一般財団法人 阿部 亮 財団

「スタディツアー」という形で日本から10名の看護師さんが院内や診療風景の見学を行いました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

「スタディツアー」という形で日本から10名の看護師さんが
院内や診療風景の見学を行いました。

今月の活動トピック

1月8日から12日までジャパンハート小児科顧問である
七野浩之医師が当院を訪れました。
滞在中に行われた医療者向けの講義には、
多くのスタッフが参加し、
とても有意義な時間となりました。
カンボジア国内でアートを通じて
社会貢献に取り組む団体
「SocialCompass」さんによる
アート教室も4回目の開催になりました。
今回は今までに描いた絵の集大成ということで
みんなで大きな一つの作品を作り上げました。
1月15日から18日まで
岡山医療センター名誉院長の青山興司医師が
カンボジア入りし、手術活動を行いました。
13歳の腹部胚細胞腫瘍と闘う女の子、
カニタちゃんが手術を受けました。
​ 1月22日から25日まで最高顧問である
吉岡秀人がカンボジア入りし、
手術活動を行いました。
期間中は合計30件の手術が行われ、
小児がんでは12歳の肝未分化肉腫と闘う
ワタナくんが手術を受けました。
沖縄にある「美ら海水族館」さんと共に
オンライン水族館を開催しました。
今回のテーマは「イルカ」。
イルカのジャンプに子どもたちは大喜びで、
今回の遠隔授業も大盛況となりました。
1月31日には、「スタディツアー」という形で
日本から10名の看護師さんが
「ジャパンハートこども医療センター」を訪れ、
院内や診療風景の見学を行いました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計227名 

  • 1月はジャパンハートの上級指導医を務めてくださっている
    岡山医療センターの青山興司医師の医療チームがカンボジア入りし、
    代用膀胱の造設手術など高度な医療が求められる手術を数多く実施していただきました。
  • また、1月下旬には最高顧問の𠮷岡秀人も訪れ、小児がん手術をはじめとする手術を実施しました。




がん新規入院患者数 累計83名 

  • 今月のがん新規入院患者数は8名でした。
  • カンボジア国内で最大の小児チャリティー病院も新たに小児の固形腫瘍治療を開始しており、
    引き続き国内の他医療機関との連携を強化していきます。




外来診療数 350名

  • 1月も引き続き月間300人余りの小児患者さんが当院を受診しました。
  • 引き続きより多くの方に当院のことを知っていただけるよう努めてまいります。




 

小児入院患者数 34名

  • 12月は上級指導医の青山興司医師の医療チームと、
    最高顧問・𠮷岡による小児外科手術活動がそれぞれ行われ、
    数多くの患者さんを受け入れました。




小児手術件数  40件

  • 1月はジャパンハートの上級指導医である青山興司 医師(国立病院機構岡山医療センター)の
    医療チームが「ジャパンハートこども医療センター」を訪れ、
    代用膀胱の造設手術など高度な技術が必要な手術を数多く実施しました。




スレイタイちゃん(12月)

年齢:14歳
家族構成:母、弟(11歳)
病名:大腿部骨肉腫
骨肉腫とは、骨にできる悪性腫瘍の一種です。
骨肉腫が発生している場所の痛みや腫れが主に出ます。
痛みや腫れ以外の症状が現れる場合や無症状の場合もあります。
治療方法は抗がん剤治療と手術(外科治療)からなります。

ひざが腫れていたことから、国内最大の小児チャリティー病院である「クンタポッパ病院」を受診しました。
生検やCTスキャンなどの検査を受け、悪性だと診断されました。
クンタポッパ病院からの紹介を受け、ジャパンハートを受診することになりました。

当院では、化学療法により腫瘍を小さくした後手術を行う予定で、
すでに化学療法も2サイクルが終了しています。
体調に問題はありませんが、足の痛みはまだ残っているようです。

素直な子どもだとお母さんが教えてくれました。
絵を描くことや、本を読むことが好きなようです。
好物はレモンジュースです。



ワタイちゃん(12月)

年齢:1歳v 家族構成:祖母、父、母、兄(5歳・4歳・3歳)
病名:肝膿瘍
肝に膿瘍が形成された(膿が溜まった)感染性の病態をいいます。
肝臓外から発生原因となる細菌や原虫などが肝内に進入、
増殖した結果と考えられ、その病原体により、細菌性(化膿性)、アメーバ性とに大別されます。

熱を出すことが続き、お腹に塊が出来ていることに気づいたため、プライベートクリニックでエコーを受け、
処方された薬を服用していました。その後、家の近くにあったジャパンハートを受診しました。

現在は、抗生剤による治療が行われています。入院後は、熱を出すことも少なくなり、
食欲もあるなど、元気になってきているようです。

おもちゃで遊ぶことが好きで、好物はお菓子だそうです。
お母さんの姿が見えなくなると泣いてしまうこともあるほど、お母さんのことが大好きです。



キムヘインちゃん

年齢:12歳
家族構成:父、母、妹(9歳)
病名:右卵巣胚細胞腫瘍 再発
精子や卵子になるはずだった原始生殖細胞が他の部位で腫瘍化する病気です。
腫瘍ができる場所によって症状が異なり、手術や放射線治療、
抗がん剤治療が有効で、組み合わせて行われます。

お腹が頻繁に痛くなることから、シェムリアップのクンタポッパ病院を受診しました。
そこで左の卵巣に腫瘍があることが分かり、生検の結果がんと診断されました。
その後、アンコール小児病院で6サイクルの抗がん剤治療を受けました。
その後、経過を観察していましたが、再発の可能性を指摘され、
アンコール小児病院からの紹介を受けジャパンハートに入院することとなりました。

当院では抗がん剤治療を行い経過を観察し、タイミングを見て手術を行う予定です。
現在、抗がん剤治療を開始していますが、特に体調に変わりなく過ごしているようです。

お菓子、特にビスケットが大好物です。
遊ぶことが大好きで、入院前はバレーボールで遊ぶことが多かったそうです。



ペアクトラくん

年齢:4歳
家族構成:父・母・姉(7歳)
病名:バーキットホジキンリンパ腫
リンパ組織を構成している細胞ががん化してリンパ節で増え、しこりをつくる血液のがんです。
首のリンパ節に発生することが多く、抗がん剤治療や放射線治療を行います。

お腹に痛みがあり、体の血色も悪かったことからクンタポッパ病院を受診しました。
手術をしたところ、生検でバーキットリンパ腫と診断され、骨髄検査のあと化学療法を開始しています。

点滴を打った後に吐き気があるため、なかなかご飯を食べられなかったり、
咳が続いたりということもあるようです。

サッカーやバレーボールで遊ぶことが大好きな男の子です。
また、食べることも大好きで、好き嫌いはあまりないとお母さんが教えてくれました。



スレイポウちゃん

年齢:11歳
家族構成:母、兄(8人)
病名:脊髄脂肪腫(仙尾部奇形腫の疑い)

生まれつき腫瘍がありましたが、自然に治るのを待っていたため、
これまで一度も病院を受診したことはありませんでした。
ただ何年経っても治る気配がないため、知り合いの紹介でジャパンハートを受診しました。

まだ治療方針については決定していません。骨盤全体にかけて痛みが続いています。

8人の兄を持つスレイポウちゃん。
家ではお母さんのお手伝いをよくしていたそうです。
サッカーが大好きで、入院前は毎日友達と練習に励んでいました。



ラーホウくん

年齢:11歳
家族構成:父、母、姉(20歳・18歳・17歳)、弟(8歳)
病名:右掌横紋筋肉腫疑い
横紋筋肉腫は、身体の軟部組織、通常は筋肉に発生する癌性腫瘍です。
頭、首、膀胱、膣、腕、脚、体幹など、体のあらゆる部位に発生する可能性があります。
横紋筋肉腫の細胞は成長が早く、体の他の部分に広がる(転移する)ことがあります。

痛みはなかったそうですが、腫瘍が大きくなってきたため、家の近くの診療所を受診しました。
その後プノンペンの病院で、悪性だと診断されましたが、
経済的な理由から抗がん剤治療を受けることが出来ませんでした。
次に受診したクンタポッパ病院では、手術をすることが出来ないと言われ、
ジャパンハートを紹介されました。

当院では抗がん剤治療を進め、腫瘍を小さくした後に手術もしくは放射線治療を行う予定です。

優しい性格だと付添いのお姉さんが教えてくれました。
サッカーやバレーボールで遊ぶことが大好きな活発な面もあるようです。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
34名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 サムディくん 15歳 右停留精巣
2 ヴェスナくん 3歳 左陰嚢水腫
3 アラインちゃん 12歳 粘液嚢胞
4 リーチェンくん 5歳 右鼠径ヘルニア
5 サムバくん 3歳 右鼠径ヘルニア
6 ソリカちゃん 6歳 膀胱横紋筋肉腫
7 ラヴェンくん 5歳 右陰嚢水腫
8 エミネスくん 6歳 膀胱外反
9 シナちゃん 14歳 左大腿骨肉腫疑い
10 ソバンナラくん 2歳 尿道下裂
11 ソバンナラックくん 2歳 尿道下裂
12 ナデンくん 14歳 尿道下裂
13 ケオリットくん 5歳 尿道下裂
14 スレイニンちゃん 4歳 左鼠径ヘルニア
15 ヴィラボットくん 4歳 右陰嚢水腫
16 ラユスくん 5歳 右陰嚢水腫
17 リポブくん 5歳 尿道下裂
18 キムヘインちゃん 12歳 右卵巣胚細胞腫瘍 再発
19 パンブットくん 2歳 肛門狭窄症
20 ラーホウくん 11歳 右掌横紋筋肉腫疑い
21 シーヴィンちゃん 4歳 右眼瞼腫瘤
22 ラタナちゃん 13歳 頭部腫瘤
23 ワタイちゃん 15歳 唇血管腫
24 リダちゃん 8歳 右頬嚢胞
25 スレイポウちゃん 11歳 脊髄脂肪腫
26 リーチくん 12歳 包茎
27 パンニャハンくん 12歳 右鼠径ヘルニア
28 ペアクトラくん 4歳 バーキットリンパ腫
29 ソパンちゃん 10歳 右鼠径ヘルニア
30 リダちゃん 13歳 右甲状腺腫瘍
31 ライヘンちゃん 2歳 左鼠径ヘルニア
32 ケビットくん 5歳 陰嚢水腫
33 ボットくん 10か月 右大腿腫瘍
34 メンチョンくん 2歳 神経芽腫疑い

今月の救われた命

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