一般財団法人 阿部 亮 財団

腎臓のがんと闘う2歳の男の子、マカラくん。退院の日を迎えました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

腎臓のがんと闘う2歳の男の子、マカラくん。
退院の日を迎えました。

今月の活動トピック

腎臓のがんと闘う2歳の男の子、マカラくん。
去年6月に入院してから1年とちょっと。
ついに退院の日を迎えました。
1年ぶりに外に出たマカラは
キラキラした目であちこちを見つめていました。
本当に退院おめでとう!
今月より、子供達のワクワクを引き出す
院内キッズイベント「Friends」を開始しました。
毎週水曜日にプレイルームで行われます。
第一回は折り紙で跳ねるカエルを作成。
子供たちも親御さんも大盛り上がりでした。
ミャンマーより、臍帯ヘルニアの
手術を受けるために
アウンカンモーがカンボジアにやってきました。
手術は無事に終わり、現在はICUでの
経過観察期間も終了し、
病室にて経過観察を行っています。
​ 7月7日から7月10日に
小児外科医の中原先生が当院を訪れ、
10日までの4日間、
集中的な手術活動を実施しました。
期間中には小児がんに加え、
ミャンマーから来たアウンカンモーくんの
手術も行われました。
カンボジア国内でアートを通じて
社会貢献に取り組む
「Social Compass」という団体の
クリエイターをお招きし、
アート教室を開催しました。
自分が描いたキャラクターが
生き生きと動くという初めての経験に、
子供達も、親御さんも感動していました。
7月16日に最高顧問の
吉岡秀人がカンボジア入りし、
翌17日から2日間、
集中的な手術活動を実施しました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計81名 

  • 7月は日本から形成外科の医師2名が短期ボランティアで訪れ、数日間の滞在中に顔の傷や多指症など多くの手術を実施してくださいました。
  • 軍事クーデターによって医療に甚大な影響が出ているミャンマーからも小児患者を受け入れ、手術を実施しました。引き続き医療を必要とする人々に医療を届けることを目指して活動していきます。

がん新規入院患者数 累計35名 

  • 今月のがん新規入院患者数は12名でした。
  • カンボジア国内で小児がん治療を行う他の医療機関との連携も強化しており、
    他院からの患者の受け入れも増えています。

外来診療数 332名

  • 口コミ等でカンボジア国内でのジャパンハートの認知度が上がっており、 今月も外来診察数が300人を超えました。
  • 引き続きより多くの方に当院のことを知っていただけるように努めてまいります。
 

小児入院患者数 21名

  • 7月は吉岡ミッションと中原ミッションに加えて、形成外科ミッションの患者も多く受け入れました。
  • 小児がん患者の入院数は増加傾向となっております。できる限り多くの患者さんの命を救えるように今後も活動してまいります。

小児手術件数  20件

  • 今月は日本から形成外科の医師2人がボランティアで訪れたほか、吉岡ミッションと中原ミッションも行われました。
  • ミャンマーから臍帯ヘルニアの小児患者の受け入れも行いました。

スレイリープちゃん

年齢:11歳
家族構成:​​父、母、兄 (2人)、姉 (2人)
病名:口腔横紋筋肉腫
横紋筋肉腫は、身体の軟部組織、通常は筋肉に発生する癌性腫瘍です。
頭、首、膀胱、膣、腕、脚、体幹など、体のあらゆる部位に発生する可能性があります。
横紋筋肉腫の細胞は成長が早く、体の他の部分に広がる(転移する)ことがあります。

3歳の頃、口腔腫瘍を両親が発見しチャリティー病院にて腫瘍摘出手術を受けました。
手術後は経過観察を受けていましたが、腫瘍が再発し大きくなり始め、呼吸するのも難しくなりました。
二度目の手術で生検を受けたのちに横紋筋肉腫と判明。
当院へ紹介となりました。

現在化学療法を行っているので、継続的に行い経過を診ていきます。

笑顔がとっても可愛らしいスレイリープちゃん。
とても人懐っこく、病室を訪れると満面の笑みで駆け寄ってきてくれます。
小さい子たちのお姉さん的存在でもあり、年下の子達と中良さそうに遊んだり、お世話をしている姿を見かけます。



チョングくん

年齢:1歳
家族構成:父、母、姉 (2人)
病名:肝芽腫疑い
肝芽腫は、肝臓の組織に悪性(がん)細胞ができる病気です。
小児肝がんの中で最も多く、通常、3歳未満のお子さんが発症します。
治療では、手術、抗がん剤治療、ときには放射線療法が行われます。

2ヶ月間程、発熱や痛みといった症状はなかったもののお腹が肥大していることに気がつきました。
風邪を引いた際に国内最大のチャリティー病院を受診したところ、お腹に腫瘍があることがわかり、肝芽腫疑いと診断。
当院へ紹介となりました。

現在化学療法を行っているので、継続的に行い経過を診ていきます。

お散歩が大好きなチョングくん。
プレイルームを覗くと、ニコニコ笑顔でお散歩しているチョング君をよく見かけます。
同室の歳の近い子たちとも仲良くなって一緒の車のおもちゃやボールで楽しそうに遊んでいます。



タビリーちゃん

年齢:2歳
家族構成:父、母、兄、姉 (2人)
病名:神経節神経芽細胞腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。

3ヶ月間程、発熱や痛みといった症状はなかったもののお腹が肥大していることに気がつきました。
下痢や熱といった症状が現れ始め、プライベートクリニックを受診したところ腹部に腫瘍があることがわかり、
国内最大のチャリティー病院を受診。
腎臓の近くに腫瘍があることがわかり、神経芽腫疑いと診断。
当院へ紹介となりました。

現在化学療法を行っているので継続的に行い経過を診ていきます。

恥ずかしがり屋さんのタビリーちゃん。
入院した当初はずっとお母さんにしがみついており、お医者さんが来ると大号泣。
今でも泣いている時は多々ありますが、少しずつ周りのお友達とも仲良くなり始めた様子です。



ラタナクくん

年齢:1歳
家族構成:父、母
病名:腎芽腫疑い
小児三大固形悪性腫瘍(他に神経芽腫と肝芽腫があります)のひとつです。
小児の腎臓に発生する代表的な悪性腫瘍で、小児の腎腫瘍の90%は腎芽腫(ウィルムス腫瘍)です。
幼児に多く、様々な奇形や多くの症候群に出現することがあります。

1か月前から腹部に塊があったため、国内最大のチャリティー病院を受診。
MRIの結果、腎芽腫疑いと診断され、当院へ紹介となりました。

現在は術前化学療法を行っており、8月の吉岡ミッションで手術を受ける予定です。

恐竜のおもちゃで遊ぶのが大好きなラタナクくん。
治療の副作用の下痢でつらそうな様子の時もありますが、基本元気に過ごしているとお母さんがお話してくれました。



チャンイーちゃん

年齢:4歳
家族構成:父、母、妹
病名:神経芽腫
小児三大固形悪性腫瘍(他に神経芽腫と肝芽腫があります)のひとつです。
小児の腎臓に発生する代表的な悪性腫瘍で、小児の腎腫瘍の90%は腎芽腫(ウィルムス腫瘍)です。
幼児に多く、様々な奇形や多くの症候群に出現することがあります。

1か月前から腹部に塊ができ、腹痛の症状が見られたため国内最大のチャリティー病院を受診。
腎芽腫疑いと診断されたため、一週間入院しました。
その後、継続的な治療を行うため当院へ紹介となりました。

針生検の結果をもとに化学療法を始めています。

チャンイーちゃんはカンボジアの麺料理であるクイテウが大好物。
よく食べているそうです。
病院の生活にも慣れてきたとお母さんがお話してくれました。



キムソーアくん

年齢:6歳
家族構成:父、母、姉、兄 (2人)
病名:リンパ芽球性リンパ腫 リンパ腫とは血液がんの1つで、白血球の中のリンパ球ががん化したものです。
リンパ系の組織や臓器は全身にあるため、リンパ腫は全身の部位で発生する可能性があります。

1か月前から腹部膨張と右上腹部周辺の硬化に両親が気づき、プライベートクリニックを受診。
さらに国内最大のチャリティー病院を受診し、肝転移した右腎芽腫疑いと診断されました。
その後、当院へ紹介となりました。

生検を経て、化学療法を開始しています。

患部の痛みはあるものの、よく食べ、よく寝ることができているキムソーアくん。
車で遊ぶのが大好きだそうです。



チェンラくん

年齢:2歳
家族構成:父、母、姉
病名:神経芽腫
小児三大固形悪性腫瘍(他に神経芽腫と肝芽腫があります)のひとつです。
小児の腎臓に発生する代表的な悪性腫瘍で、小児の腎腫瘍の90%は腎芽腫(ウィルムス腫瘍)です。
幼児に多く、様々な奇形や多くの症候群に出現することがあります。

2週間前から右腹部膨張が見られたため、国内最大のチャリティー病院を受診したところ腎芽腫疑いと診断されました。
そこで継続的な治療を行うため、当院へ紹介となりました。

生検の結果、神経芽腫の診断が付きました。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
21名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 アウン・カン・モーくん 2歳 臍帯ヘルニア
2 サムバスくん 12歳 小腸がん
3 ラタナクくん 1歳 腎芽腫疑い
4 ソクナリーちゃん 8歳 多指症
5 ポニーくん 11歳 左耳瘻孔
6 カンチャナちゃん 13歳 左瘢痕拘縮
7 ミンソウくん 7歳 右指瘢痕拘縮
8 ソカちゃん 3歳 右眉類皮嚢胞
9 チャリアちゃん 2歳 右眉母斑
10 チャンイーちゃん 4歳 腎芽腫疑い
11 キムソーアくん 6歳 リンパ腫疑い
12 スレイリープちゃん 11歳 口腔横紋筋肉腫
13 チョングくん 1歳 肝芽腫疑い
14 ニタちゃん 3歳 左腹部神経芽腫疑い
15 タビリーちゃん 2歳 神経節神経芽細胞腫
16 ソニタちゃん 8歳 副腎腫瘍
17 チェンラくん 2歳 右腎芽腫疑い
18 スレイニッチちゃん 13歳 右卵巣子宮内膜癌
19 ソパールくん 8歳 腎芽腫疑い
20 ナリンくん 11歳 停留精巣
21 チャンサナちゃん 4歳 右鼠径ヘルニア

今月の救われた命

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です