検検体を日本に送って病理検査を見直したところ、近年分類されたばかりの非常にまれなタイプの白血病であることが分かりました。そこで、さらに骨髄を検査しました。その結果をもとに、抗がん剤治療を開始する予定です。


モニーくん

年齢:13歳
病名:骨肉腫
   骨自体からがんが発生する悪性腫瘍です。
家族構成:父、母、弟、妹
モ二ーくん家族は、当院で小児がん治療を行っていると聞き、自宅から8時間かけて来院しました。受診した時点で、がんが既にかなり進行した状態でした。
当院ではがんによって起こる症状を緩和するケアを行いました。

サボーンくん

年齢:10歳
病名:セミノーマ疑い
   精巣にある細胞から発生する胚細胞腫瘍
家族構成:父、母

サボーンくんは病院から車で3時間の距離にある、プレイベーン州在住です。
4か月前に首にしこりができたので、地元の病院にかかったところ、結核と診断されました。4か月間結核の薬を飲みましたが、一向にしこりは消えなかったため、首都プノンペンにあるチャリティー病院を受診しました。首だけでなく、お腹の中にも大きな腫瘍があり、CTによる検査の結果、悪性である可能性が高いことが分かり、当院を紹介されました。
今月、九州大学小児外科チームにより確定診断をするために生検の手術を受けました。日本での病理結果が出次第、抗がん剤治療を開始する予定です。

チャントレアちゃん

年齢:5歳
病名:神経芽腫
神経の細胞にできる「がん」です。 神経芽腫は、小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。 特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。
家族構成:父、母、妹

チャントレアちゃんは、自宅が当院から9時間離れたタイ国境近くにあります。 シエムリアップ州の小児病院でがんと診断され、当院を紹介されました。
高リスク群であり、治療をしても生存率は20-30%程度であると説明したところ、自宅で様子を見たいと家族が希望し、緩和目的に薬を処方しています。症状が出て、治療を希望する際にはいつでも受け入れることを説明し、帰宅となりました。


アピピンくん

年齢:2歳
病名:悪性腫瘍(疑い)

当院に来院する1ヵ月前から左耳下の首のあたりが腫れ始めました。プノンペン市内の大きなチャリティー病院を受診し、膿瘍と診断され治療を受けました。帰宅後さらに患部が大きく腫れあがったため、再度受診したところ、悪性腫瘍の可能性が高いことが分かりました。すぐに当院を紹介され、来院しました。当院では確定診断のために生検の手術を行いました。診断結果が出た後、抗がん剤治療を開始する予定です。


プルインくん

年齢:12歳
病名:蜂窩織炎(ほうかしきえん)
   皮膚とそのすぐ下の組織に生じる、広がりやすい急性細菌感染症です。
    患部の皮膚に発赤、痛み、圧痛がみられ、発熱や悪寒が生じたり、
   より重篤な症状が現れたりすることもある危険な感染症です。
家族構成:父、母、弟

来院する3日前に石を踏んで右足のかかとの裏に傷ができました。そこから感染が広がり、激しい痛みで右足を使って歩くことができなくなりました。近所の人 から当院の評判を聞き、母親に連れられて自宅から1時間かけて受診しました。
入院してしばらくは車いすで移動していましたが、抗菌薬の投与や傷口の洗浄を受け、徐々に傷口の状態が改善し、無事退院することができました。

モニーくん

年齢:4歳
病名:喘息
空気の通り道である気管支が急激に収縮し、呼吸困難の発作を繰り返す病気。適切な治療がなければ死に至ることもある病気です。
家族構成:父、母、姉

以前よりモ二ーくんは喘息の症状が出るたびに自宅近所のクリニックで治療を 受けていました。しかし、今回の症状は特に重かったため、当院を受診しました。モニ―くんの母親は当院の給食センターで働く調理スタッフで、重症になった 時は当院で治療をうけさせると決めていたそうです。入院時にはとても苦しそうに呼吸をしていましたが、吸入と点滴の治療を行い、順調に回復した後退院しました。

チンミンくん

年齢:8歳
病名:停留精巣
陰嚢の中に精巣が入ってない状態で、男の子の先天的な異常の中でもっとも 頻度の高い疾患です。陰嚢に精巣がおりてこないままの状態が続くと、精巣がんや、不妊の原因となると言われており、日本では2歳までに手術することが望ましいとされている病気です。
家族構成:祖父、叔父、叔母

チンミンくんは、生まれた特から左側の陰嚢に精巣がありませんでした。叔母は手術が必要なことは認識してましたが、お金がなく、治療を受けさせられずにいました。ある時、地元の村の人から無料で手術を行う当院のことを聞き、車で3時間かけて受診しました。手術を受け、無事退院することができました。


ソパナットくん

年齢:13歳
病名:蜂窩織炎(ほうかしきえん)
   皮膚とそのすぐ下の組織に生じる、広がりやすい急性細菌感染症です。
    患部の皮膚に発赤、痛み、圧痛がみられ、発熱や悪寒が生じたり、
   より重篤な症状が現れたりすることもある危険な感染症です。

ソパナットくんは当院から車で1時間の距離にある僧院で生活しています。ある日倒れたヤシの木の上に素足で乗っかったところ、足の裏をけがしてしまいました。その後傷口が腫れあがったため、近所の病院を受診しました。そこで傷口から膿を出そうとされましたが、膿がなかったうえに、その日の夜には高熱が出ました。
当院を受診した時には、激しい傷口の痛みと、感染のために発症した高熱で苦しそうにしていました。診察と検査の結果、蜂窩織炎と診断されました。1週間入院しながら抗生剤の投与と傷口の洗浄を受け、無事回復することができました。

ランサイちゃん

年齢:2歳
病名:感染性心内膜炎
   心臓の内側に細菌が感染し、これによる心臓弁の穿孔等の炎症性破壊と
   菌血症を起こす疾患。
家族構成:父、母、娘

ランサイちゃんは5日間連続で高熱と腹痛が続いたため、当院を受診しました。検査の結果、感染性心内膜炎によるものだとわかりました。抗生剤による治療を行ったところ、症状が緩和しました。症状の原因である感染性心内膜炎は、完治に時間がかかり手術が必要になる場合もあります。命に係わる状態になる可能性があるため、自宅近くの当院で毎日、抗生剤の投与を受けています。


ヴィーリャボくん

年齢:6か月
病名:細気管支炎
気管支で炎症がおきて、咳や痰などの呼吸器症状を起こします。特に生後間もない時期の発症のため、治療をしなければ悪化し命に関わる重症な状態に発展する可能性がありました。

ある日、ヴィーリャボくんは咳が続き、息苦しくなったため、母親に連れられ 当院を受診しました。母親は親戚から当院で治療を受けた時のことを聞き、信頼できそうだと感じ、車で2時間かけてきました。来院時は呼吸状態が非常に悪く、咳が続き、息苦しい様子でした。酸素マスクで酸素投与と薬を吸入しながら  数日間入院しました。また、痰の吸引と点滴の治療を続け、徐々に回復することができました。

リターちゃん

年齢:6歳
病名:膣外傷
家族構成:母、兄弟1人

リターちゃんは夕方自転車に乗って遊んでいた時に、股を強く打ってしまい膣に傷を負いました。その傷口から出血が止まらず、その日の夜に当院の救急外来を受診しました。リターちゃんのお母さんは、当院で妊婦検診を受けている知人から病院の評判を聞き、車で一時間かけて来ました。傷口が大きく深いことがわかり、すぐに縫合しました。幸い傷口からの感染もなく、順調に回復後退院しました。

ブルニットくん

年齢:9歳
病名:喘息発作
空気の通り道である気管支が急激に収縮し、呼吸困難の発作を繰り返す病気。適切な治療がなければ死に至ることもある病気です。

ブルニットくんは1年半前から、喘息のために病院に通っていました。
その病院で治療を受け、徐々によくなっていましたが、ある日症状が悪化してしまいました。別の医療機関を受診しましたが、症状は改善しませんでした。
そこで、当院のことを聞き、自宅から車で2時間半かけて来院しました。
病院に到着時のブルニットくんの血中酸素濃度は低く、息苦しさや、吐き気、痰、咳などの症状もありました。入院中も喘息発作を引き起こすなど気の抜けない状態でしたが、24時間体制で状態をモニタリングし、酸素の投与、気管支拡張薬の吸入、痰の吸引、点滴による治療を行い、次第に回復することができました。

ソターくん

年齢:15歳
病名:顔の膿瘍
細菌感染によって皮膚の下に膿がたまる病気で、治療を行わなければ菌が全身にまわる敗血症を起こし、命が脅かされる危険な状態になります。
家族構成:父、母、兄弟2人

ソターくんは5~6歳の頃から膿瘍が体の様々な箇所にできてはプノンペンの病院で治療を受けることを繰り返していました。今回は右ほほに膿瘍ができ、そのために感染し、熱も出ていました。自宅から近い当院のことを聞き、初めて受診しました。抗生剤の投与と傷口の洗浄を定期的に受け、無事に回復に向かっています。

レアックくん

年齢:2歳
病名:胸部膿瘍
細菌感染によって皮膚の下に膿がたまる病気で、治療を行わなければ菌が全身にまわる敗血症を起こし、命が脅かされる危険な状態になります。
父、母、兄姉2人

レアックくんは生後8か月の時に胸に粉瘤ができ、治療を受けたことがありました。今回、2歳になったレアックくんの左胸に同様の粉瘤ができ、そこから感染を起こしていました。来院時は発熱もしており、危険な状態だったため、入院となりました。当院では切開排膿し、傷口を洗浄しながら抗生剤の投与を行いました。

ファニットくん

年齢:12歳
病名:停留精巣・陰嚢水腫
停留精巣:陰嚢の中に精巣が入ってない状態で、男の子の先天的な異常の中でもっとも頻度の高い疾患。陰嚢に精巣がおりてこないままの状態が続くと、精巣がんや、不妊の原因となると言われており、日本では2歳までに手術することが望ましいとされている病気です。
陰嚢水腫:液体が陰嚢(いわゆるたまのふくろ)にたまって、陰嚢がふくらんだ状態を言います。生まれたばかりの男の赤ちゃんでは比較的高頻度に認めます。

ファニットくんは生まれた時から、左の陰嚢に精巣がありませんでした。
当院で無料で手術を受けられると聞き、受診しました。診断結果は、陰嚢に精巣が下りてきておらず、同時に陰嚢水腫でもあることが分かりました。日本では 幼児のうちに停留精巣の手術を受けることが一般的ですが、ファニットくんは 当院を受診する12歳になるまで、家庭の事情から手術を受けられずにいました。
当院では、停留精巣と陰嚢水腫の両疾患に対して手術を受け、6日後に元気に帰っていきました。

今月の救われた命

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