一般財団法人 阿部 亮 財団

小児がん病棟で入院中の子どもたち向けにオランウータンのショーを上映しまし た。

ジャパンハートから活動報告が届きました

小児がん病棟で入院中の子どもたち向けに
オランウータンのショーを上映しました。

今月の活動トピック

6日、沖縄県の美ら海水族館さんと合同で
「オンライン水族館」を開きました。
今回のテーマは「深海生物」。
ちょっと不気味な生き物が次々に登場するので
「怖がらないかな?」と少し不安でしたが、
そんな私たちスタッフの心配をよそに
子どもたちは大喜びで楽しんでくれました。
9日から12日まで、
国立病院機構「岡山医療センター」の
小児外科医長、中原康雄先生が
当院で手術活動を行ってくださいました。
肝臓のがんと闘う11歳の男の子、
パンニャくんを含む複数の患者さんが
手術を受けました。
7日から22日まで、
普段はミャンマーで活動している
ジャパンハートの口腔外科医、
岸直子がカンボジア入りしました。
長期入院している小児がんの子どもたちをはじめ
全入院患者の状態を確認し、
口腔ケアや歯磨きなどの指導を行いました。
​ 17日、「ジャパンハートこども医療センター」で
新たに3人の日本人看護師が活動を始めました。
3人はジャパンハートの研修制度
【グローバル人材開発コース】の参加者で、
活動期間は1年間の予定です。
3人とも早速チームに溶け込んでいて、
現場に刺激を与えてくれています。
19日から2月22日まで、
最高顧問・𠮷岡秀人がカンボジア入りし、
手術活動を行いました。
期間中には医療支援の要請を受けて
車で約3時間ほど離れた
「クロッチュマー病院」に赴き、
手術活動や現地医療者の指導にあたりました。
26日、カンボジアの首都・プノンペンにある
動物園と中継を繋ぎ、小児がん病棟で
入院中の子どもたち向けに
オランウータンのショーを上映しました。
長期間入院している子どもたちにとって
外の世界に触れられる貴重な機会になったようで、
上映中は絶え間なく歓声があがっていました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計254名 

  • 2月は長年にわたって活動を支援してくださっている国立病院機構岡山医療センターの小児外科医長、中原康雄先生による手術活動が行われました。
  • 医療支援の要請を受けてカンボジア国内の別の病院に医療チームを派遣するなどしたため、
    小児がん等の大規模な手術は少数でしたが、鼠径ヘルニアや泌尿器疾患など引き続き幅広い疾患の小児患者を受け入れました。




がん新規入院患者数 累計93名 

  • 2月のがん新規入院患者数は10名でした。
  • カンボジア国内で最大の小児チャリティー病院も新たに小児の固形腫瘍治療を開始しており、引き続き国内の他医療機関との連携を強化していきます。




外来診療数 315名

  • 2月も引き続き月間300人余りの小児患者さんが当院を受診しました。
  • 引き続きより多くの方に当院のことを知っていただけるよう努めてまいります。




 

小児入院患者数 27名

  • 2月は鼠径ヘルニアや泌尿器疾患の患者さんを中心に受け入れました。




小児手術件数  40件

  • 2月は国立病院機構岡山医療センターの小児外科医長、中山先生による小児がん手術を含む集中的な手術活動を実施しました。
  • 医療支援の要請を受けてカンボジア国内の国公立病院「クロッチュマー病院」に医療チームを派遣し、最高顧問の𠮷岡秀人も参加して手術活動などを行いました。




モニーレアックくん

年齢:10歳
家族構成:母、姉(2人)、叔母、いとこ(4名)
病名:右大腿部骨肉腫
骨肉腫とは、骨にできる悪性腫瘍の一種です。
骨肉腫が発生している場所の痛みや腫れが主に出ます。
痛みや腫れ以外の症状が現れる場合や無症状の場合もあります。
治療方法は抗がん剤治療と手術(外科治療)からなります。

勉強をしていた時に足の痛みを覚えたそうです。
プノンペンのチャリティー病院でエコーやレントゲン、
CTを撮った後で治療も行いましたが、効果を感じませんでした。
そのためタイの病院に行き5日ほど入院しました。
ただ、生活のこともありカンボジアに戻ってきました。
その後、知り合いからジャパンハートを紹介されました。
当院に入院してから痛みも落ち着いてきています。

自分の言葉で病気のことを話してくれる、しっかり者の男の子です。
人が多いのはあまり好きではないと言っていました。
好きな食べ物はミートボールで、ゲームをしたり、
バレーボールをしたりするのが好きです。



ホンソマリーちゃん

年齢:3歳
家族構成:祖父、母、父
病名:神経芽腫疑い
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。

最初は左足に痛みがあり、シェムリアップのチャリティー病院を受診したところ、
関節炎と診断されました。
2か月の入院の予定でしたが、1か月経ったころにお腹のふくらみができたので、
タイの病院を受診しました。
タイの病院ではCTやレントゲンの結果、がんの疑いと診断されました。
生検には高いお金がかかるため行えませんでした。
その後、シェムリアップの小児病院で生検を受けました。
結果を待っている間にどんどん悪くなってしまったので、ジャパンハートを紹介されました。

発熱等はあまりなく、お腹の張りも少しずつ改善されてきています。

言葉を覚えるのが早く、良くしゃべる子だとお母さんが教えてくれました。
お菓子やケーキが好きで、お母さんに本を読んでもらうのが楽しみだそうです。



ソニカちゃん

年齢:11歳
家族構成:祖父、祖母、父、母、弟、妹
病名:ユーイング肉腫疑い
Ewing肉腫 (Ewing Sarcoma)は、主に小児から若年成人に多く発症する骨軟部肉腫です。
治療は、全身抗がん剤治療、手術療法、放射線治療を含めた集学的治療が行われます。

右腕に痛みを感じて触ったところ、塊があることに気が付きました。
プノンペンの国立病院を受診して生検をしたところ、
悪性腫瘍であると診断され、ジャパンハートを紹介されました。

治療を続けるにつれて、痛みも引いてきています。

おとなしく、無口な子だとお母さんが教えてくれました。
何でもおいしく食べる子で、絵を描くのが好きだそうです。



リクホンくん

年齢:12歳
家族構成:祖母、父、母、姉、兄
病名:ユーイング肉腫疑い
Ewing肉腫 (Ewing Sarcoma)は、主に小児から若年成人に多く発症する骨軟部肉腫です。
治療は、全身抗がん剤治療、手術療法、放射線治療を含めた集学的治療が行われます。

サッカーをしていた時に足が痛いと感じて様々な薬を飲んでみましたが、よくなりませんでした。
病院で足のレントゲンを撮ってみましたが、問題ないと診断されました。
ただ、痛みが治まらなかったので、プノンペンの国立病院を受診したところ、
生検が必要だが受けられるまでにはかなり日数がかかると言われました。
その後、カンボジア国内の別の病院とタイの病院にも生検を受けに行き、
いずれも悪性と診断されたのでシェムリアップの小児病院に入院しました。
そこで3回化学療法を受けましたが、放射線治療を受けられる環境に行った方がいいと言われ、
ジャパンハートを紹介されました。

ジャパンハートに来てから、痛みは良くなってきています。

素直な性格で、物分かりが良いそうです。
サッカーが好きで、カンボジアの定番の朝ごはん・クイティウが好きです。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
27名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 セシカちゃん 4歳 左胸部ユーイング肉腫
2 シアンちゃん 6歳 リンパ腫
3 スレイタイちゃん 5歳 左鼠径ヘルニア
4 ホンソマリーちゃん 3歳 神経芽腫疑い
5 ブンリップくん 10歳 右陰嚢水腫
6 ティラくん 3歳 尿道下裂
7 ニットくん 4歳 尿道下裂
8 スレイティちゃん 4歳 左鼠径ヘルニア
9 ラユスくん 10歳 右陰嚢水腫
10 ラタナクくん 6歳 右鼠径ヘルニア
11 ブンリップくん 4歳 右陰嚢水腫
12 バスナくん 4歳 包茎
13 ラタナクくん 8歳 右停留精巣
14 ニットくん 2歳 右鼠径ヘルニア
15 キムホンくん 3歳 右陰嚢水腫
16 ヴィチェットくん 6歳 右陰嚢水腫
17 ソクランチェスダくん 4歳 包茎
18 ルンリティくん 9歳 左鼠径ヘルニア
19 ノウンちゃん 5歳 神経芽腫
20 シーロンくん 16歳 骨肉腫(+転移)
21 アワーくん 7歳 左鼠径ヘルニア
22 リットくん 8歳 左陰嚢水腫
23 二サちゃん 10歳 神経芽腫
24 モニーレアックくん 10歳 右大腿部骨肉腫
25 ホンソマリ―ちゃん 3歳 神経芽腫
26 ソニカちゃん 11歳 ユーイング肉腫疑い
27 リクホンくん 12歳 ユーイング肉腫疑い

今月の救われた命

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