慶應義塾大学病院の小児外科チームが来院、他院で断られた胆道閉鎖症や小児がんの患者の手術を行いました。
ジャパンハートから活動報告が届きました
慶應義塾大学病院の小児外科チームが来院、他院で断られた胆道閉鎖症や小児がんの患者の手術を行いました。
今月の活動トピック
今月の活動実績 まとめ
救われた命 累計103名 (2月単月 15名)
◼ 今月は小児がん患者さん3名、胆道閉鎖症の患者さん1名を含む、計15名のこどもの命を救うことができました。◼ 6ページ目以降で、各患者さんを紹介しています。
がん新規入院患者数 累計26名 (2月単月 3名)
◼ 2月は、横紋肌肉腫、胚細胞腫、神経芽腫の患者さんが新たに入院しました。◼ 3名の患者さんは、現在当院で抗がん剤治療を開始しています。
外来診療数 237名
◼ 今月の外来診療患者数は計237名でした。◼ 昨年2月と同様に年間で最も繁忙期となる1月から減少したものの、昨年同月や昨年12月以前と比較すると多くの患者さんが受診してくださいました。
◼ また昨年と比較し、全体的に患者数が増加しているのは、病院周辺地域の人口増加、当院を受診した患者さんによる口コミが徐々に広がっているためと推測しています。
入院患者数 24名
◼ 2月は形成外科疾患の手術のために入院した患者さんの他、呼吸器系の感染症や胃腸炎など高熱の症状を持った患者さんの入院を多く受け入れました。手術件数 16件
◼ 2月は慶應義塾大学の小児外科チームが来院し、3日間の手術期間中、胆道閉鎖症の手術を1名、小児がんの手術を3名に行って頂きました。1件あたりの手術時間が長く、リスクが高い手術でした。◼ 短期ボランティアの形成外科医により5名の形成外科系疾患の患者さんが手術を受けることができました。
◼ 今月、先月の手術件数が減少した理由は、昨年2月と同様、高度な外科手術に注力した月であり、成人患者さんへの手術を多く実施したことも理由に挙げられます。
ソンバットくん
年齢:6歳病名:横紋筋肉腫
筋肉(骨格筋といいます)に将来なるはずの未熟な細胞から発生したがんと考えられています。 横紋筋肉腫は、軟部組織(骨格筋など)や結合組織や骨から発生するがん(肉腫)の一つです。
来院する2か月前から腹部に不自然なしこりが出来始めました。シエムリアップ州のチャリティ病院を受診したところ、がんであることが分かりました。ソンバットくんのがんはその病院で治療することができないため、当院を紹介されました。そこで、タイと国境を接する州にある自宅から、車で9時間かけて当院に来てくれました。現在抗がん剤治療を受けており、その後放射線治療を行う予定です。
メイメイちゃん
年齢:1歳病名:神経芽腫
神経の細胞にできる「がん」です。 神経芽腫は、小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。 特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。 家族構成:父、母
メイメイちゃんとその家族は当院から車で6時間離れた地域に住んでいます。左歯茎の下あたりが腫れ始めたため、プノンペン市内のチャリティ病院を受診しました。そこでの検査の結果、がんの疑いがあることがわかり、当院を紹介されました。来院してすぐに生検を行い、神経芽腫と診断されました。現在抗がん剤治療を受けています。
パンニャセットくん
年齢:2歳病名:胚細胞腫瘍(精巣)
生殖器や胸の中(縦隔)、お腹の中(後腹膜、仙骨部)、脳などに発生しやすい悪性腫瘍の1つです。
1歳のころから陰嚢が不自然に膨らみ始めました。国立小児病院でその腫瘍を摘出し、生検を行った結果、胚細胞腫瘍であることが分かりました。転移もみつかっており、がんの治療を行える当院を紹介され入院となりました。現在、抗がん剤投与で治る可能性が高い病気であり、治療を開始しています。
スオフィヤちゃん
年齢:3か月病名:胆道閉鎖症
生まれて間もない赤ちゃんに発症する肝臓および胆管の病気です。胆汁の通り道である胆管が,生まれつきまたは生後間もなく完全につまってしまい,胆汁を腸管内へ排泄できないのがこの病気の原因です。1万~1万3千人に1人の頻度で出生するといわれています。白便が出て全身の皮膚が黄色くなることが主な症状です。
家族構成:父、母、兄
治療を求めて国立の小児病院を受診した際、スオフィヤちゃんの病気は治療しても治らないと断られ、自宅に返されていました。しかし1月にラジオ放送で胆道閉鎖症を治療できると広告していたジャパンハートの情報を聞き、すぐに受診しました。2月中旬に慶應義塾大学病院の小児外科チームに手術をして頂きました。手術後、白かった便が黄色に変わり、病状も安定しています。
マイパンニャくん
年齢:1歳病名:大腿部の膿瘍
左の太ももに膿瘍ができて発熱していました。当院では切開排膿とその後の傷口洗浄、抗生剤の投与を行いました。入院中には一時、39度台まで熱が上がりましたが、1週間後には症状が改善し、無事に退院することができました。
トラくん
年齢:1歳病名:胃腸炎、脱水症
家族構成:祖母、父、母
トラくんの自宅は当院からバイクで1時間の距離にあります。昨年に風邪の症状で受診した際に、ジャパンハートの医療者が丁寧に見てくれたことに家族が満足して下さり、今回も少し自宅から遠いですが、当院を受診することにしたそうです。来院時は、嘔吐下痢を繰り返し、食べたものもすぐに吐いてしまう状態でした。入院してもらい、点滴で水分を補いながら治療しました。数日間で回復することができ、退院となりました。
ナロンくん
年齢:4カ月病名:肺炎
乳児の場合は特に重症化による命の危険が高く、重症化する前に早期に病院を受診し治療を受ける必要があります。
家族構成:父、母
2日間咳と高熱が続いたため、自宅から近い当院を受診しました。当時の体温は40度を超え、呼吸するのも苦しそうでした。入院しながら徐々に症状が改善していき、入院5日目にはほぼすべての症状が改善し、無事に退院することができました。
プチレアクくん
年齢:生後1ヵ月未満病名:尿路感染症
おしっこの出口(尿道口)から細菌が膀胱や腎臓内に進入することで生じる感染症です。
家族:祖母、父、母
プチレアアクくんは生後3週間経過し間もなく、熱発し息苦しそうにしていました。親が当院を受診させたところ、他の症状から尿路感染症と診断され 当院に入院しました。ご家族は今回初めて当院を受診しましたが、ここでの治療や医療者の対応に満足してくださっているそうです。
ソバンナラくん
年齢:7歳病名:糸球体腎炎
糸球体(小さな穴が多数あいた微細な血管でできた球状の腎組織で、それらの穴を通して血液がろ過されます)が侵される病気です。 糸球体腎炎は、むくみ(浮腫)、高血圧および尿中での赤血球の検出を特徴とします。
ソバンナラくんはおしっこが出なくなり、入院時、別人のように顔がむくみ、全身もむくんでいました。当院での治療により、尿が出て全身のむくみはなくなり、1週間で無事退院できました。
ティアムラくん
年齢:生後2ヵ月病名:細気管支炎
気管支で炎症がおきて、咳や痰などの呼吸器症状を起こします。特に生後間もない時期の発症のため、治療をしなければ悪化し命に関わる重症な状態に発展する可能性がありました。
ティアムラくんは、熱と息苦しさの症状から当院を受診しました。細気管支炎と診断され、入院しながら痰の吸引やお薬による治療を受けました。ティアムラくんの祖母の息子は、長期間当院で小児がんのため入院していたことがあり、今回はかねてより信頼して下さっていた当院を受診してくれました。
ニタちゃん
年齢:3歳病名:喘息発作
家族構成:父、母
ニタちゃんは度々喘息発作を繰り返しており、今回は特に症状が酷かったため、入院となりました。
当院では薬の吸入などの治療を行いました。
入院後も長期間高熱が続きましたが、その後日ごとによくなり、入院から8日目までに回復することができ退院しました。
ダリンちゃん
年齢:1歳病名:胃腸炎、脱水症
マナちゃんは来院する3日前から激しい嘔吐があり、食欲不振で、食べても下痢と嘔吐をしてしまう状態で当院を受診しました。
自力で水分を摂取できない状態だったため、点滴を受けながら熱が下がり体調が回復するまで当院に入院しました。
入院の3日目にはほとんどの症状が改善したため退院しました。
マナちゃん
年齢:1歳病名:胃腸炎、脱水症
マナちゃんは来院する3日前から激しい嘔吐があり、食欲不振で、食べても下痢と嘔吐をしてしまう状態で当院を受診しました。
自力で水分を摂取できない状態だったため、点滴を受けながら熱が下がり体調が回復するまで当院に入院しました。
入院の3日目にはほとんどの症状が改善したため退院しました。
ソパナくん
年齢:1歳病名:熱性けいれん
6カ月~5歳ころの子どもが急な発熱に伴って意識障害、けいれんを引き起こす病気です。 通常38℃以上の発熱時に急激に体温が変化するときに起こります。
ソパナくんは高熱により、自宅でけいれんを起こし、心配した親がすぐに当院に連れてきました。
来院後、上気道炎(かぜ)による熱とそれによる熱性けいれんと診断しました。
あまり水を飲みていないため、入院して経過観察と点滴を行いました。
熱が下がり症状が落ち着いたので退院となりました。
スレイナットちゃん
年齢:1歳病名:細気管支炎
気管支で炎症がおきて、咳や痰などの呼吸器症状を起こします。特に生後間もない時期の発症のため、
治療をしなければ悪化し命に関わる重症な状態に発展する可能性がありました。
スレイナットちゃんは咳と高熱、息苦しさの症状に来院する2週間も前から苦しんでいました。
薬局で薬を処方してもらい、飲みましたが改善しなかったので、当院を受診しました。
細気管支炎と診断され、数日間入院しながら、薬を吸入ました。
徐々に症状が改善し無事退院することができました。