一般財団法人 阿部 亮 財団

当院で肝芽腫の治療をしていたアマラくんが退院しました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

当院で肝芽腫の治療をしていた
アマラくんが退院しました。

今月の活動トピック

1月2日に耳鼻咽喉科の留守先生が当院を訪れ、
4日までの3日間に渡り、
手術と外来での診療を実施しました。
カンボジアでは耳鼻咽喉科の疾患の診察や
治療ができる医師は少ないため、
先生がいらっしゃる期間に合わせ
多くの患者さんが診察に訪れました。
1月16日に小児外科医の中原先生と
金川先生が当院を訪れ、
20日までの5日間
集中的な手術活動を実施しました。
期間中は、3件の小児がんの手術を含め、
8件の手術を実施しました。
2017年に日本に渡航し、
中原先生の元で神経芽腫の化学療法と
摘出手術を行ったレッカナーちゃんが、
今回の中原先生の手術活動に合わせて、
当院にフォローアップに来てくれました。
今回のフォローアップでも
異常は見られませんでした。
​ 当院で肝芽腫の治療をしていた
アマラくんが退院しました。
退院日に迎えに来た両親は、
嬉しぶりに会うアマラくんを嬉しそうに
抱きしめていました。
今後は外来でフォローアップを行っていきます。
長期調理師ボランティアの小山が、
豚肝やカボチャといった
栄養価の高い食材を入れて作ったクッキーを
小児がんの患者さんに配りました。
子どもたちは「美味しい!」と
喜んで食べていました。
インターンを中心に小児がん病棟で
「手洗いキャンペーン」を実施しました。
期間中は、給食の前に手を洗うように呼びかけ、
洗えた子には手作りの手洗いカードに
スタンプを押し、楽しみながら手洗いの習慣を
身に付けてもらえるよう工夫しました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計204名 
(1月単月 21名)

  • 今月の救われた命は21名。累計人数は高い水準で推移しております。
  • 1月16日から1月20日まで小児外科医の中原先生と金川先生が来院し、
    小児がんを含む手術を8件行いました。

がん新規入院患者数 累計83名 
(1月単月 11名)

  • 直近半年における小児がんの新規入院患者数は、おおよそ10名前後で推移しております。
    今月は他の月と比較すると11名と多くの患者さんを受け入れました。

外来診療数 304名

  • 今月は先月より増加した304名の外来診療を行いました。
  • 収穫時期のピークが終了したのか患者数が戻ってきたように見受けられます。
  • コロナ禍であった前年と比較すると、引き続き高い水準で推移しております。
 

小児入院患者数 21名

  • 前月と入院患者は1名増加の21名となりました。
  • 従来と比べ、入院期間の長い患者が多くなり、コロナ前の水準よりも患者数は落ち着いております。
  • より高度な医療提供が必要な患者も増えており、引き続き注視して取り組む必要があります。

小児手術件数  14件

  • 1月16日から1月20日まで小児外科医の中原先生と金川先生が来院し、
    小児がんを含む手術を8件行いました。

ポンルーくん

年齢:14歳
家族構成:父、母、姉(18歳)、兄(21歳)
病名:甲状腺乳頭がん
乳頭がんは、甲状腺がんの中で最も多く、約90%がこの種類のがんです。
リンパ節への転移(リンパ行性転移)が多くみられますが、
極めてゆっくり進行し、予後(治療後の経過)がよいとされており、
生命に関わることはまれです。
しかし、ごく一部の乳頭がんは再発を繰り返したり、
悪性度の高い未分化がんに変わったりすることがあります。

昨年の9月頃に首のむくみに気が付き、国際最大のチャリティー病院を受診しました。
初めは悪性とは診断されませんでしたが、10月に生検をした結果、
甲状腺乳頭がんである事がわかりました。
その後11月末に手術を受け、医師の勧めで当院を受診しました。
入院後、吉岡による手術ミッションで手術を行い、
残っている甲状腺と頸部リンパ節転移を全て摘出しました。
術後の容態は安定しています。
術後に呼吸困難であったため、気管切開を実施し、チューブを留置していましたが、
10日ほどで改善し、気管切開を閉じて自宅に元気に帰りました。
肺にも転移があるため、今後放射性ヨード内服療法を行う予定です。
入院する前は中学校に通っていたそうです。
好きな教科は国語だと教えてくれました。



シューメイくん

年齢:1歳2カ月
家族構成:祖父、祖母、父、母
病名:肝腫瘍
肝臓の細胞ががん化して悪性腫瘍になったものです。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、炎症やがんがあっても初期には自覚症状がほとんどありません。
昨年の12月中旬に国内最大のチャリティー病院から当院を紹介されました。
しかし、家庭の経済的な事情から受診が遅れました。
入院当初はお腹が大きく腫れ、食欲の低下に加え、鼻水や咳といった症状も見られました。
前の病院での生検結果は良性腫瘍でしたが、腫瘍マーカーが著明に増加し、
腫瘍の増大による呼吸状態の悪化がみられたため、肝芽腫を強く疑い抗がん剤治療を実施しました。
抗がん剤投与1週間後には、肝腫瘍の縮小傾向がみられ、呼吸状態も改善しています。
おもちゃのギターで遊ぶのが好きなようで、入院する際もお家から持ってきたそうです。




ソリカちゃん

年齢:10歳
家族構成:父、母、兄(18歳)
病名:腎芽腫の疑い
小児三大固形悪性腫瘍(他に神経芽腫と肝芽腫があります)のひとつです。
小児の腎臓に発生する代表的な悪性腫瘍で、小児の腎腫瘍の90%は腎芽腫(ウィルムス腫瘍)です。
幼児に多く、様々な奇形や多くの症候群に出現することがあります。

昨年の12月初旬から腹部の痛みや吐き気があり、近くの病院を受診しました。
検査の結果、腹部に腫瘍が見つかり、国際最大のチャリティー病院に転院しました。
その後のCT検査で腎臓の腫瘍である事がわかり、当院に紹介となりました。
今後は、抗がん剤治療で腫瘍を縮小させた後に、摘出手術を実施する予定です。
普段は人形で遊ぶのが好きだそうです。
給食について尋ねると、
「給食はとても美味しい。特にチキンが好き。」と教えてくれました。



ラヌッくん

年齢:6歳
家族構成:父、母、兄(10歳)、妹4歳
病名:腹部のバーキットリンパ腫
バーキットリンパ腫とは、Bリンパ球と呼ばれる血液の細胞を起源として生じる悪性疾患を指します。
バーキットリンパ腫は、小児期のお子さんや若い成人に見ることが多く、
特に男性に見られる傾向がある病気です。

昨年の11月頃から腸重積の診断で手術を受けた結果、
痛みや吐き気があり、国内最大のチャリティー病院を受診しました。
生検の結果、バーキットリンパ腫である事がわかり、当院に紹介となりました。
普段は凧で遊ぶのが好きだそうです。



リタちゃん

年齢:9歳
家族構成:父、母、姉4人(26歳、22歳、14歳、12歳)、兄2人(21歳、19歳)
病名:腎芽腫の疑い
小児三大固形悪性腫瘍(他に神経芽腫と肝芽腫があります)のひとつです。
小児の腎臓に発生する代表的な悪性腫瘍で、小児の腎腫瘍の90%は腎芽腫(ウィルムス腫瘍)です。
幼児に多く、様々な奇形や多くの症候群に出現することがあります。

12月から腹痛があり、またお腹にしこりもみられたため、国内最大のチャリティー病院を受診しました。
CT検査の結果、腎芽種の疑いがあることがわかり、抗がん剤治療のできる病院を紹介されました。
しかし、治療費が高額であったため困っていたところ、知人から当院への受診を勧められました。
今後は抗がん剤治療を行っています。
お母さんとお父さんは仕事のため一番上のお姉さんがリタちゃんに付き添ってくれています。
病院での生活についてお姉さんに尋ねると、
「家族と離れて寂しそうだけど、先生がよく気にかけてくれる。」と教えてくれました。



ソピアくん

年齢:10歳
家族構成:父、母、姉2人(20歳、16歳)
病名:腎芽腫の疑い
小児三大固形悪性腫瘍(他に神経芽腫と肝芽腫があります)のひとつです。
小児の腎臓に発生する代表的な悪性腫瘍で、小児の腎腫瘍の90%は腎芽腫(ウィルムス腫瘍)です。
幼児に多く、様々な奇形や多くの症候群に出現することがあります。

11月下旬に血尿が出たため、近くの病院を受診しました。
CT検査の結果、左の腎臓に腫瘍があることがわかりました。
その後、国内最大のチャリティー病院を受診し、医師の勧めで当院を受診しました。
病院の給食はよく食べれていて、特に卵が好きだと教えてくれました。
お母さんに話を聞いたところ
「先生方が丁寧に治療をしてくれるので温かい気持ちになる。」と話していました。



ソマバティちゃん

年齢:2歳
家族構成:祖父、父、母
病名:仙尾部胚細胞性腫瘍
仙骨の先端より発生した腫瘍です。
新生児が発症する腫瘍の中でもっとも頻度の高い腫瘍です。
治療では、抗がん剤治療の後に尾骨も含めて腫瘍を切除します。

3カ月程前から臀部にしこりがみられたため近くの病院に行きましたが、
原因がはっきりとはわからなかったため、国内最大のチャリティー病院を受診しました。
MRI検査の結果、仙尾部胚細胞性腫瘍である事がわかりました。
医師は手術を勧めましたが、お母さんは断り、他の病院に転院しました。
その後、転院先の病院で治療を断られ、当院を勧めらたため来院しました。
抗がん剤治療開始後は症状が軽快し、元気に遊ぶようになっています。
お母さんにソマバティちゃんの入院中の様子について尋ねたところ、
「活発で、他の子どもたちともよく遊んでいる。」と教えてくれました。



赤ちゃん

年齢:生後すぐ
性別:男の子
症状:低体温

ジャパンハートこども医療センターのある地区の別のヘルスセンターより搬送されてきました。
ジャパンハートに到着したときには体温が34度台で、低体温が原因で状態が悪くなったと考えられます。

インファントウォーマーでしっかり温めた後は元気になってしっかり授乳もできました。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
13名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 ナティン 12歳 左鼠経ヘルニア
2 カンジャナ 1歳 神経芽腫疑い
3 ハンチニー 4歳 右眼窩横紋筋肉腫
4 シュゥーイング 13歳 右大腿骨肉腫
5 ソクヒエン 4歳 神経節細胞腫
6 ソバナラック 2歳 膀胱外反症
7 トマ 7歳 扁桃肥大
8 デヴィッド 6歳 扁桃肥大
9 ボパ 9歳 扁桃肥大
10 メンホン 15歳 尿道下裂
11 リチュー 6歳 尿道下裂
12 ソバンビチャアイ 4歳 背部のしこり
13 サムナーン 5歳 尿道下裂
 

今月の救われた命

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