一般財団法人 阿部 亮 財団

小児病棟の子どもたちに、オンライン動物ツアーを開催しました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

小児病棟の子どもたちに、オンライン動物ツアーを開催しました。

今月の活動トピック

コロナ禍のため一時停止していましが、
1月15日~16日にかけて
地域巡回診療(モバイル診療)を再開しました。
現地のNGO団体より食育の絵本を頂き、
それらを用いながら食育を行いました。
地元の動物園「プノンペンサファリ」と
オンラインを繋げて、小児病棟の
子どもたちに動物園ツアーを開催しました。
​ インターン学生から、
「調理の様子を動画にして、
子どもたちに見てもらったら面白いのでは」
という提案があり、調理の動画を使った
「食育」を実施しました。
「夢の架け橋プロジェクト」より、
次期奨学金候補生の筆記試験、
面接、家庭訪問を実施、奨学金生となる
学生の選定を行いました。
SDGsアワードを受賞した事を受け、
現地の新聞でも取り上げられました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計85名 
(12月単月 20名)

  • 今月は、先月の18名と比べて2名増加した20名の命を救う事ができました。
    前年の同月の17名と比較しても3名増加しています。
    小児がん7名、小児がん以外の疾患の小児患者11名、
    生後間もない赤ちゃん2名を救う事ができました。

  • がん新規入院患者数 累計38名 
    (12月単月 7名)

    • 前年の同月と比較すると減少傾向にありますが、先月と比較すると
      横ばいの8名で、これは新型コロナウイルス感染症拡大以降最多の入院件数です。

外来診療数 155名

  • 新型コロナウイルス感染拡大以降で
    最多となった先月と比較して、
    減少傾向にありました。
  • 1月15日~16日にかけて
    地域巡回診療(モバイル診療)を実施しました。
    地域巡回診療は、コロナ禍のために
    一時停止していましが、
    2021年2月の活動以来
    11カ月ぶりに再開する事ができました。
    2日間で40名弱の患者さんに
    外来診療を行いました。
 

入院患者数 20名

  • 前年の同月と比較すると
    減少傾向にありますが、
    先月と比較すると横ばいでした。
    小児がん患者のみでも7名の患者さんが
    入院しました。

手術件数  15件

  • 吉岡秀人による集中的な手術活動を
    行った先月と比較すると
    減少傾向にありますが、
    その中でも小児がん患者の手術5件を含む
    15件の手術を行いました。

テンサンくん

年齢:1歳
家族構成:父、母、兄(4歳)
病名:肝芽腫
肝臓にできるがんです。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。

テンサンくんは車のおもちゃや、
プレイルームにある滑り台が好きです。
お父さんは警察官をしています。

ある日お母さんがテンサンくんの
お腹が腫れていることに気が付き、
国内最大のチャリティー病院に行きました。
検査の結果肝芽腫が疑われ、
当院に紹介となりました。
入院後は抗がん剤治療を行っています。
肝臓の腫瘍が十分小さくなれば
切除する予定です。



ボレーくん

​年齢:3歳
家族構成:父、母、祖母、兄(6歳)
病名:腹部リンパ腫
リンパ腫とは血液がんの1つで、
白血球の中のリンパ球ががん化したものです。
リンパ系の組織や臓器は全身にあるため、
リンパ腫は全身の部位で
発生する可能性があります。

ボレーくんはたまごが大好きな男の子です。

お腹の痛みがあり国内最大の
チャリティー病院を受診しました。
検査の結果、リンパ腫が疑われ
当院に紹介となりました。
12/24に生検をして、抗がん剤治療が
始まりました。
半年程度抗がん剤治療を続けます。



ダリヤちゃん

年齢:3歳
家族構成:父、母、祖母
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、
脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が
高いとされています。

ダリヤちゃんのベッドの周りには
たくさんの人形があります。
車のおもちゃも好きです。
付き添いの祖母は、
家ではいたずらっ子だと言っていました。

熱が出て、食後に息苦しそうな様子があり
国内最大のチャリティー病院に行きました。
CTとエコーの結果、副腎に腫瘍があると
いわれ当院に紹介となりました。
入院後は2021年12月に生検を行い、
抗がん剤治療を行っています。
入院直後は歩けませんでしたが、
治療により走り回れるようになりました。



リーヘンちゃん

年齢:2歳
家族構成:父、母、祖母、兄(20歳)、姉(16歳)
病名:両側ウィルムス腫瘍
腎臓にできるがんです。
たいていの場合、小児の腹部にしこりができ、
腹痛、発熱、食欲不振、
吐き気、嘔吐もみられます。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。

サカダちゃんは年の離れた兄姉と
一緒に住んでいて、たくさん
かわいがられているようです。
人形とおままごとが好きです。

12月に血尿があり、
近くのクリニックに3日間入院しました。
エコーで問題ないと言われましたが、
退院後も血尿は続き、家から車で
20分のところにあり、
以前から知っていたジャパンハート
こども医療センターを受診しました。
入院後は抗がん剤治療を開始しています。
3月に吉岡が渡航した際に手術予定です。



キムロンくん

年齢:5歳
家族構成:祖父母、両親、兄(7歳)、弟(3歳)、妹(3か月)
病名:尿道下裂
尿道下裂とは、生まれつき尿道口が
正常な状態と比較して陰茎の下面に
開いている状態のことです。
どの程度尿道口がずれているかは
人によって異なり、
亀頭、陰茎、陰嚢を含めて
どの部分にでも生じえます。

キムロンくんはカメラを向けると
緊張しているのか表情は硬かったのですが、
もともとおとなしい性格のようです。
YouTubeをよく観ています。

キムロンくんは生後から、
本来あるはずの尿道口より手前の位置から
おしっこが出ていました。
痛みなどはありませんが、家族が調べた結果、
年齢の小さいうちに手術をしたほうが
良いと考え当院へ来ました。
入院後手術をして、再建した尿道から
おしっこが出るようになりました。
退院に向けて傷の手当をしています。



セティヤくん

年齢:5歳
家族構成:父、母、祖父、兄(11歳)
病名:右陰嚢水腫
精巣(睾丸)の周囲に液体がたまって
陰嚢がふくらんだ病態の事です。
陰嚢の片側が大きくなり、左右差が
出現することもあります。
痛みはありませんが、水腫が大きくなると
歩行時の違和感や圧迫感を
感じることもあります。

セティヤくんはお兄ちゃんと仲良しです。
明るい性格でいたずらっこのようです。
将来は警察官になりたいと、
照れながら教えてくれました。

セティヤくんは右の陰嚢が
1か月前から腫れていました。
手術目的で当院に入院となりました。
1/11に手術を行い、術後経過は
順調だったため無事退院できました。



パンチャポーちゃん

年齢:4歳
家族構成:父、母、祖父
病名:肝芽腫
肝臓にできるがんです。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。

プノンペンに住むパンチャポーちゃんの
お父さんはエンジニアで、お
母さんは銀行に勤めています。
パンチャポーちゃんはラーメンや
フライした魚、焼いた魚が大好きです。
カメラに向かってにっこり笑ってくれました。

パンチャポーちゃんはお腹の張りと痛みがあり、
国内最大のチャリティー病院で
エコーを行ったところ
肝臓に腫瘍疑いのものが
見つかり紹介となりました。
入院後は抗がん剤治療を行っており、
腫瘍は縮小傾向です。
3月の吉岡の渡航に合わせて手術予定です。



キムチャイくん

年齢:4歳
家族構成:父、母、弟(2歳)
病名:腹部バーキットリンパ腫
リンパ腫とは血液がんの1つで、
白血球の中のリンパ球ががん化したものです。
リンパ系の組織や臓器は全身にあるため、
リンパ腫は全身の部位で発生する可能性があります。

キムチャイくんの両親は
クイテウ(カンボジアの麺料理)を
売っています。
車のおもちゃで遊ぶことが好きです。
お母さんは、キムチャイくんは家では
いうことをあまり聞かずわんぱくっ子だと、
苦笑いしながら教えてくれました。

キムチャイくんは12月下旬に
腹痛と嘔吐があり、国内最大の
チャリティー病院に行きました。
CTを撮ったところお腹に腫瘍のようなものが
あることがわかり、紹介となりました。
入院後は、1月に生検して
抗がん剤治療を開始しています。



サンバスくん

年齢:4歳
家族構成:父、母、兄(16歳)、姉(14歳)
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で
白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が
高いとされています。

サンバスくんはおとなしい性格で、
カメラに目を向けるのは
気分が乗らなかったようでした。
焼いた料理やお粥が好きです。

12月上旬より両足が動かしにくくなり、
おしっこが出にくくなりました。
国内最大のチャリティー病院を受診し、
検査の結果、神経芽腫が脊髄を
圧迫していることが疑われました。
当院に入院後は抗がん剤治療を開始し、
おしっこのカテーテルを留置して
排尿を助けています。



スレイピッチちゃん(途中経過)

年齢:12歳
家族構成:父、母、弟(6歳)
病名:肝芽腫 再発
肝臓にできるがんです。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。

お父さんは建設業の仕事で
韓国に行って4年が経ちます。
お母さんは家で色々なものを販売しています。
スレイピッチちゃんは英語が好きで、
学校で一番の点数を取ったこともあります。
小さい時は看護師や教師に
なりたかったようですが、
今はまだ将来の夢は決まっていません。

2018年10月に当院で肝芽腫のため
手術を行いました。
その後フォローを行っていましたが、
採血で腫瘍を示すデータが上昇したため、
国内最大のチャリティー病院でCTを行い、
再発を認めました。
入院後は抗がん剤治療を開始し、
3月に吉岡のカンボジアへの
渡航に合わせて手術予定です。



赤ちゃん

年齢:生後すぐ
病名:新生児仮死

ジャパンハートこども医療センターから
30分離れた病院から搬送されてきました。
産まれてすぐには泣かず、
産まれた病院でも蘇生はされましたが
あまりよい呼吸状態ではなかったため
ジャパンハートに診てもらいたいと言う
理由でした。

当院では、肺を広げるための
サポートを行いました。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に10名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
全員、無事に回復し退院することができました。
名前 年齢 性別 疾患名
1 ソバンチャナくん 6 M 右陰嚢水腫
2 ソビチアくん 4 M 右陰嚢水腫
3 タイくん 11 M 右頸部多発リンパ節腫脹
4 アビーくん 5 M 右鼠径ヘルニア
5 ラスミくん 10 M 右陰嚢水腫
6 ビサルくん 8 M ネフローゼ症候群
7 マカラくん 4 M 左鼠径ヘルニア
8 セラくん 5 M ネフローゼ症候群
9 ケスタくん 11 M 左鼠径ヘルニア
10 赤ちゃん 生後すぐ M 新生児仮死

今月の救われた命

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