吉岡による手術ミッションが行われ、小児がんを含む様々な小児疾患の手術を実施しました。
ジャパンハートから活動報告が届きました
吉岡による手術ミッションが行われ、小児がんを含む様々な小児疾患の手術を実施しました。
今月の活動トピック
今月の活動実績 まとめ
救われた命 累計88名 (12月単月 18名)
◼ 今月は小児がん患者さん5名を含む、計18名のこどもの命を救うことができました。◼ 5ページ目以降で、各患者さんを紹介しています。
がん新規入院患者数 累計23名 (12月単月 8名)
◼ 1月は新たに8名と、月間で過去最高の数の小児がん患者さんが入院しました。◼ その全員が他院からの紹介によって、当院を受診しました。
◼ その多くの患者さんはがんがかなり進行している状態でした。
外来診療数 257名
◼ 今月の外来診療患者数は257名でした。◼ 昨年1月と同様、前月より急激に増加しました。毎年1月に患者さんが急増する理由は、コメの収穫時期である12月が過ぎたことと関係していると考えられます。農業を生業としている患者さん家族にとって、多忙な時期が過ぎ、子どもを病院に連れて来られる余裕ができたと思われます。
◼ また昨年と比較し、全体的に患者数が増加しているのは、当院を受診した患者さんによる口コミが徐々に広がっているためと推測しています。
入院患者数 39名
◼ 1月は外科系疾患の患者さんの他、デング熱や胃腸炎など高熱の症状を持った患者さんを多く受け入れました。◼ 疾患内容内訳表の“その他”には先月同様、診察を受け、即日処置を受けた皮膚系疾患の患者さんや、高熱の症状や胃腸炎で入院した患者さんが多数含まれます。
手術件数 28件
◼ 1月は最高顧問・吉岡らにより、小児がんの手術を6件実施しました。◼ 体が小さい小児患者さんへの手術や小児がん手術など、1件あたりの手術時間が長くリスクが高い手術を多く実施しました。その結果、全体の手術件数は前月や昨年同月よりやや少ない数にとどまりました。
ブンニンちゃん
年齢:9歳病名:神経芽腫
神経の細胞にできる「がん」です。 神経芽腫は、小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。 特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。
家族構成:母
ブンニンちゃんは、首にしこりができたため、プノンペン市内のチャリティ小児病院を受診しました。そこで結核と診断され、しばらく結核の薬を飲みました。しかし症状は改善しなかったため、もう一度受診したところ、おなかの腫瘍が見つかり、がんの疑いがあると告げられ当院を紹介されました。
当院で生検後、神経芽腫と判明したため抗がん剤治療を開始しました。当初は呼吸が苦しそうで、食べるのも辛そうでしたが、治療を続けるにつれ元気になってきています。
マオチャンくん
年齢:14歳病名:肝芽腫
肝臓にできるがんです。 治療では、手術、化学療法、ときには放射線療法が行われます。
家族構成:父、母、弟3人
マオチャンくんは、中学に入学したばかりの男の子です。ある日強い腹痛を訴え、プノンペン市内の病院を受診しました。そこで腸チフスと診断されました。処方された薬を飲み、一時症状が緩和しましたが、また痛み出したため再受診しました。再受診を2度繰り返し、4度目に受診した時、B型肝炎と診断されました。しかし経済的理由から治療を受けられずにそのままにしていました。症状が悪化したためプノンペン市内のチャリティ病院で検査を受けたところ、肝臓に腫瘍があり、がんを疑われ、当院に紹介されました。 当院で生検の手術を行いました。病理診断の結果、肝芽腫であることが分かりました。抗がん剤治療を始めています。
ミンチューちゃん
年齢:8歳病名:神経芽腫疑い
家族構成:父、母、兄弟2人
ミンチューちゃんはコンポンチャム州という当院から2時間離れた地域に住んでいる小学2年生です。はじめは腹痛で薬局の薬を飲んでいましたが、症状が改善しなかったため、プノンペン市内のチャリティ病院を受診しました。そこで結核と診断され治療中でしたが、あるとき腹部にも塊ができふくらみ始めため、がんが疑われ、当院に紹介されました。生検の結果、神経芽腫と診断しましたが予後不良なため積極的な治療を希望せず、緩和ケアに移行しました。
ビボルくん
年齢:14歳病名:ホジキンリンパ腫
悪性リンパ腫の種類の1つです。
家族構成:父、母
ビボルくんは当院から車で3時間離れたカンポット州出身です。昨年11月頃から首がはれ始めました。他院での生検の結果、ホジキンリンパ腫と診断され、当院に紹介されました。入院してすぐに抗がん剤治療を開始しました。
副作用によって口内炎ができ、食欲がなくなっているときもありますが、治療を頑張ってくれています。
センハイくん
年齢:3歳病名:肝芽腫(疑い)
肝臓にできるがんです。 治療では、手術、化学療法、ときには放射線療法が行われます。
家族構成:父、母
センハイくんは、カンボジアの南海岸沿いに位置するカンポット州出身です。
腹痛が長く続いたため、プノンペン市内のチャリティ病院を受診しました。検査の結果、がんが疑われたため、当院に紹介されました。
来院時には既に肝臓と肺に腫瘍が広がっていて、すぐに抗がん剤治療を始める必要がある状態でした。すぐに入院し治療を開始しています。
ダニタちゃん
年齢:7歳病名:デング熱
蚊がウイルスを媒介する感染症です。
重症化しうる病気のため、入院しながら医療者による経過観察が必要です。
家族構成:父、母、兄弟1人
ダニタちゃんは当院に勤める清掃員の親戚です。当院のことは以前より知っており、今回は熱の症状で受診しました。数日間点滴による治療と経過観察を受け、症状が改善したため無事退院することができました。
スレイニエンちゃん
年齢:5か月半病名:細気管支炎
気管支で炎症がおきて、咳や痰などの呼吸器症状を起こします。特に生後間もない時期の発症のため、治療をしなければ悪化し命に関わる重症な状態に発展する可能性がありました。
家族構成:父、母、兄弟2人
スレイニエンちゃんは当院を受診する4日前から熱、鼻水、嘔吐、下痢が続いていました。当院を受診した日は高熱がありすぐに入院となりました。一週間の入院期間中に、吸引と点滴の治療を続け、徐々に回復でき、退院となりました。
ソクリーくん
年齢:10歳病名:デング熱
家族構成:父、母、兄弟2人
ソクリーくんは当院の近所に住んでいて、開院当初からジャパンハートのことは知っていました。今回は高熱により当院の連携病院を受診し、血液検査の結果からデング熱と診断されました。症状が深刻だったため、当院に紹介され入院しました。点滴による治療と経過観察を受け、入院から6日後に無事退院しました。
スライリンちゃん
年齢:9歳病名:膿瘍(首)
細菌感染によって皮膚の下に膿がたまる病気で、治療を行わなければ菌が全身にまわる敗血症を起こし、命が脅かされる危険な状態になります。
家族構成:父、母、兄弟2人
スライリンちゃんは来院する2週間前から首が膨らみ始めました。熱が出て、食べ物を飲み込みにくくなったため、当院を受診しました。エコーの結果、膿瘍と診断され、切開排膿しました。数日間入院しながら、傷口の洗浄と抗生剤の投与を続け、無事に退院することができました。
ウドムくん
年齢:3歳病名:鼠径部膿瘍
細菌感染によって皮膚の下に膿がたまる病気で、治療を行わなければ菌が全身にまわる敗血症を起こし、命が脅かされる危険な状態になります。
家族構成:父、母、兄姉1人
来院する2週間前から鼠径部が腫れ始めたため、自宅から近い当院を受診しました。傷口の消毒と抗生剤による治療を続けたところ、入院から6日目には傷口の状態が良くなり退院となりました。その後は通院しながら治療を継続しました。
チャンラちゃん
年齢:3歳病名:胃腸炎、脱水症
家族構成:父、母
チャンラちゃんは数日間吐き気と下痢、熱、腹痛などの症状で苦しんでいました。そこで、家族がジャパンハートの病院建設に携わっていたため、以前より知っていた当院を受診しました。来院時の症状は深刻でしたが、点滴と治療を開始し、入院から4日目に無事退院することができました。
ビチカくん
年齢:6歳病名:デング熱
蚊がウイルスを媒介する感染症です。
重症化しうる病気のため、入院しながら医療者による経過観察が必要です。
家族構成:父、母、兄弟2人
ビチカくんは自宅近所に住んでいるため、今回が初めての受診でしたが、家族は当院のことをよく知っていたそうです。今回は自宅で4日間熱が出続け、下がらなかったため当院を受診しました。約一週間、点滴の治療を受け、徐々に回復していきました。
病院のスタッフが一日に何度か調子を確認しながら、きめ細やかにケアをしているところに家族はとても満足していました。
チャンマカラくん
年齢:12歳病名:デング熱
蚊がウイルスを媒介する感染症です。重症化しうる病気のため、入院しながら医療者による経過観察が必要です。
家族構成:父、母、兄弟1人
チャンマカラくんは当院の近所に住んでいます。当院のことはもともと知っており、今回は高熱と腹痛の症状で受診しました。血液検査の結果、デング熱と診断され、数日間点滴による治療と経過観察を受け、症状が改善したため無事退院することができました。
ニタちゃん
年齢:7歳病名:胃腸炎、脱水症
家族構成:父、母
ニタちゃんは来院する前夜に高熱が出て嘔吐し始めました。翌日になってもその症状は変わらなかったため受診しました。来院時は40度を超える高熱と頭痛でめまいがしていました。水も飲めない危険な状態だったため、そのまま入院となり、熱が下がるまで当院で治療を受けました。入院の5日目にはすべての症状が改善したため退院しました。
ボパーちゃん
年齢:6歳病名:胃腸炎、脱水症
ボパーちゃんは高熱で嘔吐と下痢を繰り返していたため、当院を受診しました。来院時は水も飲めず脱水症状が認められたため、すぐに入院となり治療を受けました。熱は徐々に下がり、入院の5日目には回復したため、無事退院することができました。
サリタちゃん
年齢:4歳病名:熱性けいれん
6カ月~5歳ころの子どもが急な発熱に伴って意識障害、けいれんを引き起こす病気です。 通常38℃以上の発熱時に急激に体温が変化するときに起こります。
サリタちゃんは来院する2日前から熱があり、当院の連携病院に入院していました。しかし、熱が続いたため、当院を受診しました。診察を待っている間にけいれんが始まったため、救急外来ですぐに医師が治療を行いました。けいれんは3~5分で治まりました。その後、3日間入院し、経過観察を受けながら、熱が下がるまで治療をうけました。
ウンナちゃん
年齢:2歳病名:膿瘍(臀部)
細菌感染によって皮膚の下に膿がたまる病気で、治療を行わなければ菌が全身にまわる敗血症を起こし、命が脅かされる危険な状態になります。
ウンナちゃんのお尻が腫れたため、自宅近所の当院を受診しました。膿瘍と診断されたため入院し、切開排膿しました。
入院中は傷口の洗浄と抗生剤の投与を行い、4日後に無事に退院することができました。
サムナーンくん
年齢:4歳病名:停留精巣
陰嚢の中に精巣が入ってない状態で、男の子の先天的な異常の中でもっとも頻度の高い疾患です。陰嚢に精巣がおりてこないままの状態が続くと、精巣がんや、不妊の原因となると言われており、日本では2歳までに手術することが望ましいとされている病気です。
サムナーンくんには生まれた時から右側の精巣がありませんでした。そのため手術を希望し当院を受診しました。手術後は、順調に回復することができ、無事に退院しました。