一般財団法人 阿部 亮 財団

小児がんの患者さんたちと一緒に「ひな祭り」をお祝いしました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

小児がんの患者さんたちと一緒に「ひな祭り」をお祝いしました。

今月の活動トピック

3月14日~16日および 22日~25日の二度にわたり、吉岡秀人が集中的な手術活動を実施しました。
今回の活動では、小児がん5件を含む合計44件の手術を行いました。
今後も、1人でも多くの命を救うため、活動を続けてまいります。
日本から、ジャパンハート理事2名を含む計20名の経営者の皆様が当院を訪れ、視察ツアーを行いました。
医療現場の見学に加え、小児がんの子どもたちとの交流や、吉岡との座談会も実施され、非常に貴重な機会となりました。
3月18日~19日にかけて、日本から10名の医療系学生が当院を訪れました。
日本とは異なる医療状況に驚きながらも、一つでも多くを学び取ろうと熱心に活動の様子を見つめる姿が印象的でした。
​ 3月15日より、新たに伊藤大輝さんがインターン生として活動を開始しました。
多くの経験を通して、のびのびと成長していってほしいと思います。
小児がんの患者さんたちと一緒に「ひな祭り」をお祝いしました。
子どもたちに とっては初めてのひな祭り。
手作りのひな人形や浴衣の体験を通して、日本の文化を楽しく学んでくれました。
小さな子から大きな子まで皆が夢中になり、笑顔あふれるひとときとなりました。
3月20日~27日にかけて、オーストラリア在住の小児外科医、平松先生が短期ボランティアとして活動に参加されました。
カンボジア人スタッフも先生から多くを学んだようで、一週間という短い期間ではありましたが、双方にとって非常に実りある時間となりました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計340名 

  • 3月は最高顧問の吉岡秀人による集中的な手術活動が二回行われ、小児がん5件を含む多くの手術を実施しました。




がん新規入院患者数 累計67名 

  • 3月のがん新規入院患者数は8名、そして24年度の年間の新規入院患者数は67名でした。
    これからも引き続き国内の他医療機関との連携を強化していきます。。




外来診療数 298名

  • 3月も引き続き月間300人近くの小児患者さんが当院を受診しました。
  • より多くの方に当院のことを知っていただけるよう努めてまいります。




 

小児入院患者数 32名

  • 3月は合計48名と昨年度同月の二倍の入院患者数になりました。
    これからも1人でも多くの命を救えるよう、活動を行なっていきます。




小児手術件数 29件

  • 3月は最高顧問の吉岡秀人による集中的な手術活動が二回に渡り行われました。




ボティーちゃん

年齢:1歳
家族構成:父、母
病名:肝芽腫
肝芽腫は、肝臓の組織に悪性(がん)細胞ができる病気です。
小児肝がんの中で最も多く、通常、3歳未満のお子さんが発症します。
お腹のふくらみや硬いしこり、食欲不振、体重減少、疲れやすさなどの症状が現れることがあります。
治療では、手術、抗がん剤治療が行われます。

最初に現れた症状の激しい下痢でした。
近くのクリニックでエコー検査を受けた後、肝臓に腫瘍があると言われカンボジア最大の病院に紹介となり、生検を受けました。
病理の結果、肝芽腫と診断され、より専門的な治療を受けるために、当院へ紹介されました。


現在は抗がん剤治療を開始し、腫瘍が十分に縮小したところで手術を行う予定です。

性格はとても優しく、自分の持ち物を周囲の人に分け与えることがよくあります。
おもちゃで遊ぶのが大好きな男􏰃子です。




モニーリエくん

年齢:2歳
家族構成:父、母
病名:仙尾部卵黄嚢腫瘍
仙尾部卵黄嚢腫瘍は、主に赤ちゃんや小さな子どもに発生するまれな悪性腫瘍です。
お尻のあたりにしこりや腫れができ、便や尿が出にくくなることがあります。
腫瘍が大きくなると、お腹が膨らんだり、疲れやすくなることもあります。
治療の手術で腫瘍を取り除くのが基本ですが、場合によっては抗がん剤を使って腫瘍を小さくしてから手術を行います。
早期に発見し、適切な治療を受けることで、完治の可能性も高まります。

最初の異変は、便や尿が出にくくなったことでした。
心配した家族はカンボジア最大のチャリティー病院へ連れて行き、生検によって悪性の腫瘍であることが判明しました。
より専門的な治療を受けるため、当院へ紹介されました。
腫瘍が十分に縮小すれば、手術を行う予定です。


彼は少し泣き虫で、お菓子が大好きだそうで、いつもおいしそうに食べています。



ラチャナちゃん

年齢:5歳
家族構成:父、母、4人姉妹の3番目
病名:右仙骨横紋筋肉腫
横紋筋肉腫は、身体の軟部組織、通常の筋肉に発生する癌性腫瘍です。
頭、首、膀 胱、膣、腕、脚、体幹など、体のあらゆる部位に発生する可能性があります。
横紋筋肉 腫の細胞は成長が早く、体の他の部分に転移することがあります。

ラチャナちゃんは当初、お腹の痛みが出たり引いたりを繰り返していました。
特に右側のお腹が3日間続けて痛くなり、触ると痛みを訴えるようになりました。
カンボジア最大のチャリティー病院で生検をしたところ、腫瘍があることがわかりました。
治療が難しいということで、当院に紹介されました。


まだ腫瘍が残っているため、抗がん剤治療を開始して縮小させた後に手術や放射線治療を検討しています。

ラチャナちゃんはお菓子が大好きで、おままごと遊びを楽しむのが好きな女の子です。
とにかく明るい性格は持ち主で、周りを元気にしてくれます。



スレイニートちゃん

年齢:1歳 

家族構成:父、母 

病名:右腎明細胞肉腫
腎明細胞肉腫は小児の腎腫瘍の中で2番目に多く、広範囲に転移が起こりやすいため、ウィルムス腫瘍より強い抗がん剤治療が必要です。

最初痛みはなかったものの、お腹に触ると何か塊があるのを感じていました。
熱が出たためクリニックに行き、エコー検査を受けました。
当院で子宮頸がん􏰃治療をしたことがある知り合いの紹介で、私たちの病院にやってきました。
右の腎臓に大きな腫瘍があり、吉岡医師􏰃滞在中であったため、右腎を摘出する手術を行いました。

生検の結果、腎明細胞肉腫と判明したため、術後の抗がん剤治療を開始しています。

スレイニートちゃんはお肉が大好きで、友達と遊ぶことを楽しまれています。
ただ、不安を感じているのか病院に来てから少し口数が減り、静かな様子が見られるとのことです。




アイオくん

年齢:3歳
家族構成:父、母、姉 

病名:右腎芽腫
腎芽腫は小児の腎臓に発生する悪性腫瘍で、進行すると肺やリンパ節へ転移する可能性があります。

最初は特に症状がありませんでしたが、お腹に塊があることに気づき、病院を受診しました。
その後、経過観察を5ヶ月間ほど続けましたが、腫瘍が悪性であることが判明。
プノンペンの病院で詳しい検査を受けた後、ジャパンハートこども医療センターに紹介されました。

当院に来たときにはすでに肺転移がある状態でした。
腎腫瘍も大きいためまずは抗がん剤治療で縮小を図り、手術を行う予定です。

色塗りが好きで、飲み物の中では特にミルクが好きだそうです。
病院でも静かに絵を描いたり、色を塗ったりして過ごしています。
無口な性格で、自分から話しかけることは少なく、1人で過ごすことが多いです。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
32名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 ニーサちゃん 12歳 臍部アテローム
2 モニーリエくん 2歳 卵黄嚢腫瘍
3 ソクネンくん 14歳 頸部リンパ上皮癌
4 ソクカンハちゃん 12歳 右卵巣腫瘍
5 ヘンソクリニーちゃん 8歳 右鼠径ヘルニア
6 オウドムくん 13歳 右陰嚢水腫
7 パニャくん 8歳 右陰嚢水腫
8 ボテイちゃん 1歳 肝芽腫
9 セハンハイちゃん 3歳 神経節神経芽腫
10 パヨックくん 2歳 肺炎
11 アイオくん 3歳 右腎芽腫
12 チャンニーちゃん 14歳 右腸骨ユーイング肉腫
13 サカプムくん 5歳 甲状舌管嚢胞
14 パニャくん 5歳 虫垂炎
15 ニーサちゃん 6歳 右鼠径ヘルニア
16 ラチャナちゃん 5歳 右仙骨横紋筋肉腫
17 スレイニートちゃん 1歳 右腎腫瘍
18 ラトナくん 1歳 咽頭炎
19 サラットちゃん 15歳 薬物過剰摂取/不安障害
20 チャンスオちゃん 6歳 舌下嚢胞
21 シヴヘンちゃん 13歳 右乳房腫瘍
22 セアブチンちゃん 3歳 甲状舌管嚢胞
23 ラユットくん 4歳 右陰嚢水腫
24 サカプムくん 5歳 甲状舌管嚢胞
25 ラチャナちゃん 7歳 甲状舌管嚢胞
26 ナシンくん 5歳 右陰嚢水腫
27 アリフくん 5歳 左陰嚢水腫
28 ポンルーくん 15歳 甲状腺癌
29 ピセッくん 10歳 左陰嚢水腫
30 セイハくん 8歳 左鼠径ヘルニア
31 ソカーくん 10ヶ月 尿道下裂
32 ロナくん 11歳 甲状舌管嚢胞

今月の救われた命

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