一般財団法人 阿部 亮 財団

小児がん病棟のプレイルームで栄養管理部主催の食育教室を開催しました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

栄養管理部主催の食育教室を開催しました。

今月の活動トピック

腫瘍摘出の手術のため日本に渡航中の
チャンテくんの手術が9月7日に行われました。
9時間に及ぶ手術の結果、
無事に腫瘍は摘出されました。
9月29日に帰国しました。
今年の4月から仙尾部腫瘍の治療のため
当院に入院していたライラちゃんが、
9月8日に治療を終えて無事に退院しました。
今後は外来でフォローアップ検査していきます。
新型コロナウイルスの影響で
長期間渡航ができていなかった
国際医療短期ボランティアの
受け入れを再開。
9月15日から17日に耳鼻科の留守先生が
当院を訪れ、渡航を停止していた期間に
診る事ができなかった多くの患者さんの
診察や手術を行いました。
​ 9月24日から26日に行われる
カンボジアの伝統的な仏教行事、
プチュン・バンに合わせて
多くの小児がん患者さんが
家族と過ごすために一時退院をしました。
その後病院に戻って治療を再開します。
写真は一時退院で病院を出発する
リリーちゃんとお母さん。
今年の7月からパーキットリンパ腫の治療のため
当院に入院していたメンジューくんが、
9月22日に治療を終えて無事に退院しました。
今後は外来でフォローアップをしていきます。
小児がん病棟のプレイルームで
栄養管理部主催の食育教室を開催しました。
食品群のピラミッドを見ながら
粘土で食材を作り、
小さい子どもたちも楽しみながら栄養について
学べるように工夫をしました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計48名 
(9月単月 27名)

  • 今月の救われた命は27名と、
    4年4カ月の中で過去最多となりました。
  • 新型コロナウイルスの感染拡大を受け
    受け入れを一時停止していた
    短期ボランティアの受け入れを約2年ぶりに再開しました。
    9月15日~9月17日に耳鼻咽喉科の留守医師を迎え入れ3日間集中的に耳鼻科疾患の治療を実施。
    救われた命としては、
    重度の副鼻腔炎(スライド12枚目)、
    扁桃腺肥大の2名の患者を
    救う事ができました。

がん新規入院患者数 累計16名 
(9月単月 7名)

  • 直近半年における小児がんの新規入院患者数は、おおよそ6名~9名の間で推移しているため、
    横ばいの新規入院患者数となりました。

外来診療数 310名

  • コロナ禍であった前年と比較すると、
    倍以上の外来診療を行う事ができました。
  • 今月は先月よりも37名増加した310名の
    外来診療を行いました。
    これは、2020年6月の297名を超え、
    過去最多の外来診療数です。
  • 毎年波のある外来診療数ですが、
    2022年6月以降は増加傾向にあります。
 

入院患者数 27名

  • 先月より6名多い27名の入院患者を
    受け入れました。

手術件数  20件

  • 先月より3件増加した20件の手術を実施、
    小児がんでは6件の手術を行いました。
    2022年6月以降は増加傾向にあります。
  • 短期ボランティアの受け入れ再開により実施した9月15日~9月17日の耳鼻咽喉疾患の治療において、
    手術活動は9月16日に実施。
    小児患者でも2件の手術を行いました。
    (右下の表では「その他」に分類しています)。
  • 9月29日から実施している𠮷岡秀人による
    集中的な手術活動では、
    小児がんの手術を5件(摘出手術2件、CVカテーテル挿入1件)行いました。
    ※CVカテーテル挿入は右下の表「その他」に分類しています。

モンコルくん

年齢:生後4日
家族構成:父、母、叔母
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、
脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が
高いとされています。

妊娠8カ月のエコーの時点で腹部に
腫瘍があることがわかりました。
生まれてからすぐに国内最大の
チャリティー病院に入院しました。
MRIの結果、神経芽腫が疑われたため、
当院に転院となりました。
皮膚にも腫瘍があり、生検したところ
病理検査で神経芽腫という結果でした。
現在、治療を開始して腫瘍は
小さくなりつつあり、
元気になっています。



スレイピッチちゃん

年齢:3歳
家族構成:父、母
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、
脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が
高いとされています。

腹部の腫れが1カ月ほど経っても収まらず、
高熱も続いたため、
8月の上旬に国内最大のチャリティー病院に
入院しました。
CTの結果、腹部に腫瘍があることがわかり、
当院に紹介となりました。
骨髄検査の結果、
神経芽腫の細胞が転移していたため
抗がん剤治療を始めています。
病院ではスマホを見て過ごしていることが
多いそうです。
当院で提供している給食について尋ねると
「とてもおいしい、
スレイピッチちゃんもたくさん食べている」と
教えてくれました。



リザちゃん

年齢:1歳2カ月
家族構成:父、母、祖母
病名:左腎芽腫
腎臓にできるがんです。
たいていの場合、小児の腹部にしこりができ、
腹痛、発熱、食欲不振、吐き気、
嘔吐もみられます。
治療では、手術、抗がん剤治療、
ときには放射線療法が行われます。

腹部の張りがあり、
家族は便秘を疑いましたが3週間ほど
経っても張りが収まらなかったため、
国内最大のチャリティー病院に入院しました。
画像検索の結果お腹の腫瘍を認め、
当院に紹介となりました。
MRIの結果、腎芽腫が強く疑われるため、
抗がん剤の治療を開始しています。
今後抗がん剤治療による効果を見て、
腫瘍が順調に小さくなったため、
9月29日に𠮷岡秀人により
摘出手術を行いました。
とても明るく人懐っこいリザちゃん。
付き添いの叔母さんに
入院生活について尋ねると、
病院での入院生活は
特に困っていることはありません、
と答えてくれました。



ヨリザちゃん

年齢:15歳
家族構成:父、母、4人兄弟
(ヨリザちゃんは末っ子)
病名:デング熱
蚊に刺されることによって感染する疾患です。
デング熱は急激な発熱で発症し、
発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの
症状が見られます。
通常、発症後2~7日で解熱し、
発疹は解熱時期に出現します。

高熱が出たため、他の病院で一晩過ごしましたが、
熱が下がらなかったため当院に紹介となりました。
普段はお母さんと同じ工場で勤務しています。
全身管理と点滴で徐々に改善して退院しています。
病院について、お母さんに尋ねると
「サービスがとてもよく、先生たちは
とても丁寧に面倒を見てくれる」
と話してくれました。



タブリーちゃん

年齢:生後2カ月
家族構成:父、母、祖父、祖母
病名:左腎臓がんの疑い
腎臓とは、そらまめのような形をした成人の
握りこぶしよりもやや大きい臓器です。
腎実質の細胞ががん化して
悪性腫瘍になったものが腎臓がんです。
標準的な治療は手術ですが、
転移が見られる場合には薬物療法や
放射線治療を行うこともあります。

2週間ほど前に腹部の腫れに気が付き、
国内最大のチャリティー病院を受診しました。
CTの結果、腎臓の付近に腫瘍を認めたため、
当院に紹介となりました。
吉岡秀人が渡航した際の
10月4日に生検を行いました。
お母さんに病院での
生活について尋ねたところ
「特に困っていることはありません」
と答えてくれました。



ピロムくん

年齢:15歳
家族構成:父、母、5人兄弟(
ピロムくんは上から4番目)
病名:大腸がん
大腸がんとは大腸の一番内側にある
粘膜に発生するがんです。
良性のポリープが大きくなる過程で
がん化して発生するものと、
粘膜の正常な細胞が直接がん細胞に変化して
発生するものがあります。
がんが進行し大きくなると血便、腹痛などの
症状が現れます。
がんの発生する場所によっても
症状が異なります。

1年ほど前から恥骨部や尿路の痛み、血尿が
見られるようになりました。
1カ月ほど前に病院を受診し、
生検やMRIの検査をしたのち、当院に転院となりました。
膀胱腫瘍の診断で生検を行いましたが
実際は膀胱がんではなく
大腸がん(虫垂がん)が膀胱に
広がっていたものでした。
吉岡秀人が渡航した際の9月30日に手術を行い、
腫瘍を全摘出しました。
ピロムくんは現在高校一年生。
好きな授業は英語だそうです。



ソーピールンくん

年齢:14歳
病名:重度の副鼻腔炎
副鼻腔炎(蓄膿症)は、
風邪かぜのウイルスや細菌、
アレルギーなどにより、
副鼻腔の粘膜に炎症が起こることで発症します。
治療としては、ネブライザー療法といった
局所療法や薬物療法、手術を行います。

4~5年前に両鼻の付け根が腫れ、
他の病院を3年前に受診、
経過観察していました。
鼻水は黄色く、時々頭痛があったそうです。
今回当院で耳鼻科医が
手術を行う事となったため、
当院に紹介されました。
9月16日に手術を実施し、退院後は
塩3~4gを入れた500mlで
傷口を2~3回/日洗浄し、
しばらくはピクルスなどの刺激のある食べ物を
避けるよう指導されました。
抗生剤を処方され、何か気になる事があれば
受診する事となっています。



赤ちゃん

年齢:生後すぐ
病名:早産、低出生体重児

34週の早産で生まれた双子の赤ちゃんで、
この子は兄です
(弟は次のスライドにて紹介)。
兄は、1800gで生まれましたが、
小さく未熟なため注意深い観察が
必要となりました。



赤ちゃん

年齢:生後すぐ
病名:早産、呼吸障害、重症新生児仮死

34週の早産で生まれた双子の赤ちゃんで、
この子は弟です(兄は前のスライドにて紹介)。
弟は、分娩の時に心音がゆっくりになり、
生まれた直後はすぐに
啼泣できず蘇生を行いました。
蘇生後も呼吸が著しく弱く、
今後状態が悪化する可能性が高かったため
大きな病院に搬送となりました。
写真は、搬送されている最中の
緊急用クベースの中にいる際のものです。



赤ちゃん

年齢:生後すぐ
病名:低血糖(母親が糖尿病だった事により)

お母さんが、妊娠中に糖尿病が発覚しました。
当院で治療していましたが、
お母さんの糖尿病の影響で分娩後赤ちゃんが
低血糖になってしまいました。
点滴をして血糖値を安定させる
治療を行いました。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に17名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
全員、無事に回復し退院することができました。
名前 年齢 性別 疾患名
1 スレイケオちゃん 7歳 腹部腫瘍(神経芽腫疑い)
2 チェーンくん 9歳 真性包茎(重度)
3 セイロンくん 生後18日 右太ももの膿瘍
4 ラユくん 11歳 陰嚢水腫
5 ナビンくん 6歳 デング熱
6 チェスダくん 8カ月 肝芽腫疑い
7 ラタナくん 3歳 鼠径部膿瘍
8 ニアットくん 13歳 尿路感染症
9 ソバンラックくん 1歳 熱性けいれん
10 ソピアトラーくん 2歳 尿道下裂
11 シムロンくん 15歳 腹部腫瘍
12 トータービーリアックくん 11歳 陰嚢水腫
13 ボンロンくん 2歳 尿道下裂
14 ロタナくん 6歳 左鼠径ヘルニア
15 チボーンくん 9歳 陰嚢水腫
16 タスニンくん 4歳 尿道下裂
17 チャンティピーちゃん 11歳 扁桃腺肥大
  来院から1週間は別室にて隔離を行いながら治療にあたっています。 以上17名は入院期間が1週間に満たないため、 インタビューが実施ができていない事を何卒ご了承くださいませ。

今月の救われた命

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