一般財団法人 阿部 亮 財団

産婦人科の長期ボランティア医師がカンボジア入り、分娩を実施しました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

小児病棟の子どもたちに、オンライン動物ツアーを開催しました。

今月の活動トピック

リンパ腫で2021年12月末まで
入院していたステヴィーちゃんが、
フォローアップ検査で来院し、
元気な姿を見せてくれました!
2月19日と21日に国際看護師研修生3名、
助産師研修生1名が到着しました。
卵巣嚢腫で手術と抗がん剤治療をしていた
キムホアちゃんが2月18日に退院しました!
思春期の多感な時期に病気と向き合い、
無事に病気を乗り越えることができました!
​ 2月13日当院で働いているカンボジア人が
新しく入職したカンボジア人スタッフへ
救命講習を行いました。
普段は分娩を行っていませんが、
産婦人科の長期ボランティア森川医師と
山極医師がカンボジア入りしたため、
分娩を実施しました。
写真は帝王切開で新しい生命が
誕生した瞬間です。
Kampong Ossヘルスセンターで初めて
巡回診療を実施しました。
77名の患者さんを診察しました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計100名 
(2月単月 15名)

  • 今月は、先月の20名と比べて
    5名減少していますが、
    前年の同月の11名と比較すると
    4名増加しています。
    小児がん6名、小児がん以外の疾患の
    小児患者7名、生後間もない
    赤ちゃん2名を救う事が
    できました。

  • がん新規入院患者数 累計44名 
    (2月単月 6名)

    • 先月より1名減少の6名の新規小児がん患者を受け入れました。
    • 小児がんの新規入院患者数は2021年10年以降、6名~8名で推移しています。

外来診療数 111名

  • 10月以降は、新型コロナウイルス感染症の拡大が落ち着きを見せ
    診療件数も増加傾向にありましたが、
    オミクロン株の流行により
    再び感染が拡大、診療件数が
    先月に続き大幅に減少しました。
  • 2月6日に地域巡回診療(モバイル診療)を
    実施しました。
    今回はKampong Ossヘルスセンターと
    言うヘルスセンターにて
    初めての巡回診療を実施、
    77名の患者さんに外来診療を行いました。
 

入院患者数 15名

  • 先月と比較すると減少傾向にありますが、小児がん患者は6名の新規入院と、
    先月とほぼ横ばいとなっています。
  • 今月は主要な疾患以外 (下の表「入院患者 疾患内訳」における「その他」に分類)の患者が多く、
    腸結核、新生児肝炎、腹部奇形腫疑いなど、様々な疾患を抱える小児患者の命を救う事ができました。

手術件数  6件

  • 小児がん患者の手術4件を含む
    6件の手術を行いました。
    手術6件の内、3件は生後1カ月から
    1年5カ月の小児の中でも
    特に幼い患者さんに手術を
    する事ができました。

チャンテッくん

年齢:8歳
家族構成:父、母、妹(2歳)
病名:右縦郭頭蓋外胚細胞腫瘍
胚細胞腫瘍は、生殖器(精巣・卵巣)に
発生するものと、後腹膜(おなかの中)、
縦隔(胸の中)、脳(松果体、下垂体)など
性腺外に発生するものがあります。
腫瘍ができる場所によって症状が異なり、
手術や放射線治療、
抗がん剤治療が有効で、
組み合わせて行われます。

1月中旬に右の胸のあたりが腫れて
痛むようになりました。
国内最大のチャリティー病院に行き、
当院へ紹介となったため
車で6時間かけて来ました。
お父さんがチャンテッくんの入院に付き添い、
お母さんはプノンペンに働きに出ているので、
お父さんの姉がチャンテッくんの
妹の面倒をみています。
入院後は抗がん剤治療を行っています。



ペッタイくん(途中経過)

​年齢:10歳
家族構成:父、母、妹(2歳)
病名:ホジキンリンパ腫
リンパ組織を構成している細胞ががん化して
リンパ節で増え、しこりをつくる
血液のがんです。
首のリンパ節に発生することが多く、
抗がん剤治療や放射線治療を行います。

4年ほど前から右の首の付け根が少しずつ腫れ、
ここ1年で急に大きくなりました。
2022年1月に当院で生検術を行い
一旦退院しましたが、
病理結果がホジキンリンパ腫だったため
再入院して抗がん剤治療を始めました。
車のおもちゃで遊ぶことが好きです。
給食のメニューでは酸っぱいスープが好きです。



ピシモニーくん

年齢:1歳
家族構成:父、母、姉(6歳)
病名:肝芽腫
肝臓にできるがんです。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。

1月中旬にお腹が痛くなり、
近くのプライベートクリニックに行きました。
エコーをしたところ肝芽腫が
疑われたので当院に転院となりました。
入院後は抗がん剤治療をしています。
3月に吉岡による手術を行う予定です。
お父さんはマンゴー収穫の手伝いをしています。
ピシモニーくんは車のおもちゃが好きです。
嫌いな食べ物はないようです。



ダラシブイーちゃん

年齢:7か月
家族構成:父、母
病名:神経芽腫疑い
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、
脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が
高いとされています。

鼻水と熱があり、近くの病院でもらった薬で
症状は改善しました。
しかし、お腹が腫れていることに気が付き、
ヘルスセンターでエコーをしたところ
国内最大のチャリティー病院へ行くよう
勧められ、CT検査などを経て
当院へ紹介となりました。
入院後は抗がん剤治療を始めています。
まだ言葉は話せませんが、
にこにこご機嫌に過ごしています。
お母さんは産後間もないため自宅で休養し、
おばあちゃんがダラシブイーちゃんに
付き添っています。



リーヒエンくん

年齢:3歳
家族構成:父、母、妹(2歳)
病名:左眼窩横紋筋肉腫
横紋筋肉腫とは骨、筋肉や脂肪といった
軟部組織にできる悪性腫瘍です。

12月に入り発熱と目の腫れがあり、
薬局で薬を買いましたが治りませんでした。
国内最大のチャリティー病院で左眼の後ろに
腫瘍があると指摘され、
生検術、開頭手術をしました。
生検の結果、横紋筋肉腫と診断され
抗がん剤治療を行うため、
当院に紹介となりました。
入院後は抗がん剤治療を開始しています。

リーヒエンくんは、タイとの国境に接する
バンテアイメンチェイ州から
車で7時間かけて来ました。
明るい性格で、同じ大部屋の同年齢の患児と
一緒によくゲームをして遊んでいます。



赤ちゃん

年齢:生後すぐ
病名:新生児仮死、低出生体重

生まれた後、呼吸が弱く
ジャパンハートこども医療センターに来ました。
当院では呼吸をお手伝いし、
その後は元気になりました。



赤ちゃん

年齢:生後すぐ
病名:呼吸不全

生まれた後、呼吸が
できていない状態であったため、
ジャパンハートこども医療センターにて
蘇生を行いしました。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に8名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
全員、無事に回復し退院することができました。
名前 年齢 性別 疾患名
1 スレイナットちゃん 4 F 熱性けいれん
2 バンダくん 1 M 右鼠径ヘルニア
3 サンサナちゃん 1ヶ月 F 新生児肝炎
4 スレイボスくん 1 M 扁桃腺炎、腸炎
5 トラくん 3ヶ月 M 腹部奇形腫疑い
6 キムチックちゃん 10 F 腸結核
7 ピセーちゃん 4 F 熱傷、創部感染
8 ラユくん 14 M 線維形成性小円形細胞腫瘍

来院から1週間は別室にて隔離を行いながら治療にあたっています。
以上8名は入院期間が1週間に満たないため、
インタビューが実施ができていない事を何卒ご了承くださいませ。

今月の救われた命

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