財団が建設支援したプレイクラー小学校で健康診断を実施しました。
ジャパンハートから活動報告が届きました
財団が建設支援したプレイクラー小学校で
健康診断を実施しました。
今月の活動トピック
10月24日にプレイクラー小学校で
健康診断を行いました
ジャパンハートの奨学金生
(医学部の学生)も参加し、
問診とバイタル測定を手伝ってくれました。
発熱のため参加できなかった子も
数名いましたが、合計で201人の
子たちを測定することができました。
大きな問題のある子はおらず、
無事健康診断を終えました。
ジャパンハートのレット先生が
診察を行っている様子です。
奨学金生も一緒に診察を手伝ってくれ、
スムーズに診察を終えることができました。
子供たちは先生の診察に興味津々で
窓からのぞいてくる子たちもたくさんいました。
身長・体重の測定の様子です。
あまり身長体重を気にしない
子たちが多かったので、
長期ボランティアの看護師のアイデアで
子供たちの手に身長と体重を書きました。
平均的な身長体重がどのくらいなのか
表で確認し、自分や友達の数値と
比べてみたりしてもらうなど、
少しでも興味を持ってもらえるように
取り組みました。
健康診断の合間に栄養教室を行いました。
カンボジアは日本と比べても
栄養の教育がされていないこともあり、
日本と比べても食品分類が
正しくできない人が多い状況です。
栄養のクイズを行うとお米は炭水化物だけど
パンは炭水化物ではないと
思っている子がいたりしました。
多少の間違いはありましたが、
積極的に手を挙げて発言してくれたりと
みんな大盛り上がりでした。
今月の活動実績 まとめ
救われた命 累計74名
(10月単月 26名)
- 今月の救われた命は26名と、
単月では前月と同水準と多い月でした。
累計人数も過去と比較して最多と、
今年度は高い水準で推移しております。 - 9月29日~10月4日にかけて
吉岡ミッションを行いました。
摘出やカテーテル挿入なども併せて、
この期間中に5人の小児患者の手術を行いました。 - 停止していた医師の
短期ボランティアも開始し、
10月には耳鼻科や形成外科の先生が
活動に参加してくださいました。 - 10月よりジャパンハートで
長く勤務している小児外科医の
シーパン先生が日本に渡航。
約半年間、日本の病院で
小児外科医の勉強をしております。
がん新規入院患者数 累計29名
(10月単月 13名)
- 直近半年における小児がんの
新規入院患者数は、
おおよそ6名~9名の間で
推移しておりましたが、
今月はフェーズ2ができてから
最多となる13名の新規入院となりました。
外来診療数 335名
- 今月は先月よりも25名増加した
335名の外来診療を行いました。
先月の外来患者数に引き続き、
過去最多の外来診療数となりました。 - コロナ禍であった前年と比較すると、
倍以上の外来診療を行う事ができました。
小児入院患者数 32名
- 先月と同水準の入院患者を受け入れました。
コロナ禍以降では高水準で推移しております。
小児手術件数 19件
- 先月と同水準の19件の手術を実施、
小児がんでは5件の手術を行いました。 - 小児科医のシーパン先生が
日本渡航により不在のため、
他のカンボジアスタッフが小児の手術に
これまで以上に多く参加するようになりました。
この半年の期間中にほかのスタッフの
成長も期待されています。
ソパロくん
年齢:14歳家族構成:父、母、姉(19歳)、姉(17歳)
病名:右頸部リンパ腫
リンパ腫とは血液がんの1つで、
白血球の中のリンパ球ががん化したものです。
リンパ系の組織や臓器は全身にあるため、
リンパ腫は全身の部位で
発生する可能性があります。
母親が右首の小さな腫れに気づき、
数日後に赤みやシミができ
腫れは大きくなったため、
国内最大のチャリティー病院で
生体検査を4回行いました。
結果は陰性でしたが、母親は他の私立病院で
再び生体検査を行いました。
その結果、リンパ腫と診断されたため、
当院に紹介となりました。
入院後は抗がん剤治療を行い、
右首の腫瘍は小さくなっています。
入院前は学校に通っていて7年生でした。
好きな食べ物はカニで、
海の食べ物が好きだそうです。
ラクスメイくん
年齢:10歳家族構成:父、母、弟(4歳)
病名:上咽頭癌
上咽頭は、鼻からの呼吸で
空気の通り道のことです。
上咽頭がんは、初期のうちは自覚症状が
みられないことがあります。
上咽頭がんの発見時に最も多くみられる症状は、
頸部リンパ節に転移したことによる
首のしこりです。
上咽頭がんでは、手術が難しい部位のため、
手術をすることはほとんどなく、
抗がん剤治療や放射線治療を行います。
2022年の2月頃より左の首が腫れてきました。
国内最大のチャリティー病院で
CTとMRI検査をしたところ、
癌が疑われたため当院に紹介予定でしたが、
家族は一度プライベートクリニックに連れていき
腫瘍を切除しました。
その後再び腫れるようになり、
9月に他の病院で生体検査を行いました。
結果は上咽頭癌だったため、
当院へ紹介となりました。
入院後は抗がん剤治療を開始しています。
今後は放射線治療も行う予定です。
付添いのおばあさんに病院の印象を聞くと、
スタッフがよく見てくれて優しいので
いい病院だと話してくれました。
現在小学校4年生で、
好きな教科はクメール語です。
ソムラーイくん
年齢:14歳家族構成:父、母、姉(17歳)、弟(8歳)
病名:縦隔リンパ腫
リンパ腫とは血液がんの1つで、
白血球の中のリンパ球ががん化したものです。
リンパ系の組織や臓器は全身にあるため、
リンパ腫は全身の部位で発生する可能性があります。
1カ月ほど前から右首の腫れや手の硬直、
痛みが見られたため近くの
プライベートクリニックを受診しました。
しかし、症状が良くならなかったため、
国内最大のチャリティー病院を受診し、
MRI検査を行いました。
その結果、前縦隔腫瘤と肺および
胸腔内壁を覆う膜状組織(胸膜)の間に
液体が異常に貯留する胸水の状態であることが
分かったため、当院に紹介となりました。
入院後は生体検査を行い、
抗がん剤治療を開始したところ、
右首の腫れは消失しています。
付き添いのお母さんに当院で提供している
給食について尋ねたところ、
給食は美味しく、ソムラーイくんも
たくさん食べている、と教えてくれました。
特に焼き魚が好きだそうです。
パセップくん
年齢:3カ月家族構成:父、母、姉(13歳)、
姉(11歳)、姉(8歳)
病名:肺炎
肺炎は、ウイルス、細菌、真菌などの
感染源を吸い込み肺が
侵されることにより発症する、
命に関わる病気です。
世界の小児における主な死亡原因の一つです。
受診日の2日前から発熱、咳、痰があり、
プライベートクリニックに行き
処方された薬を飲みました。
しかし良くならないため当院を受診しました。
入院後は解熱剤や抗生剤を投与し、
1週間程度で改善して退院となりました。
明るい性格で、とても人懐っこい子です。
お母さんは、ここではよく気にかけてくれて
何かあれば助けてくれるので、
温かい気持ちになると言ってくれました。
メンホンくん
年齢:9歳家族構成:父、母。姉(15歳)、姉(12歳)
病名:バーキットリンパ腫
バーキットリンパ腫とは、Bリンパ球と呼ばれる
血液の細胞を起源として生じる
悪性疾患を指します。
バーキットリンパ腫は、
小児期のお子さんや若い成人に見ることが多く、
特に男性に見られる傾向がある病気です。
お腹の痛みと熱が3カ月続いたため、
プノンペンにある国内最大の
チャリティー病院に行きました。
手術を行い、追加の治療を行うために
この病院に紹介されました。
抗がん剤の開始後はおなかの腫瘍は
小さくなってきています。
明るい性格で、スマホを見るのが一番好きです。
牛乳とお菓子が大好きで、
病院のご飯もおいしいと言って食べてくれているそうです。
お母さんは、先生方がよく気にかけて
うれしいと言ってくれました。
ビサルくん
年齢:4歳家族構成:父、母、妹(1歳)
病名:包茎
陰茎先端の亀頭部が包皮で被われて
亀頭が露出していない状態をいいます。
包皮は将来大切な部分で
乳幼児の皮膚はよく伸びて
成長とともに自然に治ることが多いので、
手術的治療は極力控えます。
しかし、保存療法が無効で排尿障害や
尿路感染などの状態の場合は、
手術を選択します。
受診日前日まで排尿できていたのですが、
受診日に突然排尿できなくなりました。
お腹の痛みもあり、近くのヘルスセンターを
受診したところ当院を紹介されました。
入院後は手術を行いました。
術後は痛み止めを使用し、傷の治りも順調です。
好きな食べ物はオレンジで、
おもちゃで遊ぶのが大好きな
活発な性格の男の子です。
スパイダーマンの服をきて、
お気に入りの恐竜のおもちゃを
見せてくれました。
ボルメイくん
年齢:6歳家族構成:父、母、姉(12歳)
病名:左膝窩嚢胞
からだのなかに生じた病的な
袋状のものを嚢胞といいます。
一般にそのなかには液状の
内容物が入っており、
大部分において害は無く
放置しても問題はありませんが、
面積が大きなものや
周囲の臓器との癒着を伴うもの等は
手術で摘出しなければいけない場合もあります。
左足の膝の裏に腫れ、痛みを伴ったため
ジャパンハートこども医療センターを受診しました。
お父さんも以前、当院で脇の下のできものを
切除してもらったため
病院のことは知っていたようです。
入院後は手術を行い、術後の経過は順調です。
インタビューの途中で歩けることを
見せてくれました。
付き添いのお父さんに
この病院を迷わず受診した理由を聞くと、
患者さんを優しくケアしてくれて
温かい気持ちになる良い病院だから、
と教えてくれました。
こころちゃん
年齢:生後すぐ出産時の状況:回旋異常
点滴によって、陣痛を強くする
誘発剤を投与するも、
赤ちゃんが子宮内で身体の向きが
変えられない回旋異常となり、
お産がなかなか思うように進めませんでした。
帝王切開の準備も進めましたが、
お母さんや現地のカンボジア助産師の頑張りもあり、
無事出産することができました。
「こころちゃん」と日本の名前を命名すると、
ほかの入院中の妊婦さんにも
こころちゃんと呼んでもらえたりと、
お母さんもすごく喜んでくれました。
赤ちゃん
年齢:生後すぐ出産時の状況:子宮内感染、呼吸不全、緊急帝王切開
誘発分娩予定でしたが入院中に破水。
破水後2時間でお母さんが発熱をしてしまいました。
赤ちゃんの元気もなくなっており、
通常の分娩ではお母さんも赤ちゃんも負担が大きいと考え、
緊急の帝王切開を行い、出産。
産後は呼吸不全が見られたため、
呼吸を補助する装置を使ってケアを行いましたが、
翌日には赤ちゃんの元気な姿を
見ることができました。
お母さんの笑顔がすごく印象に残った
お産でした。
赤ちゃん
年齢:生後すぐ出産時の状況:回旋異常
回旋異常により、お産が進まず
赤ちゃんの心音が徐々に低下。
帝王切開をする必要がありましたが、
その日はオペ予定日ではなく、
準備に時間がかかってしまう状況でした。
オペの準備を待っていると、
母子への負担だけが大きくなってしまうため、
オペの準備と並行して分娩も継続しました。
オペの調整はほかの部署のスタッフも
手伝ってくれ、
助産師は分娩に集中することができました。
部署を超えてスタッフが一致団結したことと、
お母さんがあきらめず
お産を頑張ってくれたおかげで無事出産。
赤ちゃんも元気な姿で、無事退院しました。
その他の命を救われた患者さん
今月当院での治療により、命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
16名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 | 年齢 | 性別 | 疾患名 | |
---|---|---|---|---|
1 | トラくん | 3歳 | 男 | 臍肉芽 |
2 | チャンネウンくん | 10歳 | 男 | 頭部膿瘍 |
3 | ダビンくん | 6歳 | 男 | 右頬の横紋筋肉腫 |
4 | メンリーちゃん | 14歳 | 女 | 神経繊維腫瘍 |
5 | ビチャラちゃん | 1歳 | 女 | 気管支炎 |
6 | リバンくん | 11歳 | 男 | 白血病 |
7 | リムホンちゃん | 9ヶ月 | 女 | 左鼠径蜂窩織炎 |
8 | ソセアくん | 7歳 | 男 | 膀胱結石 |
9 | ブンリアップくん | 5歳 | 男 | ホジキンリンパ腫 |
10 | チャンニダちゃん | 4歳 | 女 | 神経芽腫疑い |
11 | スレイレアックちゃん | 2歳 | 女 | 肺炎 |
12 | ソペアットラくん | 3歳 | 男 | 左鼠径ヘルニア |
13 | ビレボスくん | 7歳 | 男 | 左陰嚢血管腫 |
14 | キムホンくん | 4歳 | 男 | 左鼠径ヘルニア |
15 | ディナくん | 8歳 | 男 | ケロイド |
16 | ヘンハくん | 3歳 | 男 | 右頸部結節 |