一般財団法人 阿部 亮 財団

腹部リンパ腫で入院している女の子が一時帰宅し、お友達と遊ぶことができました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

腹部リンパ腫で
入院している女の子が
一時帰宅し、お友達と
遊ぶことができました。

今月の活動トピック

ウィルムス腫瘍で入院していて、
8月に退院したムニロアちゃんが
今月フォローアップ検査のため来院しました。
現在は週に3回程度の頻度で手術活動を
再開しました。
卵巣腫瘍がある11歳の女の子の手術の写真です。
今月は小児がん2名を含む5名の
小児患者さんが退院しました。
肝芽腫で入院していた
エナちゃんの退院の時の写真です。
​ 3月から腹部のリンパ腫で
入院しているスーインちゃんが
一時帰宅をし、久しぶりにお友達と
遊ぶ事ができました。
6月から入院し、7月に腫瘍の
摘出手術を行ったパニャーくんが、
9月20日から抗がん剤治療に合わせて
放射線治療も開始しました。
現在はカンボジア人のスタッフが
指導する機会も増えています。
先輩看護師が新人看護師に
BLSの指導を行いました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計17名 
(9月単月 10名)

  • 昨年の同月と比較すると
    2名減少していますが、
    先月と比べると3名増加し、今年度に入って最多となりました。
  • 今月の救われた命は10名の内、
    4名が小児がん患者さんでした。

  • がん新規入院患者数 累計8名 
    (9月単月 4名)

    • 先月と同じ4名でした。
      カンボジアでの新型コロナウイルス感染症が
      拡大した今年の3月からは1~5名で推移しています。

外来診療数 149名

  • カンボジア国内において
    新型コロナウイルス感染症が
    拡大し始めた4月以降、
    一番多い149名の外来診察数となりました。
  • 8月まで行われた吉岡による手術活動が終わり、
    現在では通常時の手術活動を徐々に再開しています。
    9月以降は、週3日程度の頻度で手術活動を行っています。
 

入院患者数 8名

  • 今月の新規の入院患者数は8名と、
    先月から2名増加しました。
    8名の入院患者さんの内4名は小児がん患者さんでした。

手術件数  7件

  • 今月は、小児患者さん7件の手術を行い、
    内4件は小児がん患者さんの手術を行いました。
    小児がん患者さん以外の受け入れも徐々に開始しており、
    新型コロナウイルス感染が拡大した
    今年度以降は最多となりました。
  • 手術件数自体は昨年(14 件) の半分になっていますが、
    小児がんの手術件数は昨年(5 件) とほぼ横ばいでした。

ステヴィーちゃん

年齢:6歳
家族構成:父、母、兄(8歳)
病名:縦隔バーキットリンパ腫
リンパ腫とは血液がんの1つで、
白血球の中のリンパ球ががん化したものです。
リンパ系の組織や臓器は全身にあるため、
リンパ腫は全身の部位で発生する
可能性があります。

ステヴィーちゃんは、おままごとが好きな
6歳の女の子です。
ベトナムとの国境近くに位置する
プレイベン州からタクシーで3時間かけて来院しました。
首の左にしこりができ、せきも続いていた為
近くのクリニックへ行ったところ、
エコーで腫瘍がある事が分かりました。
その後 国内最大のチャリティー小児病院で、
当院を紹介されました。
生検の結果、バーキットリンパ腫
である事が判明し、
抗がん剤治療を開始したところ、
腫瘍は消えて元気になりました。
今後、半年程度抗がん剤治療を続ける予定です。



キムロンくん

​年齢:8カ月
家族構成:父、母
病名:ウィルムス腫瘍
腎臓にできるがんです。
たいていの場合、小児の腹部にしこりができ、
腹痛、発熱、食欲不振、吐き気、嘔吐もみられます。
治療では、手術、化学療法、ときには
放射線療法が行われます。

夜中に血尿を繰り返した事で翌朝に
国内最大の小児チャリティー病院を訪れました。
検査の結果、左腎臓に腫瘍がある事が
発覚し当院を紹介されました。
元々英語の先生をしていたお母さんが、
今はお仕事をやめ, キムロンくんの
入院生活に付き添っています。
現在は抗がん剤治療を行っており、
10月に左の腎臓を摘出する予定です。



キムホアちゃん

年齢:12歳
家族構成:父、母、3人兄弟の末っ子
病名:卵黄嚢腫瘍
生殖器や胸の中(縦隔)、お腹の中(後腹膜、仙骨部)、
脳などに発生しやすい悪性腫瘍の1つです。

生理が始まったものの2日間生理がこず、
また腹痛もあったため
クンタボパ病院でエコーを行いました。
そこで卵巣に腫瘍がある事が分かり
当院を紹介されました。
将来の夢は看護師で、
病院のまね事をして遊ぶのが好きな女の子です。
現在は抗がん剤治療を開始しており、
12月の吉岡の渡航に合わせて
摘出手術をする予定です。



シビコウちゃ

年齢:14歳
家族構成:父、母、姉2人、妹
病名:右腕の骨肉腫
骨自体からがんが発生する悪性腫瘍です。

シビコウちゃんは、将来は医者になりたい
と言う夢を持つ14歳の女の子です。
車内で腕がぶつかった際に痛みがあり、
何度薬を飲んでも良くならなかった事から、
大きな病院で生検を行ったところ
がんである事が発覚しました。
ジャパンハートこども医療センターの事は
Facebookで知ったそうです。
生検の結果、骨肉腫と判明しましたが、
すでに転移があり治療が難しい状況です。
現在は疼痛コントロールを図り、
在宅療養に移行する予定です。



トラくん

年齢:12歳
家族構成:母、姉、妹
病名:キャッスルマン病
慢性のリンパ節腫脹および
慢性炎症を特徴とする疾患群です。
症状としてはリンパ節腫脹、発熱、
倦怠感、皮疹などの非特異的な
炎症症状があげられます。

トラくんは友達とバレーやサッカーなどの
スポーツをする事が好きな男の子です。
将来は車を修理する仕事に就きたいそう。
母子家庭でお母さんは仕事で忙しいため、
入院には18歳のお姉さんが
付き添ってくれています。
めまいや発熱があり国内最大の
チャリティー病院を受診し、
リンパ腫疑いにて輸血などの治療を受けました。
検査でお腹の中に腫瘍が見つかり、
当院を紹介されました。
生検の結果、キャッスルマン病である事が発覚し、
現在はステロイドにて治療中です。
今後は別の薬も使用する予定です。



ヴィレクジョイくん

年齢:生後すぐ
病名:新生児仮死

啼泣が弱いと言う理由で、ヘルスセンターから
ジャパンハートこども医療センターに連れてこられました。
当院についた時には皮膚の色が悪く、
呼吸がしっかりできていませんでした。
肺に圧をかけてあげて肺を広げる
処置を長時間行い、元気になりました。
啼泣(ていきゅう:泣く事)



名前未定
退院後にお父さんと決めるそうです。

年齢:生後すぐ
病名:早産、低出生体重

隣接する病院から早産の人が出産すると言われ、
当院の助産師が分娩に立会いました。
赤ちゃんは32 週と推測され、
体重は1900gの小さな赤ちゃんでした。
早産の赤ちゃんは、呼吸を始めるのが
困難な事もありますが、
幸いこの子はすぐに啼泣し、
呼吸を始めました。
呼吸は開始できても呼吸が
悪くなる可能性が高いため、
呼吸を安定させるために
酸素を使用しながら経過をみました。
酸素は翌日には終了する事ができました。
小さい赤ちゃんは呼吸だけでなく、
低血糖、高ビリルビン( 黄疸) などの
リスクも高いですが、この子は
1日目よりビリルビンの値が高くなったため、
光線療法を実施して、病的な黄疸にならずに
乗り切る事ができました。
現在は自分でミルクが
しっかり飲める様お母さんと練習中です。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、命を救うことができた患者さんは前頁まででご紹介した他に3名いらっしゃいます。お名前、疾患名等は次の通りです。 全員、無事に回復し退院することができました。
名前 年齢 性別 疾患名
1 ソレイノイちゃん 3 F 熱傷
2 ソフェアックくん 10 M 尿道下裂
3 ソフェアックプランくん 8 M 左肘・両頚部の膿瘍

現在は入院の受け入れを少しずつ開始していますが、
来院から2 週間は別室にて隔離を行いながら、治療にあたっています。
以上3 名は入院期間が2 週間に満たないため、
インタビューが実施ができていない事を何卒ご了承くださいませ。

今月の救われた命

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