一般財団法人 阿部 亮 財団

小児病棟でハロウィンイベントを行いました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

小児病棟でハロウィンイベントを行いました。

今月の活動トピック

腎芽腫と闘うソリカちゃん。
約10ヶ月の入院を経て
無事に退院の日を迎えました。
退院当日はたくさんのスタッフや
お友達に囲まれて
笑顔で病院を後にしました。
退院おめでとう!
美ら海水族館のご協力いただいている
遠隔授業も3回目を迎えることができ、
今回はイルカについて学びました。
イルカがジャンプをすると
子どもたちからは大歓声が。
大人も子どももみんなで楽しい時間を
過ごすことができました。
10月16日から20日まで
𠮷岡秀人がカンボジア入りし、
5日間にわたる手術ミッションが行われました。
最初の手術を受けたのは、
7歳の男の子ヴィトウくん。
手術は無事に終わり、
現在は術後の抗がん剤治療が始まりました。
​ 10月23,24日の2日間、ジャパンハートの
小児医療全般の指導をしてくださっている
国立国際医療研究センターの七野浩之医師が
当院を訪れました。
滞在中には医療者向けの講義も行われ、
多くのスタッフが参加し、
とても有意義な時間となりました。
10月28,29日の2日間にわたり
地域診療活動が行われ、
今回はKaoh Thkovという当院から
車と船を乗り継ぎ約1時間ほど離れた
地域に出向きました。
2日間で88名の患者さんを診察しました。
10月30日の夕方、
小児病棟でハロウィンイベントを行いました。
子どもたちは装飾の風船で遊んだり、
仮装グッズを身にまとったりと大興奮でした。
スタッフにとっても楽しい時間となりました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計132名 

  • 10月はカンボジアのお盆期間ということもあり小児がんの手術ミッションは𠮷岡ミッションのみでしたが、
    その期間を使い集中的に手術を実施しました。
  • 小児がん治療を始めて丸5年が経過し、カンボジア人医師が小児がんの手術を執刀することも増えてきました。




がん新規入院患者数 累計65名 

  • 今月のがん新規入院患者数は9名でした。
  • 他の病院で手術を受けたものの経済的な理由で抗がん剤治療を受けられず、
    当院に転院してきたという患者さんもいました。




外来診療数 314名

  • 口コミ等でカンボジア国内でのジャパンハートの認知度が上がっており、
    お盆期間と重なったにも関わらず、今月も外来診察数が300人を超えました。
  • 引き続きより多くの方に当院のことを知っていただけるよう努めてまいります。




 

小児入院患者数 18名

  • 10月は𠮷岡手術ミッションを中心に小児患者を受け入れました。
  • この先も日本からも引き続き多くの医療者がボランティアで参加してくださる予定で、
    引き続き幅広い症例に対応していきたいと考えています。




小児手術件数  22件

  • 10月は吉岡ミッションを中心に、小児がんをはじめとする手術を実施しました。
  • 日本からボランティア医師の藤岡医師(形成外科)が麻酔科医などとチームで来てくださり、
    複数の手術を実施しました。




カニサちゃん

年齢:13歳
家族構成:父、母、妹(2人)、弟
病名:腹部胚細胞腫瘍
お腹が痛くなったので、地元のクリニックに行き、検査したところ、塊があると診断されました。
そのため、プノンペンの病院を受診したところ、生検の結果、腫瘍であることが判明しました。
11月に再受診するよう言われましたが、痛みと呼吸の苦しさが強くなり、
以前当院を受診していた知り合いから当院を紹介されました。

肺から水を抜き、少し楽になりました。
痛みもよくなってきています。
今後は、化学療法を行っていく予定です。

好きな食べ物は麺類です。あまり人と話すタイプではなく、おとなしいです。



モニカちゃん(9月)

年齢:3歳
家族構成:母
病名:神経芽腫
神経芽腫とは神経の細胞にできるがんで、
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。

嘔吐を何度も繰り返したため近くのプライベートクリニックへかかったところ、塊があると診断されました。
しかし、紹介されたプノンペンの病院では、問題なしと言われ治療はなされませんでした。
心配したお母さんがシェムリアップのチャリティー病院に連れていったところ、
MRI検査で腎腫瘍が疑われたため、当院を紹介されました。

当院で生検を行った結果、神経芽腫の診断となり化学療法を開始しました。
当初は高熱が続き元気がない様子でしたが、
最近は食欲も回復してきており症状は良くなっているようです。

好きな食べ物はスパゲティです。
院内食で出たミートスパゲティを食べ、大好物になりました。
人見知りで物静かなモニカちゃんですが、
遊びに行くといつもかわいい笑顔を向けてくれます。



ソンヘインくん(9月)

年齢:17歳
家族構成:父、母
病名:骨肉腫
骨肉腫とは、骨にできる悪性腫瘍の一種です。
骨肉腫が発生している場所の痛みや腫れが主に出ます。
痛みや腫れ以外の症状が現れる場合や無症状の場合もあります。
治療方法は抗がん剤治療と手術(外科治療)からなります。

ひざの痛みがあり、バッタンバンのクリニックを受診しました。
検査の結果患肢の切断を提案されましたが、
本人の手術に対する怖い気持ちもあり、薬を服用して経過を観察しました。
その後、別のクリニックも受診しましたが悪化する一方だったため、
プノンペンの病院を受診し生検を受けた結果、がんだと判明しました。
しかし経済的に厳しかったため、手術を受けることができませんでした。
そのためより一層痛みが強くなり、腫れも大きくなったため
最終的にプノンペンの病院で手術を受けることになりました。
手術後の抗がん剤治療については、
経済的な理由からその病院で受けることができなかったため、当院に転院することになりました。

当院では化学療法を行っています。入院して以降特に体調に問題はなく、患部の痛みもおさまったようです。

落ち着いた性格だとのこと。
バイクや車の修理が好きで、入院中もそのような動画を見て楽しんでいると彼自身が語ってくれました。



ソクンちゃん(9月)

年齢:12歳
家族構成:母、兄、姉
病名:卵巣原発胚細胞腫瘍(再発)
卵巣胚細胞腫瘍とは、卵巣の中にある胚細胞にがん細胞が認められる病気です。
ほとんどの場合、卵巣の片側のみが病気となり、
10代をはじめとした若い女性に多く見受けられます。

お腹の腫れに気づき、シェムリアップの病院を訪れました。
その結果、腫瘍が2つあると診断され、手術と抗がん剤治療を受けました。
その後退院しましたが、再び症状が現れたため別の病院を受診しました。
その結果、卵巣腫瘍の再発だと診断され当院を紹介されました。

腫瘍も入院時と比べると小さくなり、体調も良くなっています。
今後も化学療法を継続して行う予定です。

ミニカーで遊ぶのが好きで、好物はバナナです。
明るい性格だとお母さんが教えてくれました。
当初は少し恥ずかしがりな面も見られましたが、
手を振るといつも嬉しそうに手を振り返してくれます。
院内でも友だちが出来てきたようです。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
18名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 ローファンくん 2歳 男/td> 神経芽腫
2 ヘンリーくん 6歳 停留精巣
3 メンライくん 12歳 右鼠径ヘルニア
4 カニサちゃん 13歳 腹部腫瘍
5 スレイロアちゃん 11歳 リンパ腫疑い
6 ソクメンくん 10歳 右鼠径ヘルニア
7 ダイナくん 4歳 包茎
8 ナナちゃん 4か月 神経芽腫
9 シノエンくん 7歳 甲状舌管嚢胞
10 ノックくん 2歳 腎芽腫疑い
11 マリーくん 14歳 停留精巣
12 シーホンちゃん 10か月 神経芽腫(再入院)
13 ピークちゃん 10歳 悪性黒色腫疑い
14 チャンペンちゃん 10歳 顔面変形
15 リーヘンくん 9歳 腹部腫瘍
16 スレイピンちゃん 14歳 甲状腺がん(再入院)
17 Sopheaktra くん 4歳 陰嚢水腫
18 Chamrern くん 7歳 陰嚢水腫

今月の救われた命

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