一般財団法人 阿部 亮 財団

ヴィトウくんが10か月という長い間の入院生活を終え退院しました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

「ジャパンハートこども医療センター」で元気な女の赤ちゃんが誕生しました。

今月の活動トピック

横紋筋肉腫で入院していたヴィトウくんが
10か月という長い間の入院生活を終え
退院しました。
時々日本語を交えながらお話してくれたり、
上手に絵を描いたり、多才な男の子です。
車椅子で動き回って元気に退院出来ました。
頑張ったね!
退院おめでとう!
13日から16日までの4日間は
クメール正月でした。
今年は4月13日の22時17分に年が明け、
患者さんやそのご家族と一緒にお祈りをしました。
小児病棟では家族で暮らしたい患者さんもおり、
帰宅する患者さんが多くいました。
この期間に残った子どもたちは
塗り絵を楽しんだりしていました。
新しいインターン生が2名加わりました。
1名は半年の活動、
もう1名は1年の活動となります。
小児がん患者の子どもたちと
すぐに仲良くなっていて、
子どもたちも遊んでくれる
お兄ちゃん的存在が出来て嬉しそうです。
​ 21日から24日までジャパンハートの
最高顧問・𠮷岡秀人医師がカンボジア入りし、
小児がんを含む計33件の手術活動を行いました。
手術をした小児がんの子どもたちは
術後すぐはとても痛がっていましたが、
いまでは笑顔を見せるようになりました。
今月もSocial Compassさんの協力の元、
アートのワークショップが行われました。
今回は自分のオリジナルのキャラクターを描き、
それを動画にして動かしました。
絵を描く習慣が生まれたのか
イベントがない日でも
自主的にお絵描きをする姿も
見られるようになりました。
27日からジャパンハート認定医の消化器外科である
遠藤医師が手術活動を行ってくださいました。
5年ぶりにジャパンハートに来院され、
5年前と比べて、
スタッフの成長や組織が大きくなっていることに
とても驚かれていました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計34名 

  • 4月21日から23日に、最高顧問の𠮷岡秀人による集中的な手術活動が行われ、
    小児がんを含む小児患者の手術を7件実施しました。
  • また、4月末には5年ぶりにジャパンハート認定医である遠藤先生がお越しになり、
    カンボジア人スタッフに手厚く指導いただきました。
    スタッフの成長と5年前よりも組織化が進んでいる様子を見て、先生も驚かれておりました。




がん新規入院患者数 累計5名 

  • 4月のがん新規入院患者数は5名でした。
    他年度と同等数ですが、他院でもがん患者を診始めている状況にもかかわらず、同等の人数が集まっております。




外来診療数 348名

  • 4月はクメール正月もあり、通常患者数が少なくなる月です。
    さらに一年で最も暑い時期にもかかわらず、今年は昨年の最多患者数の月とほぼ同等数の患者が集まりました。
  • 新病院の開院を来年に控える中、より一層患者を集めていけるように情報の周知を進めてまいります。




 

小児入院患者数 34名

  • 4月はクメール正月がありましたが、最高顧問の吉岡や遠藤先生の来院により、オペ数も多く、それにより入院数が多くなりました。
  • それ以外の時期もカンボジア人が独自でオペを進めていたこともあり、オペ件数を多くなったことが入院数に影響していると思われます。




小児手術件数  30件

  • 4月は最高顧問の𠮷岡秀人がカンボジア入りし、小児がんを含む多くの手術を実施しました。
  • 吉岡ミッション後には認定医の遠藤先生に5年ぶりにご参加いただきました。
    若手医師の手術の監督をしていただき、カンボジア人スタッフへ手厚く指導いただきました。




シナちゃん

年齢:14歳
家族構成:父、母、兄、姉
病名:左大腿部骨肉腫
骨肉腫とは、骨にできる悪性腫瘍の一種です。
骨肉腫が発生している場所の痛みや腫れが主に出ます。
痛みや腫れ以外の症状が現れる場合や無症状の場合もあります。
治療方法は抗がん剤治療と手術(外科治療)からなります。

2年前に左足に腫瘍ができたことに気が付き、家の近くのクリニックを受診し、薬を飲みよくなりました。
その後、コンポンチャムの病院を受診しましたが、治療ができませんでした。
プノンペンの病院へ行き、入院をしましたが、何の病気か分からず、
治すのにも時間がかかるため、親戚にジャパンハートを紹介されました。

状態は以前よりもよくなっています。約3か月の化学療法を行った後に手術が行われる予定です。

シナちゃんはお化粧が好きです。親戚がお化粧のお店をやっており、そこで1年ほど働いていたそうです。
そして家事を手伝ってくれるような優しい女の子です。



ミンチョンくん

年齢:2歳
家族構成:父、母
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。

半年前に発熱と嘔吐があり、家の近くのクリニックを受診し、薬を処方されよくなりました。
しかし、お腹の張りに気が付き、クンダボッパ病院を受診し、
エコーでお腹に腫瘍があることが分かりました。
その病院では治療が出来る薬がなかったため、ジャパンハートを紹介されました。

状態は以前よりも良くなっています。
抗がん剤治療を4回終了次第、CTを撮り、腫瘍の状態を確認してから次の治療を行います。
8か月~1年かけて治療を行います。

ミンチョンくんは車のおもちゃで遊ぶことが大好きです。
複数人で遊ぶことよりひとり遊びのほうが好きだそうです。
いつも可愛い笑顔を向けてくれる癒しの存在です。



ニサちゃん

年齢:10歳
家族構成:父、母、兄、叔父、叔母
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。

お腹が痛くなり、家から20キロほど離れたクリニックを受診し、
エコー検査をしたら腫瘍があると言われました。
クンダボッパ病院を紹介され、1か月ほど入院した後、
プノンペンの小児病院を紹介され、そこでも1か月ほど入院をしました。
その後、ジャパンハートを紹介されました。

当院では抗がん剤治療を行っています。状態は以前よりもよくなっています。
お腹の腫れもひいてきました。

ニサちゃんは塗り絵が好きで、ベッドの周りにはニサちゃんの塗った絵が飾られています。
耳を2回手術しているため、あまり聞こえず、上手に話せず、あまりお話ししたくないようです。



タバリーちゃん

年齢:14歳
家族構成:父、母、祖母
病名:直腸がん
直腸のがんは肛門に近い部位であり、血便で発見されることが多いです。
特に、出血は便に血液が付着して発見されることが多く、比較的鮮血に近い状態です。

排便がしにくく、肛門にできものができていたため、病院を受診しました。
検査をしたところ、悪性と言われました。
プノンペンの他のチャリティー病院を紹介され、10日ほど入院した後、ジャパンハートを紹介されました。

ジャパンハートで手術をしてから抗がん剤治療を開始しました。
状態は手術をしてからよくなってきています。

タバリーちゃんは明るい女の子です。
スマホで映画をみることが好きだそうです。



シムイーちゃん

年齢:6歳
家族構成:父、母、妹、叔母(2人)、叔母の旦那、祖父、祖母
病名:腹部リンパ腫
リンパ腫とは血液がんの1つで、白血球の中のリンパ球ががん化したものです。
リンパ系の組織や臓器は全身にあるため、リンパ腫は全身の部位で発生する可能性があります。

初めは太ももに腫瘍ができていることに気が付いたが、
腫瘍が小さかったため、病院を受診しませんでした。
1年後、痩せてしまい、腫瘍も大きくなっていたことから、病院を受診しました。
プノンペンの小児病院で手術と検査をして、がんであることが分かり、ジャパンハートを紹介されました。
その時は、腫瘍がすべて手術でとれていたため外来で経過をみていましたが、
1年半経ちあた太ももの腫れが出てきたので、抗がん剤治療を開始するために入院になりました。
これからも化学療法を続けます。
約3か月治療を続ける予定です。

シムイーちゃんはおもちゃでおままごとをして遊ぶこと好きです。
明るくて大人っぽい性格をしています。



ソニタちゃん

年齢:3歳
家族構成:父、母、兄、姉、祖父、祖母、いとこ
病名:神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。

風邪の症状と貧血があり、クリニックを受診しました。
リンパに問題があるため、病院へ行ってくださいと言われました。
シェムリアップの病院を受診し、痛みはありませんでしたが、
エコー検査を行い、肝臓に腫瘍があると言われました。
CTも行い、がんの疑いがあるため、ジャパンハートを紹介されました。

ジャパンハートで腹部の腫瘍を一部とって検査を行い、神経芽腫と診断し、抗がん剤治療を開始しました。
3回の抗がん剤治療を終えました。
状態にあまり変化はなく、難しい状況ではありますが、3か月ほど治療を行います。

ソニタちゃんは食べることが好きで、好き嫌いはなく何でも食べます。
我が道を行く元気な女の子です。



メイホアちゃん

年齢:3歳
家族構成:父、母
病名:子宮警部横紋筋肉腫
横紋筋肉腫は、身体の軟部組織、通常は筋肉に発生する癌性腫瘍です。
頭、首、膀胱、膣、腕、脚、体幹など、体のあらゆる部位に発生する可能性があります。
横紋筋肉腫の細胞は成長が早く、体の他の部分に広がる(転移する)ことがあります。

初めは膣から血が出てくるため、プノンペンの他のチャリティー病院を受診しました。
薬を飲み、5日ほど通院を行い、様子を見ました。
検査を行い、その結果がんであることが分かりました。
そのため、ジャパンハートを紹介されました。

状態は以前よりもよくなってきています。
これから約10か月の化学療法を行います。

メイホアちゃんはおもちゃやお人形でよく遊んでいます。
いつもベッドの上で元気にはしゃいでいます。



リンくん

年齢:14歳
家族構成:父、母、弟、妹
病名:ホジキンリンパ腫
リンパ組織を構成している細胞ががん化してリンパ節で増え、しこりをつくる血液のがんです。
首のリンパ節に発生することが多く、抗がん剤治療や放射線治療を行います。

首に腫れと痛みがあったため、クンダボッパ病院を受診しました。
膿が出てきたため、膿を出し、薬を飲んでいましたがよくなりませんでした。
そのため腫れている部分を一部手術して検査したところ、
ホジキンリンパ腫と診断され、ジャパンハートを紹介されました。

状態は以前よりもよくなっています。
以前は熱がよく出ていましたがジャパンハートにきてからはそれもなくなり、食欲もあります。

リンくんはサッカーが好きだそうです。
いつも微笑んでいて、優しい男の子です。



リティカちゃん

年齢:2歳
家族構成:父、母、妹
病名:副腎神経芽腫
神経の細胞にできるがんです。
小児期にできる腫瘍の中で白血病、脳腫瘍についで多い病気です。
特に、5歳以下の子どもの発症率が高いとされています。

1年半前にお腹を触ったら硬かったため、シェムリアップのチャリティー病院を受診しました。
そこで便秘であると言われましたが、心配であったため、クリニックを受診し、
エコー検査を行ったところ、がんの可能性があると言われました。
そこでプノンペンの小児病院を紹介されました。MRIを行い、がんであることがわかり、
ジャパンハートを紹介されました。

状態は以前よりも少しよくなりました。
頭にも腫瘍ができているため、抗がん剤治療を開始し、状態は少しずつよくなってきています。
約3か月間抗がん剤治療を続けて効果を評価する予定です。

リティカちゃんはいろんななことをして遊びますが、すぐに飽きてしまいます。
恥ずかしがり屋さんですが、お友達や日本人の先生たちと遊ぶことが好きです。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
34名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 サムボットくん 8歳 鼠径ヘルニア
2 ケオサムナンくん 4歳 鼠径ヘルニア
3 ソパナくん 4歳 包茎
4 トラくん 1歳 鼠径ヘルニア
5 サムナンくん 2歳 鼠径ヘルニア
6 ラナちゃん 2歳 肝芽腫
7 ラタナちゃん 14歳 虫垂炎
8 トンヘンくん 7歳 陰嚢水腫
9 ソクバディくん 7歳 胸部腫瘍
10 ナロくん 5歳 陰嚢水腫
11 リティカちゃん 2歳 副腎神経芽腫
12 メイホアちゃん 3歳 膣原発横紋筋肉腫
13 ナリンちゃん 4歳 鼠径ヘルニア
14 ボレイちゃん 5歳 鼠径ヘルニア
15 ファニーくん 6歳 鼠径ヘルニア
16 ソテラくん 1歳 鼠径ヘルニア
17 チピンくん 4歳 鼠径ヘルニア
18 コーティくん 7歳 停留精巣
19 ソクナくん 4か月 リンパ管腫疑い
20 チャンナンくん 7歳 陰嚢水腫疑い
21 ソバムニィくん 10歳 陰嚢水腫
22 マラディちゃん 3歳 鼠径ヘルニア
23 ヴィチアくん 4歳 包茎
24 ナロアちゃん 11歳 鼻咽頭がん
25 ダラくん 11歳 肝芽腫
26 ケヴォンくん 4歳 鼠径ヘルニア
27 ソクアンくん 6歳 鼠径ヘルニア
28 ラノットくん 5歳 腋窩腫瘍
29 サニットくん 7歳 包茎
30 モンピセイちゃん 7歳 鼠径ヘルニア
31 ナラトラくん 3歳 鼠径ヘルニア
32 ティナくん 4歳 鼠径ヘルニア
33 モラボットくん 3歳 陰嚢水腫
34 ビチャイくん 8歳 鼠径ヘルニア

今月の救われた命

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