一般財団法人 阿部 亮 財団

「持続可能な食文化の日」に合わせて、病院内で「食の大切さ」を伝える掲示を実施しました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

「持続可能な食文化の日」に合わせて、病院内で「食の大切さ」を伝える掲示を実施しました。

今月の活動トピック

6月8~10日、形成外科医・藤井医師による集中的な手術活動が行われました。
20件にわたるコンサルテーションに加え、限られた時間の中で緊急手術にも迅速かつ丁寧に対応され、患者に寄り添った診療を行ってくださいました。
6月9~11日、耳鼻咽喉科医・留守医師が来訪され、専門診療を実施してくださいました。
現地では耳鼻咽喉科の診療機会が非常に限られており、今回の診察は多くの患者さんにとって大変貴重なものとなりました。
6月11日、プノンペン市内はAEON MALLにて、現地の献血センターと連携し、献血イベントを開催しました。
来場者には献血の大切さやその必要性を伝え、多くの方々にご協力を呼びかけました。
当日は132名の方々にご参加いただき、多くの命を支える貴重な献血につなげることができました。
​ 6月18日の「持続可能な食文化の日」に合わせて、病院内で「食の大切さ」を伝える掲示を実施しました。
食品ロスについて紹介し、「食べること」と「生きること」のつながりについて考えるきっかけとなりました。
6月14日〜17日、乳腺外科医・堀医師が来訪されました。
カンボジアでは、乳房に関する疾患を抱える女性が多く、早期診断と治療が重要な課題となっています。
今回は、乳腺疾患を中心に診察や手術を行い、現地スタッフと連携しながら、患者さんに最適な医療を届けてくださいました。
6月22日~26日には小児外科の中原医師が、また同時期􏰀22日~25日には最高顧問の吉岡医師が来訪され、小児がん5件を含む計28件の手術を実施してくださいました。
当院で初めてとなる胸膜肺芽腫の手術も行われ、医療者にとっても多くの学びが得られた貴重な期間となりました。

今月の活動実績 まとめ

救われた命 累計105名 

  • 今月の救われた命は45人にのぼり、例年と比べても高い伸び率を記録しています。
    新病院の開院まで残り4か月を切った今、これからも一人でも多くの命を救えるよう、活動を続けてまいります。




がん新規入院患者数 累計12名 

  • 病棟に􏰁常に約40名の小児がん患者さんが入院しております。
    スタッフ一同、心をひとつにして、一人でも多くの子どもたちに的確で質の高い医療を届けるため、努めてまいります。




外来診療数 362名

  • 形成外科医および耳鼻咽喉科医が来訪され、集中的な診療活動が行われました。
    そのため、多くの外来患者が訪れ、適切な診療を受けることができました。
    今後も、一人でも多くの方に医療を届けてまいります。




 

小児入院患者数 55名

  • 専門的な知識と指導力を持つ医師たちによる集中的な診療および手術活動が、今月は5回にわたって行われました。
    そのため、例年と比べて入院患者数がかなり増加しています。




小児手術件数 33件

  • 今月は、小児外科医の中原医師が当院で集中的な手術活動を行ってくださったことで、小児がんの手術を5件実施することができました。




マオリザちゃん( 5月)

年齢: 14歳
家族構成:父・母・妹
病名:卵巣卵黄嚢腫瘍
卵巣にできる悪性腫瘍の一つで、胚細胞腫瘍という種類に分類されます。
特に思春期前後の若い女性や女児に多く発生する、比較的まれながんです。
この腫瘍は、胎児期に存在する「卵黄嚢」という器官に似た構造を持つ細胞から発生し、進行が早く、早期に転移する可能性もあるため、迅速な診断と治療が重要です。

生理の時にお腹が痛くなり、カンボジア最大の小児病院で手術を受けました。
しかし5ヶ月後に再発し、シェムリアップの病院を経て、紹介を受けて、当院に来院しました。

今後は、化学療法を4回行い、腫瘍が小さくなれば手術を予定しています。

性格はおとなしく、静かな雰囲気の女の子です。
好きな食べ物はりんごで、好きなことは絵を描くこととバレーボール。
体調が良いときには、絵を描いたり、体を動かすことも楽しみにしています。



カカダくん

年齢: 14歳
家族構成:父、母、姉2人
病名:左下顎ユーイング肉腫
主に小児や若年成人の骨や軟部組織に発生する悪性腫瘍です。
多くの場合、骨盤や大腿骨、上腕骨、肋骨などにできますが、軟部組織にできることもあります。
カカダくんの場合は、左下あごの骨に発生しました。

最初は顎の痛みがあり、カンボジア最大の小児病院で検査を受けました。
薬でいったん症状は落ち着きましたが、その後、足にも痛みが出はじめました。
再び同じ病院で検査を受けたところ、悪性腫瘍であることが判明し、紹介を受けて当院に来院しました。

当院で生検を行い、抗がん剤治療を開始しています。
14クールの抗がん剤治療、放射線治療などを組み合わせて、治療を進める予定です。

好物は肉料理で野菜はあまり好きではないそうです。
いつも車のおもちゃで遊んでいるとのことです。



キビンくん

年齢: 4歳
家族構成:父・母・妹
病名:ウィルムス腫瘍
子どもの腎臓にできる悪性腫瘍の一種です。
主に5歳以下の乳幼児に発生し、腹部のしこりや腫れで気づかれることが多いです。
早期発見すれば、治療によって良好な経過が期待できます。

最初は症状の血尿で、地元のクリニックで検査を受けたところ、腫瘤の疑いがあると言われました。
その後、カンボジア最大の小児病院に1週間入院し、検査の結果悪性腫瘍と判明。
当院を紹介され、来院されました。

抗がん剤治療で腫瘍を縮小させた後に手術により全摘し、術後も抗がん剤治療を継続する予定です。

野菜が好きで、特にホウレンソウやタケノコを好んで食べるそうです。
ベッドのそばにはいつもミニーのぬいぐるみがいて、そばで支えてくれています



ソリナちゃん

年齢: 13歳
家族構成:父・母・妹
病名:リンパ腫
リンパ球という白血球は一種ががん化することで起こる血液のがんです。
がん化したリンパ球は、リンパ節(首・わき・足􏰀付け根など)や脾臓、骨髄、消化管などのリンパ組織で増殖します。

最初に気づいたのは首の右側のしこりでした。
家族と一緒に近くのクリニックを受診し、薬を使って様子を見ましたが、症状は改善しませんでした。
そこで、シェムリアップの病院に紹介され、2ヶ月間入院。
検査の結果、悪性腫瘍であることが分かり、紹介を受けて当院に来院しました。

今後は、化学療法を6回行う予定で、治療に前向きに取り組んでいます。

少し恥ずかしがり屋な性格ですが、親しい人とはよく笑い、兄弟とジャンプして遊ぶ元気な子です。
好きなことは、TikTokの動画を見ることと、甘いランブータンを食べることです。



その他の命を救われた患者さん

今月当院での治療により、
命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
45名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
名前 年齢 性別 疾患名
1 ソピアクトラくん 1歳 熱傷
2 メングロスくん 11歳 扁桃肥大
3 パニーちゃん 11歳 左前腕骨折
4 サチャくん 13歳 急性糸球体腎炎
5 ソマリーくん 4歳 左足腫瘤
6 ハキミンくん 14歳 甲状舌管嚢胞
7 モロコットちゃん 12歳 デング熱
8 パンハくん 4歳 右陰嚢水腫
9 スレイニッチちゃん 4歳 右耳腫瘍
10 ミンシンくん 11歳 包茎
11 パンハちゃん 5歳 右瞼嚢胞
12 パニスくん 9歳 下唇腫瘤
13 サムナンくん 9歳 両側扁桃摘出
14 ヤクボスくん 8歳 包茎
15 リーチくん 9歳 扁桃肥大 IV度
16 ビレアクくん 10歳 扁桃肥大III度
17 ニタちゃん 2歳 扁桃肥大III度
18 スレイリンちゃん 3歳 扁桃肥大
19 リホーンくん 4歳 デング熱
20 ビレアサクくん 9歳 扁桃肥大
21 メングリーちゃん 13歳 扁桃肥大
22 カカダくん 15歳 左下顎ユーイング肉腫
23 キビンくん 4歳 ウィルムス腫瘍
24 ヤナスちゃん 8ヶ月 デング熱
25 ソリナちゃん 13歳 リンパ腫
26 チャヌンくん 5歳 デング熱
27 スレイリーちゃん 6歳 頸部嚢胞
28 ファッティンくん 9歳 包茎・左側停留睾丸
29 チェスダくん 1歳 デング熱
30 ダネちゃん 2歳 左眉皮様嚢腫
31 チャニスくん 5歳 デング熱
32 ロシカちゃん 3歳 甲状舌管嚢胞
33 チャイくん 5歳 包茎
34 ラシンくん 4歳 デング熱
35 ボラくん 10歳 デング熱
36 スレイリンちゃん 15歳 デング熱
37 シウメンちゃん 13歳 デング熱
38 ピセちゃん 2歳 左耳前瘻孔
39 リンダちゃん 14歳 デング熱
40 ポンマニーくん 4歳 右側停留精巣
41 スレイリンちゃん 5歳 デング熱
42 サスちゃん 12歳 急性糸球体腎炎
43 カニカちゃん 12歳 デング熱
44 ソフィアくん 13歳 喘息
45 ボラくん 10歳 包茎

今月の救われた命

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