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22名の小児がん患者が入院中。そのうち、5名の生検手術を実施しました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

22名の小児がん患者が入院中。
そのうち、5名の生検手術を実施しました。

今月の活動トピック

7月は、小児がん患者さん5名へ生検の手術を実施しました。
長期入院している患者さんへ
本人がデザインしたTシャツを作り、プレゼントしました。
6月~7月の間に長期ボランティアとして日本人小児科医2名が活動に加わりました。さらに現地人医師の教育体制と増え続ける小児がん患者さんの治療体制を強化しています。
小児がん患者さんの入院者数はさらに増加し、がん患者さん用として改装した部屋を使用し、計22名が入院しています。
デング熱が流行する時期になったため啓発のためのチラシ配布と、フェイスブックでの予防の呼びかけを行いました。
ジャパンハートの奨学金事業で支援を受ける学生が、学校のオンライン授業の合間に交代で当院の医療活動に参加し、研修を受けています。学生たちは卒業後、2年以上当院で勤務予定です。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計177名 (7月単月 21名)

◼ 今月は小児がん患者さん5名を含む、計21名の小児患者さんの命を救うことができました。7月後半よりデング熱患者数が急増し8名が入院し治療を受けることができました。

がん新規入院患者数 累計46名 (7月単月 5名)

◼ 国内の他の病院から紹介となり、リンパ腫、神経芽腫などの患者さんが計5名新規入院しました。
◼ 小児がん病棟に配置している全19床では足りないため、小児がん患者さんをさらに受け入れられるよう、改修していた部屋を本格的に使用し始めていきます。


外来診療数 251名

前月と比較し、7月は外来件数が15%減少しました。
理由は6月の吉岡秀人の手術期間であった6月に比べ、7月は駐在の医師を中心とした平時の医療活動に戻ったことに加え、7月はデング熱の流行状況が昨年よりも落ち着いていたためと考えられます。今年の雨期は、雨が降る頻度が少なかったからか、カンボジア国内でも6月~7月中旬までのデング熱の感染者数は昨年よりも少ないと報告されています。当院では7月下旬からデング熱患者数が増加し始めましたが、月間ではデング熱患者数が昨年よりも半数に減少しています。


入院患者数 50名

◼ 7月の入院患者さんは、鼠経ヘルニアや陰嚢水腫などの予定手術のため入院された患者さんに加え、デング熱患者が多くを占めました。

手術件数 35件

◼ 6月現地入りした吉岡による指導で、現地に滞在する医師だけで行える手術の幅が広がり、7月はヘルニアや陰嚢水腫などの手術を実施しました。
◼ 上記の疾患に加え、カンボジアの日系病院に勤める外科医が週に一度当院に来てボランティアで手術を行って頂けることになり、タイムリーな診断が必要な小児がんの生検の手術も実施できました。

ブンリーくん

年齢:10歳
家族構成:父、母、年下の兄弟1人
病名:バーキットリンパ腫
悪性リンパ腫の種類の1つで、 週単位で病気が進行するリンパ腫です。 病状の進行は速いですが、適切な治療により治癒が期待できます。

ブンリーくんはプノンペンの南部と州境を接するタケオ州出身です。文字を上手に書くことができて、算数の足し算引き算が得意な小学5年生です。 6月上旬から熱が出始めクリニックで点滴を受け一時症状が改善し、またぶり返すことを繰り返していました。同州で一番大きな州立病院を受診したところ、プノンペン市内最大のチャリティ小児病院に紹介されました。そこでの検査の結果、がんが疑われるとのことで、当院に紹介され、入院となりました。生検の手術を行い、確定診断後抗がん剤治療を開始しています。



チャムロンくん

年齢:2歳
家族構成:祖父、祖母、父、母、年上の兄弟2人
病名:神経芽腫(疑い)
神経の細胞にできるがんです。 小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。 特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。

チャムロンくんは当院から2時間ほど離れた州に住んでいます。母親は天然ゴムの原料となる樹液を採取する仕事をしており、普段は祖父母に面倒を見てもらっています。当院に来院する1週間前、お母さんはチャムロンくんがご飯を食べていた時、不自然にお腹が張っていることに気付きました。その日の夜には、腹部が張っていることに加え、口数も減り、尿も出にくくなっていました。そこでプノンペン市内の国立病院を受診したところ、がんの疑いがあるということで、当院を紹介されました。当院では生検の手術を行い、確定診断後、抗がん剤治療を開始する予定です。


メンホンくん

年齢:10歳
家族構成:父、母、3人兄弟の末っ子
病名:腹部のリンパ腫

メンホンくんは来院する1ヵ月前からお腹が痛くなり、はじめは地元のヘルスセンターを受診しました。そこでプノンペン市内最大の小児病院を紹介され、そこでがんの疑いがあるため、当院を紹介されました。当院にて生検の手術を行い、確定診断の後、抗がん剤治療を開始する予定です。
メンホンくんはおとなしい性格で、自宅ではよく車のおもちゃで遊んでいたそうです。もともと3度の食事よりお菓子が大好きというメンホンくんですが、来院して間もない現時点では、ベッドでぐったりしている様子で元気に食べられる状況ではありません。
元気に大好きな遊びをしたり、お菓子を食べたりできるよう、治療を続けていきます。


チーチェンちゃん

年齢:12歳
家族構成:父、母、3人兄弟
病名:悪性腫瘍の疑い

チーチェンちゃんは算数が得意な小学6年生です。5年前に腹部が膨れ、シエムリアップ州の小児病院で生検を受けたことがありました。当時はあいまいな診断の結果のまま、結局しっかり治療を受けられずにいました。今回腹部と背中に痛みを感じ、腹部も張って大きくなってきたため、首都プノンペンにあるチャリティ小児病院を受診し、そこでやっとがんの疑いがあることが分かり、当院を紹介されました。当院で生検の手術を行い、確定診断の後、治療を開始する予定です。


リーヘイくん

年齢:2歳
家族構成:父、母、姉
病名:滑膜肉腫
体の軟部組織から生じ、四肢を中心に全身に発症しうるがんです。局所の腫脹、疼痛、腫瘍による圧迫症状から受診して、がんが発覚することが多いです。1歳未満の乳児と思春期に発症が多いとされています。

リーヘイくんは、プノンペンの西部のタイと国境を接する州に住んでいます。6月上旬のある朝、おしっこをするとき、力まないと出ないことに母親が気付き、すぐにシエムリアップ州の小児病院に連れて行きました。そこで、生検の手術を受けた結果、滑膜肉腫と診断されました。その病院で治療をしましたが、とりきれず再発していたので、当院を紹介されました。リーヘイくんとお母さんは自宅から6時間もかけて当院に来てくれました。診察の結果、抗がん剤治療は難しく、家族との時間を過ごせるように帰宅しました。リーヘイくんの前髪のみ残したヘアスタイルは母親のお気に入りの髪型だそうです。


ピセーくん

年齢:1歳7か月
病名:右足の膿瘍
細菌感染によって皮膚の下に膿がたまる病気で、治療を行わなければ菌が全 身にまわる敗血症を起こし、命が脅かされる危険な状態になります。

ピセーくんは当院の連携病院である、ポンネルー病院で産まれ、産後は当院で産褥入院をしていました。今回は来院する3日前から右足が大きく腫れ、熱が出ていたため、受診したところ膿瘍と診断され入院となりました。受診した時には熱がありましたが、切開排膿し傷口の洗浄と抗生剤による治療を受け日に日に症状が改善していきました。11日間の入院の末、無事退院することができました。


バタナックくん

年齢:生後一か月
家族構成:父、母
病名:鼻閉による呼吸障害

バタナックくんは2,3日呼吸しにくい状態が続いていたため当院を受診しました。生後1カ月半にしては体重があまり増加しておらず、飲んでいる母乳の量も少ないようでした。生後1,2か月の赤ちゃんはまだ鼻呼吸しかできません。バタナックくんは鼻が詰まってしまったことで、ミルクが飲みにくい状態となっていました。入院中も呼吸するたびに胸骨のあたりがベコベコと陥没する苦しそうな呼吸をしていました。当院では吸入で分泌物を柔らかくしてから吸引を行い経過を観察しました。
バタナック君がミルクを十分飲めるようになるまで、17日間入院しました。入院期間中、母親へ授乳指導を行い、しっかり飲ませられるようになり、無事退院となりました。


シェンバニーくん

年齢:11歳
家族構成:父、母、3人兄弟の末っ子
病名:デング熱
蚊によって媒介される感染症で、カンボジアでは特に雨期に流行します。重症化しうる病気のため、医療者による経過観察が必要です。

当院近くのウドン山の近くに住んでおり、当院のことは近所のためよく知っていました。
前回受診時に扁桃腺の手術を希望し、次の耳鼻咽喉科医による手術の機会を待っている状態でした。今回は高熱が連日続き、近所のクリニックを受診したところ、そこでデング熱であることが分かり、入院治療の行える当院を勧められ受診し、入院となりました。入院して数日は呼吸が苦しそうでしたが、医療者による経過観察と熱のコントロールと点滴による治療を受け、無事回復し退院しました。


ポウ パノンくん

年齢:入院時生後9日目
家族構成:父、母、3人兄弟の末っ子
低血糖

プノンペン市内の病院で1700gで生まれました。出生後、プノンペンの大きな病院で治療を受け退院しました。その後、自宅で赤ちゃんの元気がなく、おっぱいを吸えなくなったため当院に来ました。来た時には血糖値が11mg/dl(正常は50mg /dl)しかなく、点滴で糖分の補給を行う治療を開始しました。お母さんは前の病院を退院してからしっかりと赤ちゃんにおっぱいをあげることができていませんでした。当院では点滴の治療をしながら、授乳の正しい方法を教えました。赤ちゃんは母乳だけでしっかり体重も増え、お母さんもしっかり授乳をできるようになったため、入院後6日目に退院しました。


低出生体重で産まれた女の子

年齢:0歳
家族構成:父、母、3人兄弟の末っ子
低出生体重

連携病院である公立ポンネルー病院で生まれ、出生体重が1900gでした。
体重が小さかったため、ジャパンハートの助産師が産後の管理を連携病院の助産師から相談されました。
生まれた週数が不明であり、推定でも35週と早産だったため、首都プノンペンの大きな病院での管理が望ましい状態でした。しかし、お金がなく他の病院に行けないとお母さんが訴えたため、急変のリスクはありますが、当院での管理を受け入れました。
生まれてすぐは、呼吸の状態が落ち着かず、酸素を使いながらケアをしていきました。また出生後二日目には黄疸も見られたため、光を当てる治療も開始することになりました。当院で赤ちゃんのケアの仕方や観察の仕方を教えながらサポートし、お母さんが自分でしっかり育児ができるようになりました。出生後11日目に体重が順調に増え、元気に退院しました。


シンハイくん②

※2020年1月のご報告ではセンハイくんと紹介しましたが、よりカンボジアの発音に近いシンハイくんと紹介させて頂きます。

年齢:3歳
病名:肝芽腫
肝臓にできるがんです。 治療では、手術、化学療法、ときには放射線療法が行われます。
家族構成:父、母

シンハイくんは、来院当初、肺に転移した腫瘍のため、苦しそうに呼吸していました。顔の表情もあまり変えず、ずっと調子が悪そうでした。肺へがんが転移しているために、強い抗がん剤治療が必要となり、それにより血を止める成分である血小板が下がり出血を繰り返していました。輸血が簡単には手に入らないカンボジアで患者さん家族や友人等だけでなく、スタッフも献血してなんとか命をつないだということを数回経験しました。
多くの方の支援があり、入院から現在まで5か月間、抗がん剤治療を続け、腫瘍は小さくなりました。7月1日、小さくなった腫瘍を摘出する手術を行う予定でしたが、開腹すると術前の検査では確認できなかった腫瘍が肝臓全体に広がっていました。今回の手術ですべてを摘出することは難しいと判断し、生検のため腫瘍を一部取る手術を行いました。引き続き抗がん剤治療を行っています。


その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、命を救うことができた患者さんは前頁まででご紹介した他に7名いらっしゃいます。お名前、疾患名等は次の通りです。全員、無事に回復し退院することができました。

名前 年齢 性別 疾患名
1 マカラくん  15 M デング熱
2 ブティちゃん 11 F デング熱
3 ロジカちゃん 11 F デング熱
4 マリンちゃん 10 F デング熱
5 リティーポンくん 5 M デング熱
6 ナロットくん 4 M デング熱
7 ビタちゃん 3 F デング熱
8 スレイロットちゃん 13 F 膿瘍
9 ミッサーくん 1 M 喘息
10 ファニットくん 7か月 M 膿瘍
11 セレイボンくん 3 M 左瞼の膿瘍



今月の救われた命

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