一般財団法人 阿部 亮 財団

小児がん患者の付添いの保護者向けのお茶会を開催いたしました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

小児がん患者の付添いの保護者向けの
お茶会を開催いたしました。

今月の活動トピック

8日に沖縄美ら海水族館さんの
遠隔授業が行われました。
昨年から引き続きご協力いただいており、
今年も複数回遠隔授業を行っていただく予定です。
画面いっぱいに映るジンベエザメや
他の魚たちの迫力ある姿に、
子どもたちは目を輝かせながら見入っていました。
10日から14日まで
ジャパンハートの最高顧問・𠮷岡秀人が
カンボジア入りし、小児がんを含む
合計23件の手術活動が行われました。
今回はラオスの国立小児病院の医師や
看護の方々が手術活動の見学にお越しくださいました。
長期にわたる入院期間中、
子どもたちに付きっきりの
保護者の方々へのイベントを通して、
少しでもゆっくりできる時間を提供しようと、
小児がん患者の付添いの保護者向けの
お茶会を開催いたしました。
保護者同士で集まり、悩みを共有したり、
和気あいあいとお喋りをしたりする様子が
見られました。
​ 10日に首都プノンペンにあるイオンモールで
献血イベントが行われました。
日系の企業の方をはじめ、
多くの方にご協力いただき、
98パック集めることができました。
今月もSocial Compassさんのアートの
ワークショップが開かれました。
今回のテーマは「蝶々」。
子どもたちは、自分なりの蝶々を描いてみたり、
壁に貼った模造紙の色塗りをしたり、
昼寝の時間になってもプレイルームに残って
絵を描くほど楽しんでいました。
25日から28日まで形成外科医の櫻庭先生、
藤井先生がカンボジア入りし、
集中的な手術活動が行われました。
定期的に手術活動に
ご参加いただいている先生方ですが、
今回はコロナ後では初めての来院となり、
多くの手術を行ってくださいました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計93名 

  • 例年と比べ、非常に多くの患者がジャパンハートの病院にたどり着いており、
    既に昨年よりも150%を超える増加率を記録しています。




がん新規入院患者数 累計13名 

  • 小児がんの新規入院数は昨年に比べると少ない人数となりました。
    他のチャリティ病院でも小児がんの治療を開始したことが一つの理由と考えられますが、
    引き続き他院では対応のできない患者さんの紹介はいただいています。
  • 現在は紹介数も落ち着き、以前よりも多様な症例の対応に時間を使うことができています。




外来診療数 363名

  • 小児外来数は過去1年で最多人数を記録しました。
  • 昨月はジャパンハート最高顧問の吉岡秀人以外にも、
    耳鼻咽喉科の留守先生や形成外科の櫻庭先生、藤井先生がお越しくださり、
    専門的な診察、手術を行うことができました。




 

小児入院患者数 35名

  • 入院数は高い水準を維持しています。
  • 小児がんの新規入院数は3人でしたが、
    再入院は7人と、一人一人の患者さんに対するフォローアップも行うことができております。




小児手術件数  31件

  • 耳鼻咽喉科、形成外科の先生方が来てくださったため、普段はできないような手術も行うことができました。
  • 手術待ちの小児患者も多くいるため、できる限り多くの手術を行えるように調整を進めています。




レッケナちゃん(5月入院)

年齢:13歳
家族構成:父、母、弟、妹、祖母
病名:腎細胞がん
腎臓がんは、腎臓の細胞ががん化したもので、腎がんともいいます。
このうち、腎実質の細胞ががん化して悪性腫瘍になったものを腎細胞がんといいます。

毎月発熱し、それ以外には症状がありませんでしたが、
痩せ始めてしまったため、クリニックを受診しました。
検査をしたところ、お腹に腫瘍があることがわかりました。
クリニックから他のチャリティー病院を紹介され、MRIにて腎腫瘍を指摘され、生検をされました。
病理の結果、腎細胞癌と診断され、ジャパンハートを紹介されました。

最近ジャパンハートでも生検を行い、結果を待っているところです。
結果が出てから、今後の治療方針が決定します。

レッケナちゃんは家ではいつも静かで、勉強を頑張っています。
特にクメール語の勉強が好きで、本が読みたいと言っていました。
好きな食べ物はとうもろこしとサンドイッチだそうです。



ロンヘンくん

年齢:13歳
家族構成:父、祖母、叔父(2人)
病名:滑膜肉腫
若年から青壮年に好発する悪性軟部腫瘍で、腺管形成など上皮性分化を伴う腫瘍です。
悪性軟部腫瘍の5~10%程度を占め、四肢の関節近傍に多いが、
手や足、頭頚部や縦隔などにも発生し、まれに腎や肺などの臓器からも発生します。

2年前にお腹に小さな腫瘍ができていることに気が付き、
プノンペンの他のチャリティー病院を受診しました。
そこで手術を行い、1週間ほど入院をしましたが、フォローアップがなく、
3か月後にまた腫瘍ができてしまいました。
しかし、お金がなかったため、もう一度病院に行くことができず、腫瘍が大きくなってきてしまいました。
その後も病院に行き、2度目の生検の結果、滑膜肉腫と診断され、ジャパンハートを紹介されました。

化学療法を1度終えました。
化学療法後、腫瘍が小さくなったところで手術を行う予定です。

ロンヘンくんはサッカーとバレーボールが好きで、学校でよくしていたそうです。
まだ来たばかりで慣れないのか表情が硬いですが、
時々見せてくれる笑顔が素敵な男の子です。



ダラくん

年齢:12歳
家族構成:父、母、弟、叔父、叔母
病名:腎芽腫
小児三大固形悪性腫瘍(他に神経芽腫と肝芽腫があります)のひとつです。
小児の腎臓に発生する代表的な悪性腫瘍で、小児の腎腫瘍の90%は腎芽腫(ウィルムス腫瘍)です。
幼児に多く、様々な奇形や多くの症候群に出現することがあります。

初めは腹痛でクリニックを受診し、エコーを行ったところ、腫瘍があると言われました。
しかし、そのクリニックでは診ることができないため、
シェムリアップのチャリティー病院を紹介され、生検を行った結果、がんであることがわかり、
化学療法を6回行った後手術を行いました。
95%腫瘍を取ることができましたが、血管が近かったため、5%は取ることができず、
国立病院での放射線治療を勧められました。
しかし、お金がなかったため、ジャパンハートを紹介されました。

ジャパンハートでは腎芽腫の化学療法を開始し、
腫瘍が縮小したのちに手術と放射線治療を予定しています。

ダラくんは自転車に乗ることとパンが好きだそうです。
手を振ったら笑顔で手を振り返してくれる明るい男の子です。



モニーロアくん

年齢:6か月
家族構成:父、母、兄
病名:右大腿膿瘍
限局された組織間隙に膿が貯留した状態で、通常は細菌感染によって引き起こされます。

生まれたばかりでワクチンを接種したあとに右大腿にでこぼこの腫瘍ができ、
ワクチンを打ったヘルスセンターを受診しました。
医師からは特に問題はなく、腫瘍を触らずにしておけばよい、と薬を処方されたのみでした。
しかし、薬を服用しても症状に変化はありませんでした。
ジャパンハートの近くに住んでいるため、ジャパンハートに来ました。

大腿部の膿瘍に対して抗生剤投与を開始し、切開排膿も実施しました。

モニーロアくんはお母さんに高い高いをされるととても喜びます。
生まれてまだ6か月でとても可愛く癒しの存在です。



ジャスミちゃん

年齢:6歳
家族構成:父、母
病名:血管腫
血管腫とは「赤あざ」と呼ばれる血管の異常で、
血管が拡張したり増殖したりすることによってできる良性腫瘍です。

生まれつきあざがあり、小さいときに複数の病院を受診しましたが、
生まれつきであるため、問題はないと言われました。
形成の手術があることをFacebookの投稿を見て知り、
将来あざが大きくなってしまったら心配であるため、ジャパンハートを受診しました。
形成外科医により手術が行われました。

ジャスミちゃんは絵を描くことが大好きだそうです。
初対面でもたくさん話しかけてくれ、
インタビュー中も自分のことについてたくさん話してくれました。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
31名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 チュンエアンくん 7歳 扁桃肥大
2 ソクナちゃん 8歳 両扁桃肥大
3 リトピセスくん 4歳 両扁桃肥大
4 ソワンラタナくん 6歳 扁桃肥大
5 キムハックくん 12歳 両扁桃肥大
6 テッダラくん 14歳 慢性扁桃炎
7 ヴィサルくん 9歳 扁桃肥大
8 パッチャラちゃん 10歳 扁桃肥大
9 ソカセッドくん 6歳 両扁桃肥大
10 リザちゃん 6歳 扁桃肥大
11 ソダくん 14歳 右鼠径ヘルニア
12 フェーロムくん 7歳 右陰嚢水腫
13 サリエムくん 7歳 右陰嚢水腫
14 セイハくん 3歳 左頬腫瘤
15 ダラユッくん 4歳 包茎
16 ソクヘンちゃん 13歳 甲状舌管嚢胞
17 サムナンくん 3歳 包茎
18 リーホアくん 7歳 左陰嚢水腫
19 チェンダちゃん 14歳 左乳房腫瘍
20 ラタナくん 8歳 顔面血管腫
21 モリオリーちゃん 7歳 右手多指症
22 ジャスミちゃん 6歳 血管腫
23 ティティくん 6ヶ月 左停留睾丸/左鼠径ヘルニア
24 ラヴァくん 2歳 右鼠径ヘルニア
25 ヴァニアくん 8歳 多発性血管腫
26 ダラくん 12歳 腎芽腫
27 リザくん 6歳 扁桃肥大
28 ロンヘンくん 13歳 滑膜肉腫
29 モニーロアくん 6ヶ月 右大腿部膿瘍
30 ピセスくん 14歳 蜂窩織炎
31 リアクサちゃん 3歳 足指巨指症

今月の救われた命

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