一般財団法人 阿部 亮 財団

「ジャパンハートこども医療センター」で元気な女の赤ちゃんが誕生しました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

「ジャパンハートこども医療センター」で元気な女の赤ちゃんが誕生しました。

今月の活動トピック

長期ボランティアとして活動していた
産婦人科医の林医師が
1年間の活動を終えて帰国しました。
「日本では助かる命が
カンボジアでは失われてしまう」
現状に危機感を持ち、
地域の診療所との連携を強化するなど
精力的に活動。
当院を訪れる婦人科疾患の患者さんが
増加したほか、
週3回実施している妊婦健診にも
行列が出来るようになりました。
昨年8月から右足のがんで入院していた
ダニーちゃんが退院しました。
約8年前に「紡錘(ぼうすい)細胞肉腫」という
がんと診断され、
治療を受けられる場所を求めて
各地の病院を転々とした後、
ジャパンハートの病院にやって来ました。
17歳となった現在までに
何度か再発を経験していますが、
抗がん剤治療と腫瘍の切除手術を繰り返し、
辛抱強くがんと闘っています。
3月初旬、
「ジャパンハートこども医療センター」で
元気な女の赤ちゃんが誕生しました。
出生時の体重はなんと5000グラム超。
地域の診療所での出張妊婦健診で
お母さんに出会い、
「出産予定日を過ぎたが一向に陣痛がこない」と
話していたことから、
ジャパンハートの病院で
様子を見ることにしました。
その後、無事に帝王切開で誕生し、
母子ともに健康に過ごしています。
​ 5日から9日まで、
日本からの形成外科医2人による
手術活動が行われました。
このうち森田皓貴先生は当院で
長期ボランティア医師としての活動経験があり、
静岡県立こども病院の桑原先生と一緒に
再度カンボジア入りして下さいました。
火傷による傷やケロイドなど、
子どもから大人まで約30件の手術が行われ、
手術を終えた患者さんたちからは
明るい笑顔が見られました。
18日から22日まで、
最高顧問の吉岡秀人医師が
カンボジア入りして手術活動を行いました。
横紋筋肉腫というがんと闘う2歳の女の子、
カリヤンちゃんなど小児がん患者を含む
多くの患者さんが手術を受け、
いずれも順調に回復しています。
15日、カンボジアで活動するアートグループ
「ソーシャルコンパス」さんの
イベントが行われました。
今回のテーマは「理想の病院」。
各々がイメージする
理想の病院を描いていくなかで、
ジャパンハートの病院を描いている子どもも
何人かいて、嬉しい気持ちになりました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計278名 

  • 3月は最高顧問の𠮷岡秀人による集中的な手術活動が行われ、
    小児がんを含む多くの手術を実施しました。
  • また、その期間以外にも鼠径ヘルニアや泌尿器疾患など
    引き続き幅広い疾患の小児患者を受け入れて手術を行いました。




がん新規入院患者数 累計101名 

  • 3月のがん新規入院患者数は8名で、23年度も年間の新規入院患者数は100名をこえました。
  • カンボジア国内で最大の小児チャリティー病院も新たに小児の固形腫瘍治療を開始しており、
    引き続き国内の他医療機関との連携を強化していきます。




外来診療数 299名

  • 3月も引き続き月間300人近くの小児患者さんが当院を受診しました。
  • 引き続きより多くの方に当院のことを知っていただけるよう努めてまいります。




 

小児入院患者数 24名

  • 3月は鼠径ヘルニアや泌尿器疾患の患者さんを中心に受け入れました。




小児手術件数  20件

  • 3月は最高顧問の𠮷岡秀人がカンボジア入りし、小児がんを含む多くの手術を実施しました。
    いずれの手術でもカンボジア人の若手医師が中心的な役割を務め、
    𠮷岡は監督役として術前や術後にアドバイスを行っていました。




ケチヤくん

年齢:10歳
家族構成:父、母、祖父、祖母、叔母、いとこ(2人)
病名:右大腿部ユーイング肉腫
Ewing肉腫 (Ewing Sarcoma)は、主に小児から若年成人に多く発症する骨軟部肉腫です。
治療は、全身抗がん剤治療、手術療法、放射線治療を含めた集学的治療が行われます。

最初に症状が出たのは3年ほど前です。
足が痛くて腫れてきたため、プノンペンの小児病院を受診しました。
その後、様子を見ていましたが、足が大きく腫れて痛みも酷くなったことから
数か月前に再びプノンペンの小児病院を受診し、ジャパンハートを紹介されました。

今はジャパンハートの病院に入院しながら、
プノンペンにある国立病院に通って放射線治療を行っています。
治療によって以前より痛みが治まってきたそうです。

ケチヤくんは負けず嫌いでゲームが大好きです。
ほかの患者さんと一緒にいつもスマートフォンでゲームをしています。



ヴィダくん

年齢:6歳
家族構成:父、母、弟(2人)、祖母
病名:前立腺横紋筋肉腫
横紋筋肉腫は、身体の軟部組織、通常は筋肉に発生する癌性腫瘍です。
頭、首、膀胱、膣、腕、脚、体幹など、体のあらゆる部位に発生する可能性があります。
横紋筋肉腫の細胞は成長が早く、体の他の部分に広がる(転移する)ことがあります。

排尿しづらくなったと感じたことから4~5カ月前にプノンペンの病院を受診しました。
その病院でがんと診断を受けて、そのまま入院して抗がん剤治療を行っていました。
より専門性の高い治療を受けるため、最初に受診した病院からの紹介でジャパンハートを受診しました。

抗がん剤治療によって症状は落ち着いています。

ヴィダくんは人見知りをしない性格で、入院当初からすぐに周りの患者さんと打ち解けていました。
自分のお菓子をみんなに配る優しい子です。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
24名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 ヴィダくん 6歳 横紋筋肉腫
2 タベリーちゃん 14歳 大腸がん
3 ヴォンくん 2歳 リンパ腫
4 サチャくん 13歳 左胸部ユーイング肉腫
5 ソニタちゃん 3歳 神経芽腫疑い
6 シアンちゃん 6歳 リンパ腫疑い
7 リンくん 14歳 ホジキンリンパ腫疑い
8 スレイケオちゃん 9歳 神経芽腫
9 ヴィサルくん 1歳 腸炎
10 ポアンくん 4歳 鼠径ヘルニア
11 ヴィプホウくん 5歳 陰嚢水腫
12 チンくん 5か月 瘻孔疑い
13 キムズリーちゃん 4歳 瘢痕
14 パリ―くん 12歳 右停留精巣
15 サカダくん 2歳 包茎
16 ダヴォングくん 3歳 陰嚢水腫疑い
17 ピークデイくん 8歳 陰嚢水腫
18 タナくん 6歳 類皮のう胞
19 ソクヘンくん 14歳 血管腫
20 ティダちゃん 14歳 母斑腫瘤
21 ソクヘンロンくん 6歳 陰嚢水腫
22 スレイカちゃん 8歳 左鼠径ヘルニア
23 リーチくん 4歳 右陰嚢水腫
24 トナくん 8歳 右陰嚢水腫

今月の救われた命

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