新病院「ジャパンハートアジア小児医療センター」開院式を開催しました。
ジャパンハートから活動報告が届きました
新病院「ジャパンハートアジア小児医療センター」
開院式を開催しました。
「ジャパンハートアジア小児医療センター」
開院式報告
2025年10月31日、新病院「ジャパンハートアジア小児医療センター」の開院式を開催しました。
式典には、植野篤志・駐カンボジア日本国大使、チアン・ラー保健省大臣をはじめ、日カ両国から約300名が出席し、多くの支援のもと、同院の誕生を祝いました。開院式では、吉岡秀人医師によるスピーチ、現地僧侶による祈祷、リボンカットなどが行われ、会場は温かな祝福に包まれました。
同院の開設は、ジャパンハートにとって大きな挑戦であり、「アジアの生存格差(サバイバルギャップ)をゼロにする」という目標のもと、2022年より始動したプロジェクトです。今後は、より多くの国内患者の受け入れ、現地医療人材の育成、さらには他国からの患者受け入れにも取り組み、支援依存ではない持続可能な医療体制の構築を目指します。
また、単なる医療拠点にとどまらず、「子どもが来たくなる病院」という構想のもと、長期入院中でも子どもが豊かな日々を過ごせるような遊び心ある空間づくりや、家族への心のケアにも力を注いでいく予定です。
ここまで歩んでこられたのは、多くの方々のご支援のおかげです。特に阿部亮財団様のご支援がなければ、小児がん治療の第一歩を踏み出すこともできませんでした。心より御礼申し上げます。
今月の活動トピック
小児病棟でハロウィンイベントを開催しました。
子どもたちと一緒に病棟を飾り付け、プレイルームは賑やかな雰囲気に包まれました。
フェイスペインティングではカボチャやコウモリなどのデザインを描き、折り紙や輪投げでも笑顔あふれる時間を過ごしました。
子どもたちと一緒に病棟を飾り付け、プレイルームは賑やかな雰囲気に包まれました。
フェイスペインティングではカボチャやコウモリなどのデザインを描き、折り紙や輪投げでも笑顔あふれる時間を過ごしました。
10月から新たに2人のインターンが活動を開始しました。
ミネルバ大学4年の梅木さんと、筑波大学4年の駒場さんです。
自ら課題を見出し、積極的に行動する姿勢がとても印象的です。
11月以降は新病院と現病院に分かれての活動になります。
更なる病院運営の質の向上が期待されます。
ミネルバ大学4年の梅木さんと、筑波大学4年の駒場さんです。
自ら課題を見出し、積極的に行動する姿勢がとても印象的です。
11月以降は新病院と現病院に分かれての活動になります。
更なる病院運営の質の向上が期待されます。
小児がん患者を対象に、『オープンホスピタル』と題し、病院の職業体験を開きました。
子どもたちは、医師・看護師・薬剤師・検査技師のブースを周り、実際の器具や場所でリアルな職業体験ができました。
医療への興味や理解を向上させるだけでなく、スタッフと患者のつながりを深くすることができる、心温まる機会となりました。
子どもたちは、医師・看護師・薬剤師・検査技師のブースを周り、実際の器具や場所でリアルな職業体験ができました。
医療への興味や理解を向上させるだけでなく、スタッフと患者のつながりを深くすることができる、心温まる機会となりました。
イオンモールにて、現地の血液センターと連携し、献血イベントを開催しました。
当日は104名の方々にご参加いただき、多くの命を支える献血につなげることができました。
また、「ジャパンハートを知っています」と声をかけてくださる方も多く、地域の皆さまの中に助け合いの輪が広がっていることを実感しました。
当日は104名の方々にご参加いただき、多くの命を支える献血につなげることができました。
また、「ジャパンハートを知っています」と声をかけてくださる方も多く、地域の皆さまの中に助け合いの輪が広がっていることを実感しました。
10月13日から17日の5日間、小児外科医である平松友雅医師による集中的な手術活動が行われました。
小児がん患者の手術4件を含む、計33件の手術が期間中に実施されました。
大きな手術を終えた患者さんとご家族は、安堵の表情を浮かべ、明るい笑顔で毎日を過ごしています。
小児がん患者の手術4件を含む、計33件の手術が期間中に実施されました。
大きな手術を終えた患者さんとご家族は、安堵の表情を浮かべ、明るい笑顔で毎日を過ごしています。
10月7日から10日の4日間、消化器外科の北川祐資医師による手術活動が行われました。
周辺病院での手術活動が17件、また、ジャパンハート小児医療センターにおいても手術が実施されました。
これからも地域病院との連携を深め、医療の質向上に努めてまいります。
周辺病院での手術活動が17件、また、ジャパンハート小児医療センターにおいても手術が実施されました。
これからも地域病院との連携を深め、医療の質向上に努めてまいります。
今月の活動実績 まとめ
救われた命 累計252名
- 今年度の救われた命の人数はすでに250名を突破いたしました。
支えてくださる皆さまのご支援とご協力があり、多くの命を助けることができています。
がん新規入院患者数 累計24名
- 今月の新規入院は3名でした。
今後も周囲の病院と連携を取りながら、多くの小児がん患者さんに適切な医療を届けてまいります。
外来診療数 341名
- 近年では最多となる400人を超える患者さんが外来を受診しました。
今後もより多くの患者さんに当院存在を知っていただけるよう、活動を続けてまいります。
小児入院患者数 48名
- 新病院への移転を契機として、これまで以上に多くの子どもたちを受け入れられるよう、スタッフ一同、力を合わせて取り組んでまいります。
小児手術件数 36件
- 平松医師による集中的な手術活動を実施したことで、多くの手術を行うことができました。
例年の同月と比較しても、かなり多くの手術件数となっています。
メイホンちゃん(9月)
年齢: 1歳家族構成:母・兄
病名:右腎「悪性」ラブドイド腫瘍(MRTK)MRTKは、「主に赤ちゃんの腎臓にできる、非常にまれで攻撃的な小児がん」です。
「がんのブレーキ役」の遺伝子が壊れているため、猛スピードで進行し、治療が非常に難しいがんとされています。
メイホンちゃんは長い間発熱が続き、肺炎を起こしたため、シェムリアップの子ども病院を受診しました。
そこでジャパンハートを紹介され、来院しました。
当初は手術を予定していましたが、腫瘍が大きかったため、まずは抗がん剤治療で腫瘍を小さくしてから手術を行う方針となりました。
現在は化学療法を受けています。
少し人見知りでおとなしい性格ですが、最近は先生や看護師にも笑顔を見せるようになってきました。
どんなおもちゃでも遊び、どんな食べ物でも食べる好奇心旺盛な一面もあります。
チャンモリカちゃん
年齢: 1歳家族構成: 父・母・姉2人・兄
病名:左大腿膿瘍膿瘍とは、体の一部に膿がたまってしまう状態のことです。
主に細菌感染によって起こり、患部には痛みや熱感、腫れが見られます。
体の深い部分にできた場合には発熱やだるさなど、全身の症状が出ることもあります。
ワクチン接種後、接種部位に炎症が起こり、腫れや皮膚の硬化、紫〜赤紫色の変化が見られました。
最初はカンボジアの伝統的なハーブ療法を自宅で試しましたが、症状が悪化したため、近所のプライベートクリニックを受診。
しかしエコーの設備がなく、「切開して確認するか、ジャパンハートを受診するか」という提案を受け、紹介によりジャパンハートに来院しました。
ジャパンハートでは、足の患部を切開し、膿を排出する処置を行いました。
その後、約10日間にわたって経過を観察しました。
術後は患部を毎日きれいに洗浄し、ガーゼ交換を続けて回復に向かっています。
遊ぶことが大好きで、特に人形遊びが好きだそうです。
とても素直で賢い子で、入院中も明るく元気に過ごしています。
ボレイくん
年齢:5歳家族構成:祖母
病名:リンパ管腫リンパ管腫とは、胎生期のリンパ管の異常によってできる、リンパ液が溜まった大小の袋状の良性腫瘍です。
多くは先天性で首や顔、わきの下などに発生しますが、全身のどこにでもできる可能性があります。
最初は首が腫れ、熱が出たため大きめの病院で5日間薬を飲みましたが改善しませんでした。
その後、近所の知り合いの方から紹介を受け、ジャパンハートで治療を受けています。
ジャパンハートでは、患部にピシバニールを注入する硬化療法を行い、腫瘍が小さくなることを期待して経過を観察しています。
おもちゃは「車」が大好きだそうです。
祖母は微笑みながら、「この子はいい子、ずっといい子」と話していました。
その他の命を救われた患者さん
今月当院での治療により、命を救うことができた患者さんは
前頁まででご紹介した他に
35名いらっしゃいます。
お名前、疾患名等は次の通りです。
| 名前 | 年齢 | 性別 | 疾患名 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | パンハくん | 9歳 | 男 | 右鼠径ヘルニア |
| 2 | テポンくん | 11歳 | 男 | 左脛骨骨腫瘍 |
| 3 | インノレアクヴィトゥくん | 5歳 | 男 | 陰茎皮膚腫瘤 |
| 4 | ウドムプティくん | 9歳 | 男 | 右鼠径ヘルニア |
| 5 | シンハブくん | 1歳 | 男 | 右鼠径ヘルニア / サラセミア |
| 6 | セアンハイくん | 3歳 | 男 | 左停留精巣 |
| 7 | ブラチヴィチェアくん | 7歳 | 男 | 右陰嚢水腫 |
| 8 | ボレイくん | 5歳 | 男 | リンパ管腫 |
| 9 | チャンモリカちゃん | 1歳 | 女 | 左大腿膿瘍 |
| 10 | セレイヴァトニアくん | 3歳 | 男 | 左足底疣贅 |
| 11 | チャンリーチくん | 3歳 | 男 | 右鼠径ヘルニア |
| 12 | スレイピンちゃん | 7歳 | 女 | 右鼠径ヘルニア |
| 13 | ヤナちゃん | 9歳 | 女 | サラセミア |
| 14 | チャイフォンくん | 4歳 | 男 | 包茎 |
| 15 | ケアセーンくん | 6歳 | 男 | 左鼠径ヘルニア |
| 16 | ニサちゃん | 1歳 | 女 | 前大泉門部 デルモイド嚢腫 |
| 17 | ソコエウンくん | 9歳 | 男 | 背部頚部アテローム |
| 18 | メンチョンくん | 13歳 | 男 | 包茎 |
| 19 | ヴァンニートくん | 9歳 | 男 | 左鼠径ヘルニア |
| 20 | カヴィくん | 12歳 | 男 | 右耳類皮嚢胞 |
| 21 | ソクンくん | 12歳 | 男 | 右鼠径ヘルニア |
| 22 | ロタくん | 2歳 | 男 | 包茎 |
| 23 | ヴィチットくん | 4歳 | 男 | 右腋窩リンパ節腫脹 |
| 24 | ラヌットくん | 8歳 | 男 | 左精索水腫 |
| 25 | パンハリアッチくん | 5歳 | 男 | 右精索水腫 |
| 26 | ヤッタナックくん | 6歳 | 男 | 頸部リンパ腫の疑い |
| 27 | ドウンチャンレアダミーちゃん | 3歳 | 女 | 右鼠径ヘルニア |
| 28 | ティケアユくん | 5歳 | 男 | 蜂窩織炎 |
| 29 | ダラくん | 12歳 | 男 | 両停留精巣 |
| 30 | ソタノンくん | 7歳 | 男 | 右鼠径ヘルニア |
| 31 | ヴァンタくん | 7歳 | 男 | 右鼠径ヘルニア |
| 32 | パンハちゃん | 8歳 | 女 | 両鼠径ヘルニア |
| 33 | カヴィンくん | 15歳 | 男 | 左頸部腫瘤 |
| 34 | キムヘンくん | 16歳 | 男 | 皮膚線維肉腫 |
| 35 | ティダちゃん | 18歳 | 女 | 明細胞肉腫 |
今月の救われた命
