退院した小児がん患者のお子さんは、引き続き外来でフォローアップをしています。
ジャパンハートから活動報告が届きました
退院した小児がん患者のお子さんは、
引き続き外来で
フォローアップをしています。
今月の活動トピック
今月の活動実績 まとめ
救われた命 累計21名
(8月単月 21名)
- 今月の救われた命は21名と
例年の同月の中で過去最多となりました。 - 今月は、21名の救われた命のうち
4名が生後間もない赤ちゃんでした。
がん新規入院患者数 累計9名
(8月単月 9名)
- 直近半年における小児がんの
新規入院患者数は、おおよそ6名~9名の間で
推移している中、
先月は2名と減少傾向が見られましたが、
今月は9名の新規小児がん患者さんを受け入れました。
外来診療数 273名
- コロナ禍であった前年と比較すると、
倍近くの外来診療を行う事ができました。 - 先月と比較しても23名増加しており、
新型コロナウイルスの感染が
拡大する前の年の同月と比較しても、
最多となりました。
入院患者数 21名
- 今月は、先月の入院患者数17名よりも4
名増加した21名の患者さんが入院しました。
特に、小児がんの新規入院患者数は、
先月の2名から9名と7名増加しました。
手術件数 17件
- 先月より3件増加した17件もの手術を実施、
小児がんだけでも10件の手術を行いました。 - 8月18日から8月23日まで
行われていた𠮷岡秀人による
集中的な手術活動では
小児がん7件の手術を実施しました
(うち1件は、PICCを入れる手術のため、右下の表では「その他」に分類しています)。
スティサくん
年齢:2歳家族:父、母、姉(10歳)、姉(7歳)
病名:右ウィルムス腫瘍疑い
腎臓にできるがんです。
たいていの場合、小児の腹部にしこりができ、
腹痛、発熱、食欲不振、吐き気、
嘔吐もみられます。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。
お腹が張り始めたので近所の
クリニックでエコーをしてみたところ
より大きな病院へ受診することをすすめられ、
国内最大のチャリティ病院を受診しました。
その後当院へ紹介となりました。
O型Rhマイナスという珍しい血液型であり、
家族と協力してFacebookで献血を呼びかけ、
手術のために必要な
血液を集めることができました。
車のおもちゃが好きで病院のベッドの
周りにもたくさんのおもちゃが置いてありました。
シナちゃん
年齢:13歳家族構成:母、父、兄(18歳)、弟(2歳)
病名:右腎臓がん
腎臓とは、そらまめのような形をした
成人の握りこぶしよりもやや大きい臓器です。
腎実質の細胞ががん化して悪性腫瘍に
なったものが腎臓がんです。
標準的な治療は手術ですが、転移が
見られる場合には薬物療法や放射線治療を
行うこともあります。
1年以上血尿が続き、お腹にしこりを
触れるようになってきたため当院を受診しました。
貧血が強く何度か輸血を必要としましたが、
手術で腎臓がんをすべて摘出することができ、
貧血も改善しています。
以前おばあちゃんが当院で
診療を受けたことがあり、
よい病院であると教えてくれたため
今回当院に来院することに決めました。
本人に病院の雰囲気はどうかと尋ねたところ、
「大きな病院でびっくりしました」と
笑いながら答えてくれました。
アマラくん
年齢:3カ月家族構成:父、母
病名:肝芽腫
肝臓にできるがんです。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。
熱があり、沐浴の際にお腹にしこりが
あるのに気が付き、近くのクリニックを受診しました。
もらった薬を服用し、
一時的に熱が下がったものの、
再び発熱したため国内で最大の
チャリティー病院を受診しました。
MRIで肝臓の腫瘍を指摘され、
当院に紹介となりました。
付き添いのおばあちゃんに話を聞くと、
この病院は優しくていい病院です、
と笑顔で答えてくれました。
メンジューくん
年齢:11歳家族構成:母、姉(15歳)
病名:バーキットリンパ腫
Bリンパ球と呼ばれる血液の細胞を
起源として生じる悪性疾患を指します。
バーキットリンパ腫は、
小児期のお子さんや若い成人に見ることが多く、
特に男性に見られる傾向がある病気です。
カンダール州のベトナム付近の地域から
車で4時間かけてやってきました。
お腹の痛みを訴えたので
クリニックでエコーをしたところ
腫瘍が見つかり国内最大の
チャリティ病院を受診しました。
そこで腫瘍をとる手術をした結果、
リンパ腫と診断され、当院へ紹介となりました。
読書が好きで、
学校の教科書を読むのが楽しいそうです。
ニタちゃん
年齢:3歳家族構成:父、母、兄(5歳)
病名:仙尾部奇形腫
仙骨の先端より発生した腫瘍です。
新生児が発症する腫瘍の中で
もっとも頻度の高い腫瘍です。
治療では、抗がん剤治療の後に
尾骨も含めて腫瘍を切除します。
お尻にできものがあるのに気づき、
国内最大のチャリティ病院を受診しました。
そこで生検を行い、
昨年4月に当院で手術を行い、
ストーマと呼ばれる人工肛門を
増設して退院しました。
今回は、そのストーマを閉鎖のための
手術目的で入院し、手術は無事に終わりました。
好きな給食は肉料理と
酸っぱいスープだそうです。
リホンくん
年齢:1歳家族構成:父、母
病名:肝芽腫
肝臓にできるがんです。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。
お腹が腫れてきたため国内最大の
チャリティ病院を受診しました。
はじめは薬の処方だけでしたが改善が
見られなかったため入院となり、
肝臓だけではなく、肺にも腫瘍が
あると指摘され、その後当院に紹介となりました。
また、当院を受診したことがある
村の知人がおり、当院について教えてもらったそうです。
この病院のスタッフは丁寧に
対応してくれて嬉しい、
とお母さんは話していました。
ラヌくん
年齢:1歳家族構成:父、母
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。
2カ月前に足の痛みを訴え、
クリニックで検査をしたところ悪性の疑いがあったので、
国内最大のチャリティ病院を受診しました。
そこで1か月入院し、当院に紹介となりました。
抗がん剤治療開始後は、
足の腫れは良くなり、座れるようになっています。
普段はYoutubeでこども向けの
動画を見て過ごしています。
インタビュー時もインタビューに来た
スタッフに目もくれずに動画を見入ってました。
また、一番好きな食べ物は揚げバナナだそうです。
赤ちゃん
年齢:生後すぐ病名:新生児仮死
隣接するボンネルー病院で
子宮口が10センチになってから産まれるまで
時間がかかるという事で
分娩のお手伝いに行きました。
赤ちゃんは産まれましたが、
産まれた時に力がなく、空気を
送り込むサポートで泣き始めました。
赤ちゃん
年齢:生後すぐ病名:低出生体重児、呼吸不全
双子の赤ちゃんを妊娠していて、
陣痛が始まって隣接するボンネルー病院に来院しました。
帝王切開をしようと思いましたが、
準備中に分娩が進み経膣で分娩しました。
一人目の赤ちゃんは産まれたあと呼吸が弱く、
肺を広げるサポートをして元気になりました。
その他の命を救われた患者さん
今月当院での治療により、命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に12名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
全員、無事に回復し退院することができました。
名前 | 年齢 | 性別 | 疾患名 | |
---|---|---|---|---|
1 | ラチャナちゃん | 8カ月 | 女 | デング熱 |
2 | ケムラくん | 13歳 | 男 | 両鼠径部リンパ節腫脹 |
3 | エナちゃん | 4歳 | 女 | 左鼠経ヘルニア |
4 | パニャくん | 14歳 | 男 | 陰嚢水腫 |
5 | メンホンくん | 10歳 | 男 | 陰嚢水腫 |
6 | メアンくん | 1歳 | 男 | 右鼠経ヘルニア |
7 | サムナンくん | 5歳 | 男 | 尿道下裂 |
8 | スレイニちゃん | 2カ月 | 女 | ウィルス感染 |
9 | レッカナちゃん | 1歳 | 女 | 神経芽腫 |
10 | ソクヒエンちゃん | 14歳 | 女 | 下顎の横紋筋肉腫 |
11 | 赤ちゃん | 0日 | 男 | 早産児/低出生体重児/低血糖 |
12 | 赤ちゃん | 3日 | 男 | 新生児メレナ/肺炎 |