日本の医師2名が、小児がん5名を含む10名に集中的な医療活動を実施しました。
ジャパンハートから活動報告が届きました
日本の医師2名が、小児がん5名を含む10名に集中的な医療活動を実施しました。
今月の活動トピック
今月の活動実績 まとめ
救われた命 累計150名
(5月単月 21名)
- 今月はコロナ禍になってから中止していた
吉岡秀人以外の小児外科医による集中的な
手術活動を約2年ぶりに再開しました。 - 小児がん患者11名を含む21名の小児患者さんを
救う事ができました。 - 5月時点における救われた命の年度累計は
過去最多になりました。 - 直近半年における
小児がんの新規入院患者数は、
6名~9名の間で推移していましたが、
今月は先月の7名より4名増加した
11名となりました。 - 2021年8月以降最多となりました。
がん新規入院患者数 累計70名
(5月単月 11名)
外来診療数 232名
- 今月は先月の183名と比較すると
49名増加した232名の
外来診察患者を受け入れました。
これは、2021年6月以降で
最多となる患者数になります。 - 外来診察数が例年の5月に比べても
最多となった今月は、
小児がん患者11名を含む22名の入院も
受け入れました。 - 約2年間流行していなかったデング熱の
患者さんを今月は3名受け入れました。
入院患者数 21名
- 今月は先月の16名と比較すると5名増加した
21名の新規入院患者を受け入れました。
手術件数 21件
- コロナ禍になってから
中止していた吉岡秀人以外の
小児外科医による集中的な手術活動を
約2年ぶりに再開しました。
その期間(5月4日~5月10日)には、
小児がん5件を含む<
10件の小児患者の手術を
実施する事ができました。
- 上記の理由から先月の10件から大幅に増加した
21件の小児患者さんの手術を
行う事ができました。
リセアンくん
年齢:1歳 家族構成:父、母、姉、兄
病名:左ウィルムス腫瘍
腎臓にできるがんです。
たいていの場合、小児の腹部にしこりができ、
腹痛、発熱、食欲不振、吐き気、嘔吐もみられます。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。
ごはんを食べたあとにお腹がはっているのに
お母さんが気づきました。
薬局で薬を買って服用してみたものの、
変化がなく国内最大のチャリティー病院を受診し、
医師から当院の紹介となりました。
5月に日本から中原医師が渡航した際に、
腎臓の摘出手術を行いました。
現在は術後の抗がん剤治療を行い
来月には退院する予定です。
お肉や魚が大好きです。
病院の給食も大好きでいつも嬉しそうに
食べているそうです。
ライラちゃん
年齢:1歳家族構成:母、叔母
病名:仙尾部腫瘍(胚細胞腫瘍 疑い)
尾骨の先端より発生した腫瘍です。
新生児が発症する腫瘍の中で
もっとも頻度の高い腫瘍です。
治療では、尾骨も含めて腫瘍を切除します。
お尻が腫れ痛みがあったのでプノンペンの病院を
受診し手術を行いました。
一度退院して外来を受診した際に
国内最大のチャリティー病院を紹介され、
3日間入院しましたが改善せず、
当院へ紹介となりました。
お尻の腫瘍部分に膿瘍ができており
高熱がありました。
抗生剤と洗浄、抗がん剤治療を開始しました。
熱、膿瘍は少しずつ改善し腫瘍も
少しずつ小さくなっているようです。
入院当初は座ることができませんでしたが、
抗がん剤治療開始後、
お尻の腫瘍は小さくなり座る事が
できるようになりました。
腫瘍が十分に小さくなったところで
摘出手術を予定しています。
ウドムくん
年齢:7歳家族構成:父、母、姉(10歳)
病名:肝芽腫
肝臓にできるがんです。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。
シェムリアップから車で7時間かけてきました。
お腹の痛みを訴えたので地元の
クリニックを受診しましたが、
原因がわからなかったため
国内最大のチャリティー病院で検査後、
肝臓に腫瘍が見つかり当院へと紹介となりました。
現在は抗がん剤治療を行っており、
6月に吉岡が渡航した際に
摘出手術を行う予定です。
ラジコンが好きで、写真に写っているものは
3台目の車だそうです。
同じ病室の子どもたちと仲良しです。
ベスナちゃん
年齢:10歳家族構成:父、母
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、
脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が
高いとされています。
ピザが好きベスナちゃんは、
病院の近くに住んでいるそうです。
お腹の痛みを訴え、国内最大のチャリティー病院で
検査後、当院へと紹介となりました。
お母さんが当院で手術をした事があり、
以前から当院を知っていたそうです。
5月中旬に生検手術を行い、神経芽腫と判明したため
抗がん剤治療を行っています。
モリカちゃん
年齢:5ヵ月家族構成:父、母、姉(5歳)
病名:頭部神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、
脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が
高いとされています。
当院から車で2時間ほどの
コンポンチャム州からきました。
頭に塊ができていることにお母さんが気づき、
国内最大のチャリティ病院を受診し
生検を行ったところ神経芽腫と判明したので
当院に紹介となりました。
現在は抗がん剤治療を行っています。
当院のことはお父さんの知人から聞いて、
以前から知っていたそうです。
ソパニーちゃん
年齢:14歳家族構成:父、母、弟(11歳)
病名:デング熱
蚊に刺されることによって感染する疾患です。
デング熱は急激な発熱で発症し、
発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの
症状が見られます。
通常、発症後2~7日で解熱し、発疹は
解熱時期に出現します。
高熱、頭痛、腹痛の症状があり、
当院を受診しました。
当院の近くに住んでおり、知人からこの病院のことを
聞いて受診を決めたそうです。
小学校6年生で好きな教科は国語だそうです。
チェンドュウくん
年齢:3歳家族構成:父、母、姉(8歳)、叔母、 いとこ、祖父、祖母
病名:左鼠径ヘルニア
鼠径部に膨らみができ、不快感や違和感、
あるいは痛みを訴えて
病院に来られる方がほとんどです。
鼠径部ヘルニアは病気というより
構造的な問題であるため、
自然治癒は期待できません。
程度や症状によってはしばらく経過をみることも
ありますが、治療は手術が原則です。
生後8か月のころに足の付け根の塊に気づき、
当院を受診しました。
同じ村に住む親戚が以前、
胸のできものを切除するために
ジャパンハートこども医療センターを
受診しており、その親戚からの紹介で
当院を知ったそうです。
入院中は車のおもちゃで遊ぶことが多いそう。
(車にはアサソーという名前をつけていました。)
退院したら、早くこの車(アサソー)と
外で遊びたいと言っていました。
メイちゃん
年齢:9か月家族構成:父、母
病名:ウィルムス腫瘍
腎臓にできるがんです。
たいていの場合、小児の腹部にしこりができ、
腹痛、発熱、食欲不振、吐き気、
嘔吐もみられます。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。
知り合いの紹介で当院に来院しました。
お母さんがお腹を触ったときに硬さを感じて
クリニックを受診。
2か月間入院したものの状態が
変わらなかったため当院での受診を決めました。
入院後に腎腫瘍を摘出し、
病理検査の結果を待っています。
両親はプノンペンで雑貨屋を営んでいるそうです。
インタビュー時はお気に入りのぬいぐるみを
抱いて寝ていました。
タビーちゃん
年齢:4歳家族構成:父、母、姉、兄、弟
病名:ウィルムス腫瘍(疑い)
腎臓にできるがんです。
たいていの場合、小児の腹部にしこりができ、
腹痛、発熱、食欲不振、吐き気、嘔吐もみられます。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。
お腹が張っていたことに気づき、
国内最大のチャリティ病院を受診しました。
月1回の通院をしていましたが悪性とわかり
当院へ紹介となりました。
現在は抗がん剤治療を行っており、
順調に治療がすすめば摘出手術を行います。
同じ病室の子どもたちと一緒におもちゃで
遊んで過ごしているそうです。
インタビュー時はお気に入りのシールを
見せてくれました。
その他の命を救われた患者さん
今月当院での治療により、命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に12名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
全員、無事に回復し退院することができました。
名前 | 年齢 | 性別 | 疾患名 | |
---|---|---|---|---|
1 | カメラットくん | 1 | M | 熱傷 |
2 | ソナーンくん | 11 | M | デング熱 |
3 | メンハくん | 2 | M | 腎盂尿管移行部狭窄症 |
4 | バンリーくん | 13 | M | 縦隔リンパ腫 |
5 | タニャちゃん | 2カ月 | F | 肝血管腫 |
6 | パナくん | 6 | M | 包茎 |
7 | ラナちゃん | 1 | F | 両側腎臓腫瘍 |
8 | ソファルくん | 3 | M | 肝芽腫 |
9 | ボスバちゃん | 10 | F | 肝細胞がん |
10 | リーヘンくん | 2 | M | 喘息 |
11 | チャンリーくん | 7 | M | デング熱 |
12 | 赤ちゃん | 生後すぐ | F | 羊水過少 |
来院から1週間は別室にて隔離を行いながら治療にあたっています。
以上12名は入院期間が1週間に満たないため、
インタビューが実施ができていない事を何卒ご了承くださいませ。