一般財団法人 阿部 亮 財団

2025年開院の新病院「ジャパンハートアジア小児医療センター」の着工式が行われました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

2025年開院の新病院
「ジャパンハートアジア小児医療センター」の
着工式が行われました。

今月の活動トピック

11日には、音楽イベントが行われました。
音楽に関してのレクチャーとスタッフによる
パフォーマンスの2部制で行われ、
子どもたちだけでなく、保護者や他のスタッフなど
皆が笑顔になる素敵な時間となりました。
7月2日から5日までジャパンハートの
最高顧問・𠮷岡秀人がカンボジア入りし、
合計25件の手術活動が行われました。
今回は𠮷岡から小児がんの子どもたちへ
和菓子が配られ、子どもたちは美味しそうに
和菓子を頬張っていました。
⾧期ボランティアの小児科医、水野医師による
PBLS(小児一次救命措置)の
レクチャーが行われました。
また、他にも看護師による
BLS(一時救命処置)のレクチャーも行われ、
医師や看護師以外も参加し、
病院全体で一次救命措置ができるような
取り組みを進めています。
​ シムイーちゃんが退院しました!
シムイーちゃんは約4か月腹部リンパ腫と
闘っていた6歳の女の子です。
時にお姉ちゃん、時に妹のようなキャラクターで
皆から愛されていました。
今後はフォローアップで状態を見ていく予定です。
退院おめでとう!
20日から22日までジャパンハートの認定医で、
乳腺外科の堀医師による
集中的な手術活動が行われました。
乳がんの手術が全部で5件行われ、
カンボジア人医師も執刀しました。
堀医師は11月にも
手術活動にお越しいただく予定です。
30日に2025年開院の新病院
「ジャパンハートアジア小児医療センター」の
着工式が行われました。
新病院は首都・プノンペン近郊のタクマウ市に
建設されるため、アクセスがしやすくなり、
より多くの子どもたちを救うことができるようになります。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計110名 

  • 例年と比べ、非常に多くの患者さんがジャパンハートの病院にたどり着いており、既に昨年度よりも135%ほどの増加率を記録しています。




がん新規入院患者数 累計17名 

  • 小児がんの新規入院数は昨年に比べると少ない人数となりました。
    他のチャリティ病院でも小児がんの治療を開始したことが一つの理由と考えられますが、引き続き他院では対応のできない患者さんの紹介はいただいています。
  • 現在は紹介数も落ち着き、ほぼ一定のペースで患者さんが入院してきているので、以前よりもひとりひとりの患者さんの対応に時間を使うことができています。




外来診療数 382名

  • 小児外来数は、過去1年での最多人数を2カ月連続で更新しており、例年よりもかなり多くの患者さんが診察を受けに来ています。
  • 7月はジャパンハート最高顧問の𠮷岡秀人による手術活動が2度行われ、外来での診察も多数行われました。




 

小児入院患者数 25名

  • 今年度の中で見ると、少し入院患者数は減りましたが、それでも高い水準は維持しています。
  • 小児がんの新規入院数は4人でしたが、再入院は8人と、
    ひとりひとりの患者さんに対するフォローアップも行うことができております。




小児手術件数  18件

  • 今月は成人の手術が多かったこともあり、小児の手術数は先月より減少しましたが、
    𠮷岡の手術活動が2度あったこともあり、小児がんの手術数は先月よりも増加しました。
  • 手術待ちの小児患者も多くいるため、できる限り多くの手術を行えるように調整を進めています。




ポークチョークくん

年齢:1歳
家族構成:父、母、姉、兄(双子)
病名:卵黄嚢腫瘍
卵黄嚢腫瘍は急速に増大する充実性腫瘍で、破裂や捻転による急性腹症で発症することが知られています。

お腹が大きくなり、痛みもあったことから、シェムリアップのチャリティー病院を受診しました。
そこでエコーとCTを行い、がんであることがわかりました。
その後、プノンペンの他のチャリティー病院を紹介され3日間入院をしましたが、治療ができないと言われました。
そのため、タイの病院へ行きましたが金銭的負担が大きかったため、帰国しました。
帰国後、乗り合いのタクシーに一緒に乗っていた方にジャパンハートを教えてもらい、ジャパンハートに来ました。

画像検査で精巣の腫瘍がお腹の中や肺にまで転移していることが判明しました。
しかし、抗がん剤治療がよく効く腫瘍であるため抗がん剤治療をまず開始しています。
今後、抗がん剤の反応を見て、手術が必要かどうか検討していく予定です。

ポークチョークくんは車のおもちゃで遊ぶことやダンスをすることが好きだそうです。
まだ来たばかりで環境に慣れておらず、泣いてしまうことが多いようです。



ヤディーちゃん

年齢:11歳
家族構成:父、母、叔母
病名:右下腿骨肉腫
骨肉腫とは、骨にできる悪性腫瘍の一種です。
骨肉腫が発生している場所の痛みや腫れが主に出ます。
痛みや腫れ以外の症状が現れる場合や無症状の場合もあります。
治療方法は抗がん剤治療と手術(外科治療)からなります。

階段から落ちて足に怪我をし、家の近くのクリニックを受診し、治療を行いましたが、よくなりませんでした。
そのため、プノンペンの他のチャリティー病院を受診し、生検を行ったところ、がんと診断されました。
そこでは足を切断する必要性があると言われましたが、切断をしたくなかったため、
親戚の紹介でタケオ州のクリニックで3週間ほど治療を行いました。
それでもよくならなかったため、他の親戚から紹介されたジャパンハートにやってきました。

抗がん剤治療を開始後、右足の痛みは徐々に良くなっています。
腫瘍を縮小させた後に手術を検討しています。

ヤディーちゃんはオシャレをすることが好きだそうです。
お友達とハイヒールを履いてモデルの真似をしてよく遊んでいるそうです。



ダラくん

年齢:17歳
家族構成:父、母、姉
病名:卵巣腫瘍疑い
卵巣腫瘍は、一般に腫瘍が小さい場合は無症状のことが多く、日常生活に支障を来すことは稀です。
スカートやパンツのウエストがきつくなったことに気が付きますが、
太っただけであると思い込み、そのままにしてしまう人も多いようです。

胃が痛くなり、クリニックを受診し、エコーを行ったところ、お腹にかたまりがあると言われただけでした。
そのため、コンポンチャム州の病院を受診しましたが、そこでもお腹にかたまりがあると言われました。
そのコンポンチャム州の病院からジャパンハートを紹介されました。

卵巣原発と思われる巨大な腫瘍に対して、開腹生検を実施し、病理の結果を待っているところです。
病理の結果を見て、抗がん剤治療や手術を実施する予定です。

リナちゃんは勉強をすることが好きだそうです。
特に、イスラムの規則やアラビア語など、イスラムについての教科の勉強が好きだそうです。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
31名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
ポークチョークくん 1歳 卵黄嚢腫瘍
2 ソウベンくん 1歳 左鼠径ヘルニア
3 ナラピティンくん 2歳 右陰嚢水腫
4 ソカーくん 9カ月 左鼠径ヘルニア
5 ソチアットくん 6歳 両側鼠径ヘルニア
6 タバンちゃん 7カ月 血便
7 ヤディちゃん 11歳 右下腿骨肉腫
8 キナイくん 1歳 喘息発作/細気管支炎疑い
9 サヴァイくん 12歳 左鼠径ヘルニア
10 モロコットちゃん 7歳 喘息発作/肺炎
11 ケンホアくん 4歳 便秘/腸閉塞
12 ナラくん 2歳 左腎芽腫
13 レデンくん 4歳 右停留精巣
14 リナちゃん※ 17歳 腹部腫瘤
15 リザカリヤスくん 11歳 右腕部腫瘍
16 スレイモウイちゃん 11歳 左鼠径ヘルニア
17 ヤヴィンちゃん 2歳 蜂窩織炎/貧血

今月の救われた命

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