一般財団法人 阿部 亮 財団

左眼窩横紋筋肉腫​の治療のため入院をしていたリーヘンくんが退院しました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

左眼窩横紋筋肉腫​の治療のため入院をしていた
リーヘンくんが退院しました。

今月の活動トピック

今年の2月から
左眼窩横紋筋肉腫​の治療のため
入院をしていたリーヘンくんが退院しました。
退院時は妹に久しぶりに会えて大喜び。
嬉しそうに頭や頬を撫でていました。
12月3日に行われた
今年最後のオールスタッフミーティングで、
勤続年数が3年以上のスタッフ、
約30名の表彰を行いました。
院長の神白から一人一人に
賞状が手渡されました。
日本から視察に来たジャパンハートスタッフが、
当院のスタッフ向けに
「二次心肺蘇生のシュミレーション講習」を
行いました。
心停止した患者さんへの必要な対応について
レクチャーしました。
​ 12月24日に最高顧問吉岡がカンボジア入りし、
翌25日から29日までの5日間にわたり
集中的な手術活動を実施しました。
手術期間中は摘出手術を含む
7件の小児の手術を行いました。
12月24日に小児がん病棟で
クリスマスパーティーを開催しました。
クリスマスモチーフの折り紙パーツを用意し、
子どもたちに三角帽子に
思い思いに貼ってもらいました。
栄養管理部からはフルーツアートの
サプライズもあり、子どもたちは大喜びでした。
12月27日に来年度奨学金候補生向けの
説明会を開催しました。
現在の奨学生からは入学試験の手続きや、
試験合格後の大学の勉強についての
説明がありました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計183名 
(12月単月 20名)

  • 今月の救われた命は20名。累計人数は高い水準で推移しております。
  • 12月25日から12月29日まで吉岡ミッションを実施し、その期間中に小児の手術を7件行いました。

がん新規入院患者数 累計72名 
(12月単月 6名)

  • 直近半年における小児がんの新規入院患者数は、おおよそ10名前後で推移しております。
    今月は他の月と比較すると外来患者数が少ないながらも、8名のがん新規入院となりました。

外来診療数 280名

  • 今月は先月よりも微増の280名の外来診療を行いました。
    11月と比べて祝日も少ない月でしたが、病院へ来る患者はそれほど大きくは増えませんでした。
  • 引き続き収穫時期で忙しいことや、雨季にできなかった結婚式も頻繁に行われているようで、
    そういった事情が影響しているのではないかと推測されます。
  • コロナ禍であった前年と比較すると、引き続き高い水準で推移しております。
 

小児入院患者数 20名

  • 前月と入院患者は4名増加の20名となりました。
  • 従来と比べ、入院期間の長い患者が多くなり、コロナ前の水準よりも患者数は落ち着いております。
  • より高度な医療提供が必要な患者も増えており、引き続き注視して取り組む必要があります。

小児手術件数  19件

  • 先月より増加の19件の手術を行いました。
  • 12月25日から12月29日まで吉岡ミッションを実施。
    その期間中に7件の手術を実施いたしました。

ピクデイくん

年齢:15歳
家族構成:父、母、祖母、兄(18歳)妹(7歳)
病名:胚細胞腫瘍
赤ちゃんの時期(胎生期)に色々な内臓に分化する能力を持った原始胚細胞という細胞が、
悪性腫瘍になったものと考えられています。
好発年齢は10歳代から30歳代です。

息苦しさと胸の痛みを感じ、吐き気もあったため最初は国内最大のチャリティー病院に行きました。
そこで、CTスキャンをし腫瘍と胸に水が溜まっているのが見つかり、手術を行いました。
病理検査の結果、胚細胞腫瘍と判明したため、当院へ術後の抗がん剤治療をするために紹介されました。
現在は抗がん剤治療を行っています。

抗がん剤治療中は気分が悪くご飯があまり食べられませんでしたが、
徐々に食べられるようになり、病院での食事に加え、
時々市場で好きなものを買ってきてもらって食べているようです。
青いマンゴーなどの酸っぱい果物が好きと教えてくれました。
入院する前は村でよくバレーボールをして遊んでいたそうです。



サッキニーくん

年齢:3歳
家族構成:父、母、姉(18歳)、兄(15歳)、姉(14歳)、弟(1歳)
病名:右胸部横紋筋肉腫
横紋筋肉腫とは骨、筋肉や脂肪といった軟部組織にできる悪性腫瘍です。

お腹と胸の痛み、発熱などの症状があったため、
国内最大のチャリティー病院に行き、当院へ紹介されました。
生検の結果、横紋筋肉腫であったため抗がん剤治療を開始したところ、呼吸が楽になってきています。

当院に来てから以前よりご飯が食べられるようになり、
大好きなパンをお母さんに食べさせてもらっていました。
お母さんは、病院のスタッフがよく見てくれるからうれしいと言ってくれました。



ヴィエスナーくん

年齢:6歳
家族構成:父、母、祖母、兄(10歳)
病名:尿道下裂
尿道下裂とは、生まれつき尿道口が正常な状態と比較して陰茎の下面に開いている状態のことです。
どの程度尿道口がずれているかは人によって異なり、亀頭、陰茎、陰嚢を含めてどの部分にでも生じえます。

排尿の際、尿が陰茎の先からではなく奥から出ていたため、病気に気づきました。
病院を探していると知り合いが当院を教えてくれました。
手術を行い、現在は傷のケアを行っています。

普段は元気に歩き回っているそうですが、話しかけると恥ずかしがっている様子でした。
お母さんに病院での生活について聞くと、
看護師や医者がとても優しく、不便もないと言ってくれました。



リーヒンくん

年齢:4歳
家族構成:父、母、叔父2人、妹(1歳)
病名:尿道下裂
尿道下裂とは、生まれつき尿道口が正常な状態と比較して陰茎の下面に開いている状態のことです。
どの程度尿道口がずれているかは人によって異なり、
亀頭、陰茎、陰嚢を含めてどの部分にでも生じえます。

排尿の際、尿が陰茎の先からではなく奥から出ていたこと、形が曲がっていたことで病気に気づきました。
当院が巡回診療で訪れている地域に住んでいるため、当院を知っていました。
手術を行い、現在は傷のケアを行っています。

好きな食べ物はニンジンと答えてくれましたが、お母さんに本当?と疑われていました。
普段は車の大好きな車のおもちゃで遊んでいるようです。
お母さんは当院について、スタッフが親切で温かい気持ちになると言ってくれました。



ブンジョンくん

年齢:12歳
家族構成:父、母、姉(16歳)
病名:上咽頭がん
上咽頭は、鼻からの呼吸で空気の通り道のことです。
上咽頭がんは、初期のうちは自覚症状がみられないことがあります。
上咽頭がんの発見時に最も多くみられる症状は、頸部リンパ節に転移したことによる首のしこりです。
上咽頭がんでは、手術が難しい部位のため、手術をすることはほとんどなく、
抗がん剤治療や放射線治療を行います。

首が腫れて痛みがあったため、国内最大のチャリティー病院を受診しました。
画像検査でリンパ腫が疑われたため別の病院で抗がん剤治療を受けていましたが、
改善しないため当院に紹介となりました。
生検の結果、上咽頭がんと判明し、抗がん剤治療を開始しています。

ラーメンと肉団子が好きで病院のご飯も食べれているようです。
凧揚げをするのが好きと教えてくれました。
ここにきてからは症状が少し良くなったようです。



リーニタちゃん

年齢:7歳
家族構成:父、母、祖母、兄(13歳)、姉(10歳)
病名:ウィルムス腫瘍
小児三大固形悪性腫瘍(他に神経芽腫と肝芽腫があります)のひとつです。
小児の腎臓に発生する代表的な悪性腫瘍で、小児の腎腫瘍の90%は腎芽腫(ウィルムス腫瘍)です。
幼児に多く、様々な奇形や多くの症候群に出現することがあります。
発熱や腹痛の症状が1カ月ほど続いたため国内最大のチャリティー病院を受診しました。
生検の結果、腎臓に悪性の腫瘍が見つかり当院へ紹介されました。
抗がん剤治療を行い、腫瘍が小さくなったところで手術をする予定です。

好きな食べ物はすっぱいもの(青いマンゴー等)と教えてくれました。
病院での生活について聞くと、困ることはほとんどなく、良くしてくれていると言ってくれました。



チャリヤちゃん

年齢:12歳
家族構成:父、母、姉(18歳)
病名:肝腫瘍
肝臓の細胞ががん化して悪性腫瘍になったものです。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、炎症やがんがあっても初期には自覚症状がほとんどありません。

みぞおちのあたりに痛みがあり、近くの病院を受診したところ肝臓の腫瘍が見つかりました。
その後、国内最大のチャリティー病院でも診てもらい、当院に紹介されました。
生検を実施し、病理検査の結果を待って治療を始める予定です。

とてもニコニコと質問に受け答えしてくれ、
丸いゴムをつなげて縄跳びのようにして遊ぶのが好きと教えてくれました。
お母さんもスタッフがよく見てくれてありがとうと言ってくれました。



赤ちゃん

性別:男の子
病名:新生児無呼吸発作

連携するポンネルー病院で分娩した後、
赤ちゃんの呼吸が良くないとポンネルー病院の助産師から連絡があり、
ジャパンハートこども医療センターに搬送されました。

赤ちゃんは一時的に呼吸停止したため、マスクバックを行い呼吸の安定化をはかりました。
その後呼吸は安定しましたが、
時折無呼吸発作を起こすことがあるためしばらく慎重な経過観察を行いました。



赤ちゃん

性別:男の子
病名:胎児機能不全

妊婦健診にて胎児心拍モニターで赤ちゃんの元気を確認している最中に、
赤ちゃんの心音がゆっくりになる状態があったため、慎重な経過観察が必要でした。

その後の胎児心拍モニターでの検査でも心音がゆっくりになった状態が9分間継続することもあったため、
赤ちゃんの状態が良くない(胎児機能不全)と判断されたため、帝王切開を緊急で行いました。

羊水に濁りが見られたため、胎児のストレス状態があったことが推測されました。
分娩後は羊水が肺に入らないように吸引し、慎重な経過観察を行いました。
現在は赤ちゃんは元気になっております。



赤ちゃん

性別:男の子
病名:早産、低出生体重児

34週の早産であったため地域にあるヘルスセンターからポンネルー病院に運ばれてきて分娩になりました。

生まれてすぐの状態は良かったのですが、早産児であるため注意深い観察が必要です。
そのためポンネルー病院から移動し、ジャパンハートに入院しました。
少し呼吸が早く、酸素の取り込みがやや不安定なところがあったため
酸素投与をしながら経過を観察しました。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
10名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 ラタナくん 15歳 デング熱
2 サクヒナちゃん 9歳 右腎細胞がん
3 ピチロタナくん 8歳 尿道下裂
4 ロスくん 4歳 包茎
5 マカラくん 5歳 右鼠径ヘルニア
6 ソパンナくん 13歳 左鼠径ヘルニア
7 バナックくん 7歳 停留精巣
8 ナロンくん 6歳 停留精巣
9 スヤナくん 5歳 停留精巣
10 赤ちゃん 生後すぐ 新生児仮死 胎便吸引症候群疑い
 

今月の救われた命

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