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小児病棟でクリスマス会。子どもたちがとても嬉しそうにサンタさんからプレゼントを受け取っていました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

小児病棟でクリスマス会。子どもたちがとても嬉しそうにサンタさんからプレゼントを受け取っていました。

今月の活動トピック

今月はリンパ腫で入院していたパッタイ君(写真)をはじめ、5名の小児がん患者さんの治療に一区切りがつき、無事退院することができました。
12月のクリスマスイブの夜に、小児病棟でクリスマス会を行いました。子どもたちがとても嬉しそうにサンタさんからプレゼントを受け取っていました。
11月末にプノンペンで新型コロナウイルスの市中感染が発生しました。改めて院長から感染対策を見直すレクチャーと、感染疑いの患者さんが来院した際の受付フローを確認しました。
新たに日本人のベテラン調理師がボランティアとして活動に参加しました。調理と厨房内の衛生管理の業務を中心に行っています。
新生児蘇生法(NCPR)を正しく行う方法を病院の
周辺地域でしっかりと普及させるため、10か所のヘルスセンターの助産師を対象に勉強会を実施しました。
12月は小児がん患者さんの退院者数が多かったものの、その数以上の患者さんが入院となり、引き続き
満床の状態が続いています。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計64名 
(12月単月 12名)

◼ 今月は小児がん患者さん8名を含む、計12名の
子どもたちの命を救うことができました。
◼ 救われた小児患者さんについて6ページ以降で
紹介しています。


がん新規入院患者数 累計36名 
(12月単月 8名)

◼ 12月の小児がん患者さんの新規入院者数は8名と、例外的に少なかった先月から、また更に増加し、たくさんの患者さんが入院してくださいました。
◼ とくにシエムリアップ州の小児病院からの紹介がさらに活発になりました。


外来診療数 248名

◼ 12月の外来診療数は248名と、前月の診療者数からおよそ35%増加しました。
増加した理由は下記の通り、様々に考えられます、
 ・カンボジアが本格的に乾期に入り、雨による
災害が無く、交通しやすかったこと
 ・収穫のシーズンを終え、農家の多忙な時期の
ピークが過ぎたこと
 ・特に大きな祝日や連休がなく外来診療日数が
多かったこと
 ・11月末にプノンペンで発生した新型コロナウイルスの市中感染により多くの人がプノンペンに行くことを自粛した1ヵ月となりました。その結果、当院の周辺地域に住む患者さんがプノンペン市内の病院に行く代わりに、カンダール州 郊外にある当院を利用したこと等の理由が考えられます。


入院患者数 25名

◼ 12月も夏から引き続き横ばいの入院患者数となりました。
◼ 入院患者のうち、予定手術で入院した患者さんと小児がん患者さんが8割弱 を占めています。

手術件数  19件

◼ 12月は小児がんの患者さんへ生検手術5件を当院にいる医師とボランティアの外科医で実施しました。
◼ 小児がん手術以外には、予定手術を10件以上実施しました。
◼ 例年、年末の休暇を利用して多くの日本人ボランティアが当院の医療活動に参加し、たくさんの手術を実施していました。今月は昨年ほどの件数は叶いませんでしたが陰嚢水腫や鼠径ヘルニアなど、当院の医師だけで行える手術を実施しました。

キムボッくん

年齢:生後7日(来院時)
家族構成:父、母、兄
病名:先天性間葉芽腎
腫疑い小児期に腎臓にできる腫瘍の一つ。乳児期早期に多くみられ、ほとんどが手術による切除のみで治る腫瘍。

キムボッくんが産まれる前、母親が妊婦検診時に受けたエコーの検査でキムボッくんの腹部に腫瘍があることが判明していました。
産後すぐに国内最大の小児病院を受診し、検査を受けたところ、右腎腫瘍を認め当院を紹介されました。
先天性間葉芽腎腫である可能性が高く、当院で1月に
腫瘍摘出の手術を行う予定です。



タンナッくん

年齢:5歳
家族構成:父、母、3人兄弟の長男
病名:腹部のリンパ腫
  リンパ腫とは血液がんの1つで、白血球の中のリンパ球ががん化したものです。リンパ系の組織や臓器は全身にあるため、リンパ腫は全身の部位で発生する
可能性があります。

タンナッくんは車のおもちゃで遊ぶことが好きな男の子です。
当院を受診する3か月前に徐々に歩くことや座ることが苦しくなり始めました。
母親が国内最大のチャリティ小児病院に連れていき、様々な検査を受けさせましたが、原因が分からないまま症状を緩和する薬を処方され自宅へ返されました。その後、どんどん衰弱していくため、再受診するものの、原因はわからず、別の病院を受診して治療を受けてもまだ全身の症状は変わらず、初めに行った小児病院を3度目に受診した時に、がんの疑いがあることが
分かり当院を紹介されました。
3か月前は腹部に小さな塊があるだけだったのが、この間に腹部全体に腫瘍が広がってしまいました。当院に着いた頃にはかなり病気が進行していました。当院では生検の手術を行い、抗がん剤治療を開始しています。


ヴィヴァットくん

年齢:7歳
家族構成:父、母
病名:左陰嚢の横紋筋肉腫
横紋筋肉腫とは骨、筋肉や脂肪といった軟部組織にできる悪性腫瘍です。

ヴィヴァットくんは、海沿いの州に住む小学1年生になったばかりの男の子です。
ある日、ジャンプをした時に陰嚢が自分の太ももにあたって、それ以来どんどん腫れていったそうです。
近所のクリニックでエコーをしてもらうと陰嚢に塊ができていることが分かり、そこで処方された薬を20日間のみ続けました。それでもよくならず、別の病院に行くとさらに一週間分の薬を処方されましたがやはり改善しませんでした。
そこで生検の手術を受けたところ、がんであることが判明しました。
国立がんセンターを紹介されましたが、高額な治療費を払うことができず、治療を諦めて自宅に帰っていました。

ある日、カンボジア国内で有名なお坊さんが、「ジャパンハートは小児がんの治療を無料で行っている」というフェイスブック投稿をしたのを偶然母親が発見し、その翌日、自宅から3時間かけて当院を受診しました。
当院で抗がん剤治療を開始し、尿道カテーテルを入れなくてもおしっこが出るようになりました。


クーンハちゃん

年齢:13歳
家族構成:父、母、兄3人
病名:右腕の横紋筋肉腫
横紋筋肉腫とは骨、筋肉や脂肪といった軟部組織にできる悪性腫瘍です。

クーンハちゃんは絵を描くのが好きで、国語(クメール語)が得意な中学2年生です。
家族とシエムリアップ州の中心部から25㎞程離れた地域に住んでいて、両親は自宅の前の田んぼでお米を生産し生計を立てています。
当院を受診する8か月前から右腕が膨らみ始め、始めはカンボジア伝統療法を受けていましたが、症状が改善しなかったため、シエムリアップ州の小児病院を受診しました。そこでの生検の手術を受けた結果、がんであることが分かり、当院を紹介され来院しました。
当院ではクーンハちゃんに抗がん剤治療を行っています。


ムニロアちゃん

年齢:2歳
家族構成:父、母
病名:ウィルムス腫瘍疑い腎臓にできるがんです。
たいていの場合、小児の腹部にしこりができ、腹痛、発熱、食欲不振、吐き気、嘔吐もみられます。治療では、手術、化学 療法、ときには放射線療法が行われます。

ムニロアちゃんは食べることと人形で遊ぶことが大好きな2歳の女の子です。
両親とバッタンバン州という、当院から車で4~5時間離れた地域に住んでいます。
当院を受診する1週間前のある日、ムニロアちゃんの尿に血が混じっていることを母親が発見しました。
もともと助産師として働いていた母親は、すぐに異変を感じて、シエムリアップ州にある大きな小児病院を受診しました。そこで、がんの疑いがあることが分かりました。その病院ではムニロアちゃんのがんの治療は難しかったため当院を紹介され来院しました。
当院では抗がん剤治療を開始し、1月後半に手術で全摘する予定です。


クンニムちゃん

年齢:2歳
家族構成:父、母
病名:神経芽腫疑い神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で 白血病、 脳腫瘍についで多い病気です。特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。

クンニムちゃんはカンボジア北部のタイと国境を接するウドンミエンチェイ州から6時間かけて当院を受診しました。
クンニムちゃんは果物を食べることが大好きで笑顔が可愛らしい女の子です。
左目にクマが出来始めたためシエムリアップ州の小児病院を受診しました。そこでお腹の腫瘍が目や頭に転移しており、神経芽腫が疑われたため、当院を紹介され受診しました。
当院では生検の手術を行い、抗がん剤治療を開始しています。


カニャーちゃん

年齢:10か月
家族構成:父、母、3人兄弟の3人目
病名:肝芽腫肝臓にできるがんです。
治療では、手術、化学 療法、ときには放射線療法が行われます。

カニャーちゃんは、母乳をよく飲み、日々すくすく成長中の女の子です。
当院を受診する2週間ほど前のある日、シャワーを浴びていたところ、カニャーちゃんのお腹に固いものがあるのを母親が発見しました。
プノンペン市内の大きな小児病院に行き検査を受けると、肝臓のがんの疑いがあることが分かりました。
そこで、がんの治療を無料で受けられると紹介された当院にすぐに入院しました。
現在は抗がん剤治療を開始し、縮小させたのちに全摘手術を行う予定です。


ソッタイくん

年齢:4歳
病名:犬の咬傷

ソッタイくんは、自宅で飼っている大型犬と遊んでいるときに、愛犬に頭を大きくかまれてしまいました。
すぐに近くのクリニックに行きましたが、当院を紹介され、自宅から2時間かけて来院しました。
来院時は頭部の傷口がぱっくり割れており、すぐに傷口を洗浄し縫合する処置を行いました。写真は無事に縫合を終え、傷口をきれいに洗浄し終えた時の様子です。
その後、狂犬病のワクチンを注射してもらうため、他院を紹介しました。


セッターくん(途中経過)

年齢:6か月
家族構成:父、母、兄
病名:ウィルムス腫瘍腎臓にできるがんです。たいていの場合、小児の腹部にしこりができ、腹痛、発熱、
食欲不振、吐き気、嘔吐もみられます。
治療では、手術、化学療法、ときには放射線療法が
行われます。

セッターくんのがんは、当院に来院する2か月前に、
国内の大きな小児病院で判明しました。
しかし、そこでは到底支払うことのできない、高額な治療費がかかることから、治療を諦め、失意の中、
自宅に帰っていました。
親戚からジャパンハートの病院で小児がん治療を行っていることを聞き自宅から12時間かけて来院してくださいました。吉岡医師の滞在期間中に来院できたことで、すぐに腫瘍を摘出する手術を受け、その後、術後の抗がん剤治療を受けました。
そして退院日、お母さんは医療スタッフに感謝の想いを伝えてくださいました。
「ここで治療を受けられて本当に嬉しかったです。ジャパンハートの仕事にとても感謝しています。最初は息子はもう助からないと思っていました。でも今は無事に治ってとても嬉しいです!本当にありがとうございました。」


パッタイくん(途中経過)

年齢:6歳
家族構成:父、母、4人兄弟の末っ子
病名:縦郭のリンパ腫
リンパ腫とは血液がんの1つで、白血球 の中のリンパ球ががん化したものです。リンパ系の組織や臓器は
全身にあるため、リンパ腫は全身の部位で発生する可能性があります。

パッタイくんは、9月に息苦しさと、胸の痛み、咳が
5日間続いたため、プノンペン最大の小児病院を受診しました。
その病院での検査の結果、胸部に腫瘍があることが
分かり、がんを無料で治療できる当院を紹介されました。
入院当初は胸の中にある大きな腫瘍のために、呼吸が苦しく、しゃべることすら難しい状態で、入院当初、命が危ぶまれる瞬間もありました。
しかし、強い抗がん剤治療薬による副作用にも耐え、徐々に状態がよくなり、遂に12月、無事に
退院することができました。
退院時お母さんは、「ジャパンハートのカンボジア人と日本人のスタッフが息子の面倒を見てくれて本当に嬉しいです。そして、治療を完了し、よくなって幸せすぎます!もし病気になった子どもがいたら、私はこの病院を受診することを勧めたいです。治療は無料で、心優しいスタッフがしっかりと治してくれるからです。」と仰って下さいました。


プンネアくん

年齢:14歳
家族構成:父、母、弟2人
病名:腸のがん疑い腸にできるがんです。治療では、
手術、化学療法、ときには放射線療法が行われます。

プンネアくんは、当院に来院する1ヵ月前から腹部にしこりが出来始めました。
はじめに国内最大の小児病院を受診し摘出する手術を受けました。
しかし、腹部が再度膨らみ始めたため、再検査をしたところ腸のがんの疑いがあることが分かり、当院を紹介されました。
自宅はタイとの国境を接する農村部にあり、12時間
かけて当院を受診してくれました。
当院では生検を行い、診断確定後に治療を行う予定です。


その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、命を救うことができた患者さんは前頁まででご紹介した他に8名いらっしゃいます。お名前、疾患名等は次の通りです。
全員、無事に回復し退院することができました。

名前 年齢 性別 疾患名
1 ソクナットくん 1 M 熱性けいれん
2 ナンくん 12 M 下腹部の膿瘍
3 セウマイちゃん 10日 F 新生児 黄疸



今月の救われた命

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