一般財団法人 阿部 亮 財団

12月24日・25日に院内で入院患者さん向けにクリスマスコンサートを開催しました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

12月24日・25日に院内で入院患者さん向けにクリスマスコンサートを開催しました。

今月の活動トピック

12月10日~14日にかけ、
以前に長期ボランティアとして活動していた
小児外科の福井医師が再びカンボジア入りされ、
集中的な手術活動が行われました。
小児病棟からは、肝芽腫と闘う
3歳のリコーンくんが手術を受けました。
12月15日・16日の2日間にわたり、
中外製薬様によるワークショップが行われました。
ジャパンハートで働く様々な職種のスタッフが参加し、
理想のジャパンハートの姿について、
普段話すことのないスタッフとも
意見を交換し会うことのできる
貴重な時間となりました。
11月に引き続き、
カンボジアで活動するアートグループ
「Social Compass」様による
アート教室が開かれました。
今回のテーマは「魚」。
子どもたちに馴染みのあるテーマだったからか、
今まで以上にたくさんの作品が出来上がりました!
最後には、出来上がった魚の写真を
繋ぎ合わせて動画も完成させました。
自分が作った魚が泳いでいる様子に
子どもたちも興味津々でした。
​ 12月23日に沖縄美ら海水族館さんによる
オンライン授業が行われました。
テーマは「マンタとジンベエザメの給餌中継」。
バックヤードで、スタッフの方たちが
魚たちにエサをやっている様子なども
ご紹介いただきました。
魚たちがエサをもりもり食べている姿に、
子どもたちからは歓声が上がっていました。
12月24日・25日に院内で入院患者さん向けに
クリスマスコンサートを開催しました。
コンサートでは、スタッフが有志で
クリスマスの曲を演奏し、
最後には院長の神白や吉岡がサンタとして登場。
小児がんと闘う子どもたちにプレゼントも配られ、
みんなでクリスマス気分を味わうことができました。
12月26日・27日にかけて、
東京都立立川国際中等学校の生徒さん
20名が病院見学にお越しくださいました。
同じタイミングで手術活動中だった
最高顧問・吉岡との座談会や
カンボジア人若手医療者との交流会も開かれました。
最初は緊張気味の生徒たちでしたが、
徐々に質問もしてくれるようになるなど、
積極的な姿が印象的でした。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計193名 

  • 12月は最高顧問の𠮷岡が二度カンボジア入りし、それぞれ集中的な小児外科手術ミッションを行いました。
    期間中は小児がんのみならず、ヘルニアなど幅広い疾患を対象に手術を実施しました。
  • 口コミ等でカンボジア各地から患者さんが来院するようになり、
    カンボジア人の若手医師を中心に医療スタッフも着実に力をつけてきています。




がん新規入院患者数 累計75名 

  • 今月のがん新規入院患者数は8名でした。
  • カンボジア国内で最大の小児チャリティー病院も新たに小児の固形腫瘍治療を開始しており、
    引き続き国内の他医療機関との連携を強化していきます。




外来診療数 360名

  • 外来の診察件数は増え続けており、11月に続いて12月も過去最多を更新し、
    合計360人の診察を実施しました。
  • 引き続きより多くの方に当院のことを知っていただけるよう努めてまいります。




 

小児入院患者数 31名

  • 12月は最高顧問・𠮷岡による二度の小児外科手術活動を中心に多くの患者さんを受け入れました。
  • ヘルニアなど小児がん以外の疾患を含む幅広い症例に対応しました。




小児手術件数  31件

  • 12月は最高顧問・𠮷岡の2度の滞在期間を中心に多くの手術を実施しました。
  • 小児がんをはじめ、ヘルニアや泌尿器奇形など幅広い疾患の手術を実施しており、
    比較的リスクの低い手術に関してはカンボジア人の若手医師が執刀する場面も増えてきました。




ケシアくん

年齢:11歳
家族構成:父、母
病名:右大腿部ユーイング肉腫
Ewing肉腫(Ewing Sarcoma)は、主に小児から若年成人に多く発症する骨軟部肉腫です。
治療は、全身抗がん剤治療、手術療法、放射線治療を含めた集学的治療が行われます。

2021年に小児がんと診断され、別の病院で化学療法を受けましたが
足を残すことを強く望んでいたこともあり手術はしませんでした。
その後、再発し別の病院から紹介を受けてジャパンハートに入院することになりました。
現在も痛みはあるそうですが、抗がん剤治療を始めてからは和らいできたと話していました。

優しい性格だとお母さんが教えてくれましたが、小さな子たちにもちょっかいを出すやんちゃな男の子です。
入院して間もないですが、すでに多くの子たちと友達になり、病棟で遊んでいる姿を見ることが多いです。
趣味はサッカーとゲームをすること。
食べることも好きで、チキンと酸っぱいスープが好物です。



ニカちゃん

年齢:1歳
家族構成:父、母、姉
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。

右足の痛みがあったことから検査を受け、その結果骨にヒビが入っていることが分かりました。
治療を受けましたが、治らず更に詳しい検査を受けていく中で、お腹に塊があることが判明しました。
知り合いの人から紹介を受けたクンタポッパ病院は多くの患者さんを抱えているため、
シェムリアップにあるアンコール小児病院を受診しました。
ただ、そこで検査を受けても治療をすることができないとの理由から、ジャパンハートにやって来ました。

左あごにも腫瘍があり、生検を実施したところ、神経芽腫と判明したため、抗がん剤治療を始めています。
痛みも少しずつ落ち着いていて、泣くことも減ってきたようです。

好きな食べ物はゼリーです。バイクや自転車に乗ることが好きです。
あまり好きではないからか、おもちゃで遊ぶことはほとんどありません。
優しい、良い子だとお父さんが教えてくれました。



ワタナくん

年齢:12歳
家族構成:父、母、祖母、姉、兄
病名:肝芽腫疑い
肝芽腫は、肝臓の組織に悪性(がん)細胞ができる病気です。
小児肝がんの中で最も多く、通常、3歳未満のお子さんが発症します。
治療では、手術、抗がん剤治療、ときには放射線療法が行われます。

食後にお腹に痛みが出る症状が続いたことからクリニックを受診しました。
このクリニックでエコーを受け、塊があることが判明しました。
その後、新たな病院へ行きましたが、十分にケアを受けることができなかったため、
国内最大のチャリティー病院であるクンタポッパ病院を訪れました。
この病院の医師からジャパンハートの紹介を受けました。

現在は痛みはないようですが、塊の硬さはまだ残っています。
今後、抗がん剤治療を開始して腫瘍が小さくなれば手術で全摘する予定です。

好きな食べ物は麺や辛い食べ物です。
携帯を見ることが好きです。
性格は穏やかで勉強熱心だとお母さんが教えてくれました。
また、綺麗好きな性格でもあるようです。



ダニーちゃん

年齢:15歳
家族構成:父、母、兄(20歳・19歳)、妹(6歳)
病名:左眼窩横紋筋肉腫
横紋筋肉腫は、身体の軟部組織、通常は筋肉に発生する癌性腫瘍です。
頭、首、膀胱、膣、腕、脚、体幹など、体のあらゆる部位に発生する可能性があります。
横紋筋肉腫の細胞は成長が早く、体の他の部分に広がる(転移する)ことがあります。

目のまわりにできたにきびのようなものが、
次第に大きくなっていることに気づきプノンペンの耳鼻科を受診しました。
この病院で生検を受け、悪性の疑いがあることが分かりました。
そのためカルメット病院を紹介され、化学療法を5サイクル受けましたが、
病態がよくならなかったためジャパンハートの紹介を受けました。

当院でも化学療法を行い、腫瘍を小さくしてから手術と放射線治療を受ける予定です。
化学療法後にめまいが起きることがあるようですが、痛みなどはありません。

麺類が好物で、趣味はサッカーをすることです。
入院前は家でもよく練習していたようです。
活発で優しい性格だとお母さんが教えてくれました。



リラバディちゃん

年齢:5歳
家族構成:父、母、妹(2歳)
病名:右前腕横紋筋肉腫
横紋筋肉腫は、身体の軟部組織、通常は筋肉に発生する癌性腫瘍です。
頭、首、膀胱、膣、腕、脚、体幹など、体のあらゆる部位に発生する可能性があります。
横紋筋肉腫の細胞は成長が早く、体の他の部分に広がる(転移する)ことがあります。

右腕に小さな塊があったことから、カンボジアの国立小児病院を受診し手術も受けました。
ですが、術後右のかかとが痛くなり、
次第に腰あたりまで痛みが広がり下半身まひのような状態になりました。
国立小児病院では治療できないと言われたことから、
ベトナムに渡り診療を受け悪性と診断されました。
その後タイに渡り化学療法を2サイクル受けました。
カンボジアのサンライズ病院を紹介されたことから、
再びカンボジアに戻りサンライズからの紹介を受けてジャパンハートに入院することとなりました。

当院に入院後、化学療法を1サイクル終えましたが、
医師からは20%程度の生存率との話もあったため、このまま化学療法を続けるかは未定です。

好物はピザで、本格的なピザが特に好きだそうです。
おもちゃやぬいぐるみで遊ぶことや、Tiktokの動画を真似して踊ったりすることも好きです。
割と活発な性格ではありますが、治療で髪の毛が抜けてしまったことを気にしているようで、
恥ずかしがっているとお母さんが教えてくれました。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
43名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 チョウちゃん 15歳 甲状腺腫瘍
2 ソフィアくん 7歳 左陰嚢水腫
3 サファンくん 5歳 右停留精巣
4 ダリンちゃん 6歳 左鼠径ヘルニア
5 メンコンくん 14歳 左停留精巣
6 ライヘンくん 10歳 首瘻孔
7 キムラックくん 2歳 直腸腫瘤
8 ボンくん 1歳 リンパ腫
9 チンソエンくん 5歳 陰茎脂腺のう腫
10 タビーちゃん 6歳 甲状腺嚢胞
11 ケシアくん 11歳 右大腿部ユーイング肉腫
12 ソカちゃん 12歳 デング熱
13 ヴィセナくん 11歳 右停留精巣
14 ニカちゃん 1歳 神経芽腫
15 ヴィサルくん 4歳 右鼠径ヘルニア
16 フェアランくん 7歳 右鼠径ヘルニア
17 ミエンホーくん 7歳 右陰嚢水腫
18 ラタナクくん 5歳 右陰嚢水腫
19 カブくん 14歳 左鼠径ヘルニア
20 ピシ―ちゃん 15歳 甲状腺腫瘤
21 リラバディちゃん 5歳 右前腕横紋筋肉腫
22 パンハリトくん 5歳 腸炎
23 マリーちゃん 10歳 右腎臓腫瘍疑い
24 ワタナくん 12歳 肝芽腫疑い
25 ボティちゃん 1歳 肝膿瘍疑い
26 ダニーちゃん 15歳 左眼窩横紋筋肉腫
27 ダナイくん 6歳 陰嚢水腫
28 セイハくん 15歳 陰嚢水腫
29 ワタナくん 1歳 右鼠径ヘルニア
30 ソマバタイちゃん 10歳 顔面神経麻痺疑い
31 メンチェイくん 5歳 右鼠径ヘルニア
32 カンヤちゃん 10か月 右鼠径ヘルニア
33 ダロくん 2歳 右鼠径ヘルニア
34 ソバナリくん 2歳 右停留精巣
35 サンちゃん 11歳 右鼠径ヘルニア
36 リンヘンくん 4歳 右鼠径ヘルニア
37 ユソスくん 6歳 右陰嚢水腫
38 チャンボルメイちゃん 10歳 右鼠径ヘルニア
39 べセナくん 6歳 右陰嚢水腫
40 ナリンくん 7歳 左鼠径ヘルニア
41 スレイテイちゃん 13歳 大腿部骨肉腫
42 ソクリューくん 4歳 腸炎

今月の救われた命

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