一般財団法人 阿部 亮 財団

新しい病院へ、小児がんと闘うお子さんたちが引っ越しをしました。

ジャパンハートから活動報告が届きました

新しい病院へ、小児がんと闘うお子さんたちが引っ越しをしました。

「ジャパンハートアジア小児医療センター」
開院式報告

10月31日に無事に開院式を終え、11月に入りましてからは、小児がんと向き合うお子さんたちの移転、外来診療の開始、そしてジャパンハートアジア医療センターとして初めての手術の実施など、病院は少しずつ本格的に稼働を始めております。
開院から1か月が経過し、まだ歩みはゆっくりではありますが、スタッフ一丸となって一つひとつの課題に向き合いながら取り組み、日々確かな前進を感じております。

今後は、既存病院・ジャパンハート医療センター(次ページよりJHMC)および、新病院・ジャパンハートアジア小児医療センター(次ページよりACMC)という2つの拠点それぞれの場所において、1人でも多くの患者さんにより良い医療を届けていくとともに、両病院が互いに連携し、手を取り合いながら、より高度で専門的な医療の提供にも取り組んでまいります。

また、今月より2拠点体制となったことを受け、今後の発信につきましては、JHMCでは主に成人患者さんのストーリーを、ACMCではこれまでと変わらず小児患者さんのストーリーを中心にお届けしていく予定です。
それぞれの現場で生まれる想いや歩みを、皆さまに丁寧にお伝えしてまいりますので、今後ともどうぞ温かく見守っていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

ジャパンハート医療センター
今月の活動トピック

◎新スタッフ紹介
2025年11月より、新垣看護師、水野看護師、山口助産師が、カンボジアにて1年間の活動を開始いたしました。
既に現地スタッフとも積極的にコミュニケーションを取り、親しく話す姿が印象的です。今後もより一層チーム一丸となって取り組んで参ります。
◎学生団体「2Cents1Cause」来訪
11月30日、学生団体「2Cents1Cause」の皆さんが来訪し、チャリティードネーションを届けてくださいました。
同団体は、11月22日に開催したバドミントンのチャリティーマッチで集まった参加費や、物資を寄付してくださいました。
いただいた寄付金は、今後の医療活動や入院患者さんの支援に活用させていただきます。
◎外村ミッション
11月21~23日、消化器外科医・外村医師による集中的な手術活動が行われました。
今回のミッションでは、後腹膜膿瘍や右乳房腫瘍をはじめ、緊急性や難易度の高い症例を含む13件の手術が実施されました。外村医師は限られた期間の中でも一例一例に丁寧に向き合い、患者さんの状態に応じた最適な治療を提供しました。

患者インタビュー

フィアルットさん

年齢:19歳
病名:サラセミア
サラセミアは、遺伝子の異常により、赤血球の主要成分であるヘモグロビンを正常に作れないため、赤血球の寿命が短くなり、慢性的な貧血をきたす病気です。重症の場合、体が十分な酸素を運べなくなるため、倦怠感や息切れ、成長の遅れなどが見られ、定期的な輸血、薬での治療、大きくなった脾臓を摘出する手術などが必要になることがあります。

生後9か月のとき、高熱が続いて病院を受診し、そこで重度の貧血が見つかって輸血を受けました。その後は16歳までシェムリアップの病院で経過観察を続けながら過ごしてきました。12歳のときに手術を勧められたものの、不安が大きく治療に踏み切れず、以降は地元の病院で輸血のみを続けていました。

今年9月、近所の方から「自分の子どもがジャパンハートで小児がん治療を受け、とても信頼できる病院だった」と紹介され、受診を決意しました。説明を受ける中で「ここなら任せられる」と感じ、今回の手術を受ける決心につながったといいます。入院中はスタッフが優しく声をかけてくれ、丁寧な診察とケアのおかげで安心して治療に臨むことができました。

退院後は家に戻り、いとこと一緒にテニスをすることを楽しみにしています。

パットさん

年齢:55歳
病名:右乳房腫瘍
乳房腫瘍は、乳房にしこりができる病気で、良性の場合もありますが、悪性の可能性もあるため適切な検査と治療が必要です。

6年前、パットさんは胸に触れた際にしこりを見つけました。しこりはゆっくりと大きくなり、地元のクリニックで簡易的な手術を受けたものの症状は改善しませんでした。腫瘍にはにおいもあり、人目が気になって外出や日常生活がしづらく、つらい日々が続いていたといいます。

今年、妹さんがタクシー運転手からジャパンハートの存在を聞き、パットさんは片道8時間かけて受診を決意しました。「自分の病気を本当に診てもらえるのだろうか」と大きな不安を抱えていたそうですが、治療を受けられたことに深い感謝を感じており、「生まれ変わったようでうれしい」と話します。

手術前は恐怖や緊張もありましたが、スタッフが優しく声をかけ続けてくれたことで、「落ち着いて手術に臨むことができました。入院中も丁寧なケアに支えられ、命を助けてもらえて、本当に感謝しています」と話しています。

ジャパンハートアジア小児医療センター
今月の活動トピック

◎新病院へのお引越し
11月7日、既存の病院から新しい病院へ、小児がんと闘うお子さんたちが引っ越しをしました。新しい病院を前に、子どもたちは目を輝かせながら周囲を見渡していました。特に、センターサークルがよく見えるプレイルームはお気に入りのようです。
新しい病院でも、入院生活の中で子どもたちが「楽しい」と思える瞬間をたくさん生み出していきます。
◎外来診療がスタート
11月11日より、アジアこども医療センターでの外来診療が開始しました。
初日は6名だった外来患者数も、日に日に増加し、11月中旬には毎日、約30名程度の患者さんにお越しいただいております。
外来チームも新しい施設で連携をとり、より多くの患者さんにより質の高い医療を提供できるよう、日々議論と改善を重ねて参ります。
◎新スタッフ紹介
2025年11月より、富田看護師、三丸看護師が、カンボジアにて1年間の活動を開始いたしました。
すでに現地スタッフとの関係構築が順調に進み、活発に意見交換を行っている点がとても心強く感じられます。今後もチーム全体で連携しながら取り組んでいく方針です。

患者インタビュー

コサールくん

年齢: 6歳
病名:真性包茎
真性包茎とは、包皮が亀頭を覆っていて、包皮の開口部が狭いために亀頭を出すことができない状態です。新生児では正常な状態ですが、成長とともに自然にむけることが多いです。治療の必要性は、亀頭炎を繰り返す場合や、排尿時に問題がある場合に考慮されます。

コサールくんは、 1年前から夜尿が続いていることに異変を感じ、まずプノンペンの大きな病院を受診しました。しかし費用の問題で手術を受けることができず、一度は治療を諦めざるを得ませんでした。

その後、知人やFacebookで噂を聞いていたジャパンハートこども医療センターの存在を思い出し、受診を決意。手術日が決まるのを待って、新しい病院へ来院し、11月20日に無事手術を終えることができました。

コサールくんは車のおもちゃが大好きで、治療を頑張るために、入院前にもご家族が車のおもちゃを買ってあげたそうです。

カビンくん

年齢:15歳
病名:左頸部卵黄嚢腫瘍
卵黄嚢腫瘍は、胎生期の卵黄嚢に似た組織から発生する稀な胚細胞腫瘍です。仙尾部、縦隔、後腹膜、脳など、性腺以外の場所からも発生します。主な症状は腫瘤の触知や圧迫症状で、腹部膨満、腹痛などがあります。治療は外科的治療と化学療法を組み合わせ、予後は比較的良好です。

カビンくんは左の首から鎖骨付近にかけての腫れと、普段よりも疲れやすい状態に気づき、体調の異変を感じていました。
プノンペンの大きな病院でリンパ節生検を受けたところ、悪性であることが判明し、医師から治療を勧められました。

その後、Facebookを通じてジャパンハートこども医療センターの存在を知り、信頼できる医療機関であると感じて受診を決めました。治療は約3か月間で抗がん剤を計4回行う予定で、現在もCT検査や診察を受けながら経過観察を続けています。

カビンくんは静かでおとなしい性格で、入院中はゲームやスマホでショート動画を観ながら過ごしています。好きな食べ物は、カンボジアの甘いスープ(茶色で豚肉と卵が入った料理)。趣味は友達とサッカーをすることです。



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